急いでいるときや、時間の余裕がないときに出くわすと困ってしまう、電車の遅延。特に遅れては困る朝の通勤時など、路線によっては混雑により遅れることが慢性化しているような路線もある。

そこで今回は国土交通省が公表している資料をもとに作成された「首都圏で遅延が多い路線のランキング」を紹介する(データは新型コロナウイルス流行以前の2019年のもの)。ランキング上位の各路線は「ほぼ毎日遅延が発生している」という困った状況だ。果たしてワースト1位となるのはどの路線だろうか。

満員電車で有名な各路線が上位にランクイン

インターネット調査の「ねとらぼ調査隊」が11月18日に公開した「『遅延』が多い首都圏の路線ランキングTOP45」。これは国土交通省の資料をもとに、1ヶ月(平日20日)あたりの遅延証明書の発行日数を多い順にランキングにしたものだ。ここではその一部を抜粋して紹介する。

まずは第5位、「埼京線・川越線(大崎~新宿~武蔵高萩)」で遅延証明書発行日数は18.3日。朝のラッシュ時にはドアを閉めるために駅員がぎゅうぎゅうと押し込まないとならない程に混雑するため、遅延もほぼ毎日のように発生している。第4位は「小田急線」で18.8日。こちらもその混雑ぶりは有名で、定刻通りに来る方が珍しいと言っても良いほど遅延も多い。路線距離が長いことや、相互直通運転の他線区による影響などがその理由として考えられる。このランキングを見たユーザーからも「3路線のどこかでトラブルが起こるとなかなかたどり着けない」といったコメントが寄せられていた。

そして同率で第2位にランクインしたのは、「中央快速線・中央本線(東京~甲府)」と「中央・総武線各駅停車(三鷹~千葉)」の2路線で19.0日。どちらの路線も朝のラッシュ時は2、3分間隔の過密ダイヤで運行し、首都圏でもトップクラスの超満員電車。やはり乗降時間の遅れが遅延につながっているようだ。ネット上でも、「中央線は西からの通勤にも大変便利なので、どうしても接続のよい総武線・中央線が混むんじゃないでしょうか」と、混雑する理由について考察されている。

そして、ここまで紹介した混雑と遅延の多さで悪名高き各路線を超えて、首都圏で最も遅延の多い路線、ワースト1位となったのは、「東京メトロ千代田線」だった。1ヶ月あたりの遅延証明書発行日数は19.2日。東京メトロのなかで東西線に次いで混雑率が高い千代田線。やはり、混雑と過密ダイヤ、さらにJR常磐線や小田急線との相互直通運転の影響の3点が遅延が発生する原因となっている。ネットからも「ピーク時2分に1本来る中で駅間距離も短いのだから、そりゃ渋滞しますわ」といった声が寄せられていた。

ここまで見てみると、朝夕のラッシュ時の混雑が遅延に繋がっていることがよく分かる。国土交通省の資料でも、10分未満の小規模な遅延の原因は54%が乗降時間の超過やドア再開閉によるものとなっている。次いで多いのが乗客トラブルなどで16.1%だ。

利用客が多く混雑するほど、痴漢騒ぎや喧嘩などといったさまざまなトラブルが起こる要因にもなるだろう。

また、ランキング6位から10位も合わせて紹介しておくと、第6位は「横須賀線・総武快速線(大船~東京~稲毛)」、第7位「東京メトロ東西線」、第8位「東海道線(東京~湯河原)」と「京浜東北線・根岸線(大宮~大船)」、第10位「宇都宮線・高崎線(上野~那須塩原・神保原)」となった。

首都圏で通勤に電車を利用する以上、混雑や遅延と無縁でいられるのはなかなか難しい。働き方改革が推進され、新型コロナウイルス流行によりテレワークが導入されても、いまだ首都圏の満員電車と遅延は変わらぬ日常の風景だ。鉄道各社も遅延対策としてオフピーク通勤を呼びかけるなど、さまざまな取り組みを行なっているが、果たしていつでもストレスなく各路線を利用できるようになる未来は訪れるのだろうか。

今のところは、ランキング上位の路線を利用する際には、遅延することを前提に時間に余裕を持って行動するように心がけよう。

出典元:「遅延が多い」首都圏の路線ランキングTOP45 1位は「東京メトロ千代田線」【2019年データ】【ねとらぼ調査隊

※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)

By OTONA LIFE
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