物価高が続く昨今、ファストフードからサブスクまで「ちょっとした出費」がバカにならないと感じている方も少なくないのでは。そして「値上げ後のサービス価格は、海外の同等サービスと比較して本当に高いのか」も気になるところ。
そこで今回は一例として、日本のAmazonプライムの料金と海外のAmazonプライムの料金を比較。
結論から言えば日本のAmazonプライムは「UAEのAmazonプライム」とほぼ同等水準で、アメリカやイギリスよりは非常に安いという料金です。日本のAmazonプライムはここ5年ずっと値上げ傾向にあるため、まだ値上げが行われるかもしれませんね。
【おさらい】日本のAmazonプライムの料金
2024年7月現在、日本のAmazonプライムの料金は年間プラン5,900円(税込)、月間プラン600円(税込)です。
Amazonプライムの支払い方法はクレジットカード、携帯決済あと払い (ペイディ)、PayPay、Amazonギフトカード、パートナーポイントプログラム(JCBのOki Dokiポイント)です。
ちなみにAmazonプライムは段階的に値上げが続いています。直近では、2023年8月に値上げ。それまでは年会費4,900円、月会費500円だったため、20%という大幅値上げとなりました。遡ると2019年にも値上げが行われています。年会費は1,000円値上げで4,900円(税込)に、月会費は100円値上げの500円(同)に。
つまり2019年までは月400円のサブスクだったということです。5年前と比較すると1.5倍の価格になっていると言え、このように振り返ると「安いと思っていたら、いつの間にか結構高くなっていた」という感じがありますね。
主な海外の国におけるAmazonプライムの料金
ではここからはさっそく、主な海外の国のAmazonプライムの料金と国内のAmazonプライムを比較してみましょう。
まずは分かりやすいように、月会費だけで比較してみます。
・日本:600円
・アメリカ:約2,000円
・イギリス:約1,600円
・ドイツ:約1,400円
・UAE:約600円
・シンガポール:約300円(※当日配送別料金)
欧米と比べ、日本のAmazonプライムはかなり価格が抑えられていると言えそうです。ちなみにアメリカには政府による支援を受けている人を対象とした、およそ半額のプライム料金プランもあります。しかし「半額」でも日本のAmazonプライムより高いため、かなり日本のプライムは安いと言えるでしょう。
アメリカ
アメリカのAmazonプライムの料金は、月額14.99ドル、年間139ドルです。日本円に換算すると、年間約19,000円(月額約2,000円)。日本の料金と比較すると約3.3倍の価格となっています。

なおアメリカのAmazonでは、前述の通り、政府による支援を受けている低所得者の方などを対象とした約半額(月6.99ドル 通常は14.99ドル)の料金プランを別途用意しています。サービス内容は通常のプライムと変わりません。
イギリス
イギリスのAmazonプライムの料金は、月額8.99ポンド、年間95ポンドです。日本円に換算すると、年間約17,000円(月額約1,600円)となり、こちらも日本の料金と比較して約3倍の価格です。
なおイギリスは海外で有名なデリバリーサービス「Deliveroo」の発祥国であり、コロナ禍でフードデリバリーサービスの利用割合が高い国の1つでもありました。そうした背景を受けてか、イギリスのAmazonプライムには「Deliveroo」の月額3.49ポンド相当の会員資格も特典として付いています。

デリバリーの利用頻度が高い国でのプライム会員資格としては、お得感があるのかもしれません。
ドイツ
ドイツのAmazonプライムの料金は、月額8.99ユーロ、年間89.90ユーロです。日本円に換算すると、年間約13,000円(月額約1,400円)となり、日本の料金と比較して約2.2倍の価格です。
UAE
UAEのAmazonプライムの料金は、月額16AED、年間140AED。日本円に換算すると、年間約5,200円(月額約600円)となり、日本の料金とほぼ同等です。
なおAmazonはグローバルな輸出にも乗り出しており、他国のAmazonで「Amazon US」ないしは「Amazon Export Sales LLC」名義で商品を出品しているケースがあります。UAEのAmazonには「Amazon US」名義での出品が実際に見られます。
Amazon USからの購入はUAEのAmazonではかなり根付いていると見られ、一定の価格以上の購入での国際エクスプレス便の無料化もプライム特典に含まれています。
シンガポール
シンガポールのAmazonプライムの料金は、月額2.99シンガポールドル、です。日本円に換算すると、月額約300円となり、日本の料金よりも安価ですが、プライム会員であっても当日配送には5.99シンガポールドルがかかります。
物価高が続く中でも、なお日本の物価は安い方かも?
ご紹介してきた通り、Amazonプライムの料金は国によってかなり異なります。たとえばアメリカは日本の3.3倍の価格。低所得者の方を対象としたプランであっても、なお日本のAmazonプライムより高い料金設定です。
つまり物価高が続く中でも、少なくとも日本の「Amazonプライム」は値上げ傾向にあるとはいえまだ安い水準です。
実はグローバルなサービスや商品の料金を国内外で比較してみると、日本の物価は「Amazonプライム」以外を見てもまだ安い水準です。
たとえば、こうした国内外の物価の指標として最も有名なのは「ビッグマック指数」。「ビッグマック指数」は、各国で販売されているマクドナルドのビッグマックの価格を比較して為替レートや物価水準などを評価する指数のこと。
2024年1月に発表された最新のビッグマック指数(ビッグマックインデックス:BMI)は以下の通り。
1位:スイス/8.17ドル
2位:ノルウェー/7.14ドル
3位:ウルグアイ/7.04ドル
7位:イギリス/5.71ドル
9位:アメリカ/5.69ドル
45位:日本/3.04ドル
ちなみに日本のビッグマックは2020年には390円でしたが、2024年には480円まで上がっています。それでも海外のビッグマックよりは安いので「海外の水準で見れば、もっと価格が上がってもおかしくないところ、企業努力によって価格が抑えられている」という見方もできます。
とはいえ「イギリスやアメリカの水準まで、将来的にビッグマックやAmazonプライムの料金が上がってもおかしくない」という見方もできるでしょう。
何気なく利用しているファストフードやサブスクも、こうして改めて振り返ってみるとじわじわと値上がりし続けていたりします。今回はAmazonプライムを例にしましたが、自分が利用しているサービスの値上げの歴史を振り返ったり、海外との価格比較を通じて「断捨離の判断をする」のもおすすめです。
※サムネイル画像(Image:MAXSHOT.PL / Shutterstock.com)
By OTONA LIFE