法的にアウトな場合を除いて、人間関係にはさまざまなレベルがあるから、同じ行動が“浮気”に見えるかどうかの境界線は人それぞれだ。たとえば「二人で食事をした」という客観的な事実だけで“浮気”というのは難しいけれど、頻度や状況、もっと言えば「気持ち」の問題を指摘する人も少なくない。

弁護士法人mamori(東京)の「"浮気"に関する意識調査」では、「恋愛感情を抱いている」時点で浮気と考える人が23.8%だった。

 全国の20~40代の550人に6月20日、設問選択と記述式でアンケート調査を実施。「浮気された経験がある」と回答したのは14.7%にとどまったが、「あいまいなことがあった」(13.6%)と答えた人を含めると、3割が相手の浮気を疑った経験を持っていた。浮気の境界線については、上記の「恋愛感情を抱いている」に次いで「肉体関係」(22.9%)などの身体的接触のほか、「2人きりで食事」(8.9%)という回答もあり、親密なコミュニケーション自体が「裏切り」と捉える傾向も見られた。SNSなどでのひんぱんなやり取りなど、“気持ちの動き”も注目されやすく、従来の「浮気の線引き」は個人の価値観に大きく依存するようになっているという。ちなみに浮気の証拠として最も多いのは、やはり「LINEやSNSのメッセージ」(70.4%)と「写真・動画」(70.4%)だ。

 浮気を許せるかどうかでは、「絶対に許せない(気持ち or 肉体)派」が49.1%と最多で、厳しい態度を示す傾向がある一方、「状況次第で判断する」(22.9%)という柔軟な立場も。さらに、「反省すれば許す」(4.9%)や「1回だけなら許せる」(3.5%)など、寛容な回答も一定数存在する。 浮気をめぐる許容度は、“一線を越えたら終わり”という厳格派と、“内容や反省次第で判断する”という柔軟派に二極化しているようだ。恋愛・結婚における価値観が多様化する中、浮気を機に別れるか、再構築するかは、その背景や関係性の成熟度に大きく左右されていることを示唆する結果となった。

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