ニューアルバムは、前作以上に「歌が語る物語」にフォーカスした一枚。金子由香利への畏敬の念をベースに、角川映画『犬神家の一族』のテーマ曲「愛のバラード」からフォーク、歌謡曲まで、多彩な名歌を収録している。クミコはそれぞれの楽曲を自身の表現で歌い上げ、一編の映画のような情景を想起させるシャンソンとして届けている。
この日は、金子を世に送り出し、シャンソンブームを牽引したプロデューサー・残間里江子氏も客席に姿を見せた。金子へのオマージュを込めたアルバムの発売日に、その歩みに深く関わった残間氏が立ち会うこととなった。
ライブ中盤では、アルバムの核を成す「再会」と「愛のバラード」を披露。矢田部さんゆかりの場所で歌われた「再会」では、偶然出会った元恋人たちの心の揺れを、クミコがていねいに紡いだ。続く「愛のバラード」では、観客を物語の深淵へと引き込んでいった。
「再会」の歌唱後には、客席の残間氏をステージに招く一幕もあった。トークの中で残間氏は「クミコさんにはずっと『再会』を歌ってほしいとお伝えしていたので、それがかなって本当にうれしい」と語り、会場は温かな拍手に包まれた。
また、中島みゆきのカバー「時は流れて」も披露。物語性を持つ同曲を、クミコはシャンソンティックなアプローチで表現し、過ぎ去った時間と人生の機微を歌声で浮かび上がらせた。
終盤には、平和への祈りを込めた「イムジン河」、泥臭くも力強い生命力を感じさせる「ヨイトマケの唄」を歌唱。フィナーレでは「愛の讃歌」を届け、大きな拍手とともにライブは幕を閉じた。
アルバムの発売を記念し、クミコのオフィシャルYouTubeチャンネルでは「再会」と「愛のバラード」のミュージックビデオが同時公開された。
クミコは10月30日に東京・初台の東京オペラシティ コンサートホールでコンサートを開催する。同公演では、ストリングスを迎えた特別編成でのステージが予定されている。


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