国際博覧会としては初めて、「キャッシュレス決済の本格導入」を掲げた2025年大阪・関西万博。訪れる人全てが、電子マネーでやりとりする会場では、カードやスマートフォンだけでなく、アクセサリー感覚でつけられるリング(指輪)型のウエアラブルデバイスも存在感をアピールしている。
Visaのタッチ決済に対応したキャッシュレス決済機能を搭載する、リング型のウエアラブルデバイス「EVERING(エブリング)」。万博の「キャッシュレス決済・EXPO 2025 デジタルウォレットサービス」運営にゴールドパートナーとして協賛し、キャンペーンで4万人に特別仕様のリングを贈呈したほか、現在は「EXPO 2025 DIGITAL WALLET」の刻印が入った記念リングを販売している。
8月28日には、万博会場内の「デジタルウォレットパーク」にある決済端末に実際にリングをかざす、メディア向けデモンストレーションを実施。関西エリアでは、大阪メトロ、阪急電鉄、阪神電気鉄道、近畿日本鉄道が昨年までにタッチ決済を導入している。万博会場最寄りの大阪メトロ中央線・夢洲駅でも、EVERINGスタッフがリングでの改札通過の様子を動画撮影し、SNSで発信した。
EVERINGの川田健・最高経営責任者(CEO)は「充電不要の『リング』で電車に乗れて、物が買える。本当にこういうことができる時代だというのを(多くの方に万博会場内で)感じてほしい」と力を込めた。
川田CEOによると、EVERINGのコアユーザーは30~40代が中心で、育児と仕事を両立する女性などからのニーズが目立つ。加えて、今年から携帯電話大手のショップでの取り扱いを開始したことで安全性や利便性が浸透し、40~50代の購入も大幅に増えた。万博への協賛を通じて、国際的なアーティストから日本でのコンサート限定グッズ作成の打診もあり、野外フェスや音楽イベント分野での商機も探る。
現在のEVERINGユーザー数は10万人近く。川田CEOは「まずは100万人の達成が目標」と意気込んだ。