「アイランダー高校生サミット」のTシャツ姿で記者会見に臨んだ高校生たち。意気込みを語る徳之島高校の吉川陽風海(よしかわ・あきふみ)さん

 大正大学(学長・神達知純)と公益財団法人日本離島センター(理事長・荒木耕治=鹿児島県屋久島町長)は、全国の離島の高校生たちがオンラインで集う「アイランダー高校生サミット2025」を12月21日(日)に都内で開催する、と発表した。

7月31日、文部科学省内の記者クラブで会見を行った。この日のため全国10の離島から東京に集まった運営を担う実行委員の高校生たちと、大正大学の学生たちが開催の狙いや、意気込みを語るとともに、サミットへの参加を呼び掛けた。

 今回のサミットのテーマは「潮の音(ね) 鳴らせ 我らの離島~しまの高校生、100人会議~」だ。実行委員の髙本汐音(たかもと・しおん)さん(大正大学4年)はテーマの設定について「異なる島に生きる私たちが集い、それぞれの経験や考えを持ち寄って、声に出して語り合うことで、新しい一つの波をつくろうという思いから、みんなで考えました」と説明した。

 今回で3回目の開催となる「アイランダー高校生サミット」では、100人の離島の高校生の参加を目標に募集を開始。応募期間は12月19日(金)まで。離島の高校に在籍する生徒と、離島から本土の高校に通学している生徒、離島から通信制の高校に在籍する生徒なども対象だ。

 申し込みは下記二次元コードから。

申し込みフォーム

 詳細はホームページから。

▼「安心して語れるサミットに」

 群馬県から愛媛県へ離島留学している田中楓夏(たなか・ふうか)さん(愛媛県立弓削高校2年)は「離島に来て、人とのつながりが温かいと感じます。もう少しつながりが欲しくて、昨年のサミットにも参加しました。全国に友だちをつくって、サミットが終わった後もイベントを開催したい」と意気込みを語った。

弓削高校の田中楓夏さん

 東京都立新島高校2年の谷茂岡光(やもおか・ひかり)さんは、「このサミットは違う価値観や違う考えを持った人と触れ合うことができる、とても価値のある時間になると思います。ただ交流するだけではなく、身近な人には話せないけど、誰かに聞いてほしいという自分の思いを安心して語り合えるサミットをつくりたい」と話した。

新島高校の谷茂岡光さん

 大正大学の山内洋(やまうち・よう)副学長は「サミットでは、日ごろ暮らしている、自分たちの島の将来を思うことで、日本の未来まで考えてくれている若者たちの成長の姿を見ることができます。なぜ彼らが島に住むのか、島で学び続けるのかを、ぜひ耳を傾けて見守っていただきたい」と強調した。

大正大学の山内副学長

 前回(2025年1月)開催した第2回サミットでは、参加した長崎県立奈留高校の福山魁貢(ふくやま・かいこう)さん(当時2年生)と鹿児島県立与論高校の松井美海(まつい・みう)さん(同3年生)が、外部との交流機会の限られる島の高校生同士が訪問し合い、対面で自分たちの島で感じる課題の解消や、「こうだったらいいな」という思いの実現を目指すプロジェクトが誕生している。このほか、昨年度に引き続き実行委員を務める北海道奥尻高校3年の板垣秋佳里(いたがき・あかり)さんが、開催中の大阪・関西万博のイベント「北海道昆布WEEK」でコンブや海に関する活動を発表し表彰されるなど、離島の高校生たちの行動のエネルギーになっているようだ。

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