アップルペンシルの「お墓」誕生 ペン先16本の墓標が示す「努...の画像はこちら >>


 円形の缶の中に並べられた、小さな白いパーツ。よ~く見てみると、なんとすべて使い終えたApple Pencilのペン先ではありませんか。


 この光景に対し、持ち主が名付けたのは……「アップルペンシルのお墓」。モノクロの写真も相まって、なんとも悲哀を感じる一枚となっています。



 撮影したのはXユーザーのmiyaさん。およそ9か月前にiPadを購入し、Apple Pencilを使い始めて以来、ほぼ毎日のようにイラストを描き続けてきました。その結果、これまでに消耗してきたペン先は16本。整然と並べられたその姿は、たしかに小さな墓標の列のようです。


 miyaさんは「周囲より消耗が激しく、買い替え出費がかさんだため、己への戒めとして墓を作りました」と語ります。


 表面が紙のようにざらざらした「ペーパーライクフィルム」を使っていることや、もともとの筆圧の強さも影響し、消耗のスピードは早め。線が細くなり思うように描けなくなった時や、先端が斜めに削れて金属が見えてしまった時に交換を行っているのだそうです。


アップルペンシルの「お墓」誕生 ペン先16本の墓標が示す「努力の可視化」
初期の頃の「墓標」


 かつては鉛筆や万年筆のペン先が使い込まれていったように、現代のデジタルツールの中にも確かに「消耗品」が存在します。miyaさんがペン先をまとめてお墓にしたのは、単なるゴミとして捨てるのではなく「共に描いてきた証を残したい」という思いの表れのようにも感じられます。


 並んだペン先を見て、「特に感慨はありませんが、絵を描かない人より多く描いているんだな、という実感はありました」と振り返るmiyaさん。今後もペン先を交換するたびに“供養”を続けていく予定とのこと。


 16本の小さな墓標は、一見するとユーモラスで珍しい光景。しかし、その背後には毎日絵を描き続けた習慣の積み重ねがありました。見方を変えてみると、それは決して悲観的なものではなく、まさしくmiyaさんの努力が可視化された一枚だったのです。


<記事化協力>
miyaさん(@g_myj_81)


(山口弘剛)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025100106.html
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