残念ながらタックスヘイブンを探さねばならないほど資産はないが、税金という名の国民の義務に感じる苦しみの大きさは変わらない。いったいどうなっているのか、複雑な税制をしっかり理解するのは案外大変な作業だ。
『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】~タックスヘイブンから相続・移住まで~』(矢内一好著、幻冬舎ゴールドオンライン、税込み1250円)がAmazon Kindleでこの7月に発売された。税金という視点から世界を理解する一助になりそうだ。
太平洋に浮かぶ小さな国々が、なぜ大企業や富裕層の「隠れ家」になっているのか。シンガポールや香港が国際金融の中心として選ばれる理由は何か。トランプ政権下でアメリカの税制はどう変わり、いま何が起きているのか。単なる税制の比較本ではなく、事例の背景にある人の営みや国の戦略、見えざるパワーゲームを読み解いていく。税制というフィルターを通して世界を見れば、これまでとはまったく違う景色が広がるかもしれない。