朝日に照らされて大空を漂う熱気球と、幻想的な奇岩群「フェアリーチムニー」が織りなす、トルコ・カッパドキアの息をのむ風景。行ったことがなくても、写真や動画で紹介され、絶景としてよく知られている。

トルコ有数のこの観光地が「ミシュランガイド」に掲載され、改めて注目を集めている。一度は訪ねてみたいという旅好きのために、トルコ共和国大使館文化観光局が、おすすめグルメを紹介してくれた。

 カッパドキアの博物館や遺跡を昨年訪れた人は437万人以上。熱気球体験も年間93万3千人と過去最高を記録している。その魅力は風景だけでなく、アナトリアの伝統や土地の恵みに根ざした豊かな食文化にもある。カッパドキアは、豊富な種類の肉料理が有名だが、その筆頭は「テスティ・ケバブ(壺焼きケバブ)」。熱々の陶器を目の前で割ると、じっくり煮込まれた香ばしい肉の香りが立ち上り、視覚と味覚の両方で楽しめる特別な料理だ。

 カイセリ名物は「マントゥ(小さな水餃子)」。一口のスプーンに40粒ものせられるほど繊細な一品。ヨーグルトとバターソースでいただく伝統の味わいは、訪れる人を魅了している。

 ほかにも、ヨーグルトと麦、ひよこ豆でつくる「ウルギュップ・タルハナスープ」、干しアンズと肉を木製のストーブで煮込んだ「カユス・ヤフニスィ」、ブドウ糖蜜やアーモンド、レーズンを混ぜ込んだ「ゼルデリ・ピラフ」、さらに「西洋カリンの詰め物」や「アーパクラ(白いんげんと肉の煮込み)」など、さまざまな郷土料理が楽しめる。

 もちろんデザートも充実している。

バターで煮たイチヂク、「インジル・ヤーラマス」、かぼちゃのデザート、ブドウ入りトルコ菓子「キョフトゥル」、はちみつを添えた「干しカイマク」、小麦粉とバターで仕立てる「ドラズ」など、スイーツ好きも満足できるラインアップだ。また、トルコを代表するスイーツといえば、言わずと知れた「バクラヴァ」。カッパドキアでは、ウルギュップ風の特別な一品「ダーマット・バクラヴァ」が味わえる。

 そしてカッパドキアワインも忘れてはいけない。初期キリスト教修道士の時代までさかのぼる長い歴史を誇る。肥沃な火山性土壌と豊かな日照に恵まれたこの土地の代表的な品種は、エミル、オキュズギョズ、カレジック・カラス、ボアズケレ、ナリンジェなど。個性豊かな味わいを堪能できる。

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