スマホが生活必需品になっている現代。高齢者も多くの人がスマホを使っているものの、防犯の観点から見ると、「使いきれている」と言うには不安がある人も少なくない。

特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ(名古屋市)が、高齢者のスマホの利用状況に関するアンケート調査を実施したところ、高齢者の半数以上が「スマホで不安や困り事を感じたことがある」と回答した。

 子どもを持つ全国の65歳以上の人に9月4日調査を実施、1201人の有効回答をまとめた結果、高齢者の92.8%がスマホを所有しており、高齢者にとっても“生活必需品”になっていることが分かる。一方で、スマホを使っていて経験したことのあるトラブルについてたずねたところ、最も多かったのは「知らない番号から電話がかかってきた」(86.1%)、次いで「心当たりのないSMS・メールを受け取った」(62.1%)というもの。詐欺の可能性がある電話やSMS・メールが、高齢者のスマホにも日常的に届いていることが分かる。また、「スマホの設定方法がわからなくなった」(27.4%)や「アプリやサービスの使い方がわからなくなった」(25.1%)など、ツールの利用面に関する不安も目立った。

 もっとも、スマホを使っていて被害やトラブルにあったとき「誰に相談したか」をたずねると、「誰にも相談しなかった」(37.4%)という人が最も多い。次いで、「息子・娘」(32.4%)「配偶者」(28.4%)の順。家族以外では、「携帯ショップ」(12.8%)「友人・知人」(8.3%)と回答する人も。

 被害やトラブルについて、親族に相談しなかったという人の理由は「自分一人で解決できると思ったから」(52.0%)が最多。「迷惑をかけたくなかったから」(18.8%)「忙しそうだったから」(10.8%)など、家族に対する遠慮も見られる。

 そこで、「スマホの防犯やインターネットのトラブル対策について、普段から家族で話し合うことはあるか」とたずねると、「よくある」「時々ある」という人は55.2%。44.8%は「ほとんどない」「全くない」という人で、防犯に関する話し合いの習慣がない人も多い。

 困りごとがあった時に、一人で抱え込むことで結果的に被害が拡大する危険性があるため、家族の声かけや、相談できる窓口の確認が不可欠だ。敬老の日をきっかけに、もう一度高齢の家族とスマホと防犯の話をしておこう。

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