巨匠・横溝正史の同名小説を完全新作として映画化した『八つ墓村』(9月18日公開)が、カナダ・モントリオールで開催される「第30回ファンタジア国際映画祭」でワールドプレミア上映されることが決定した。あわせて、監督を務めた清水崇が同映画祭の生涯功労賞を受賞することも発表された。


 本作は、シリーズ累計発行部数5500万部を超える「金田一耕助」シリーズの代表作『八つ墓村』を映画化したミステリー。金田一耕助の初登場から80周年の節目に、Jホラーの旗手として世界的に知られる清水監督がメガホンを取り、本来の「怪奇幻想ロマン冒険談」としての魅力を再構築した。

 金田一耕助役は尾上松也、八つ墓村で連続殺人事件に巻き込まれる青年・辰弥役は奥智哉。ヒロイン・森美也子役を堀田真由、田治見家の双子の老婆・小竹と小梅の二役を高島礼子、田治見要蔵と長男・久弥の二役を滝藤賢一、磯川警部役を小籔千豊が演じる。さらに渋川清彦、高嶋政伸(※高=はしごだか)らが脇を固める。

 ワールドプレミアの舞台となるファンタジア国際映画祭は、北米最大級のジャンル映画祭として知られ、毎年10万人以上が来場する。本作は現地時間7月28日に上映され、上映後には清水監督によるQ&Aも実施される予定だ。

 同映画祭のアジア部門プログラミング・ディレクター、ニコラ・アルシャンボー氏は、「『八つ墓村』は、Jホラー特有の呪いの系譜に、ミステリーやスラッシャー映画の要素を融合させた、神秘的かつ恐怖に満ちたフォーク・ホラーの傑作」と高く評価。

 さらに、「清水監督は、音響や視覚的なヒントを随所に散りばめ、観客をあの名探偵・金田一耕助の現代版へと変身させるプロセスを、心から楽しんで演出しているように見えます。モントリオールの観客も、このいにしえの謎の真相を突き止めようと、大いに熱狂することでしょう」とコメントを寄せた。

 清水監督には生涯功労賞が授与されることも決定。三池崇史、押井守、佐藤信介に続く、日本人4人目の受賞となる。
同映画祭は、ジャパニーズホラーを北米へ紹介する先駆けとして知られ、自らリメイクを手がけたハリウッド版『THE JUON/呪怨』が日本人監督の実写作品として初めて全米興行収入1位を獲得するなど、世界にJホラーを広めてきた清水監督の功績をたたえる。

 受賞について清水監督は、「カナダでの新作2作の上映および功労賞、光栄です!と同時に“功労”の言葉に自分の歳を感じ、数えれば監督人生が年齢の半分を越えていました。怖がりだった子が、今は怖がらせてばかりのオジさんに……」と喜びを語った。

 さらに、「横溝正史先生の大作を好き勝手させていただき、ともすれば叱られる覚悟で臨んだ試写の後、横溝正史ファミリー、野村芳太郎監督ファミリーに囲まれ、称賛のお言葉をいただき、野本瑠美さんからは手を離さないほどの熱い握手をいただけたことは、生涯忘れ得ない至福の時となりました」と振り返った。

 原作者・横溝正史の二女である野本瑠美さんも、「父・横溝正史と清水崇監督。二人の創作意欲が時代を超えて結実した素晴らしく面白い作品でした」とコメントを寄せている。

 世界初上映を経て、清水監督が描く新たな『八つ墓村』が世界の観客からどのような評価を受けるのか、注目が集まりそうだ。
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