L to R: Philippine Velge and the Spinosaurus in JURASSIC WORLD REBIRTH, directed by Gareth Edwards.

【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、オススメ作品をひとつ厳選して、本音レビューをします。

今回、ピックアップするのは映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』(2025年8月8日公開)です。
夏休み映画らしい壮大なスケールの人気シリーズ最新作を試写で鑑賞しましたが、まさに見るアトラクション!ジェットコースター級のスピード感とドキドキハラハラ+ツッコミどころも満載でした!

それでは、物語から。

【物語】
舞台は『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』から5年。秘密工作の専門家ゾーラ(スカーレット・ヨハンソンさん)は、製薬会社の代表マーティ(ルパート・フレンドさん)から、人類を救う新薬を開発するため陸・空・海の3大恐竜のDNAを採取するという仕事を依頼されます。

L to R: Scarlett Johansson as skilled covert operations expert Zora Bennett and Jonathan Bailey as paleontologist Dr. Henry Loomis in JURASSIC WORLD REBIRTH, directed by Gareth Edwards.

彼女はチームを組んで、かつてジュラシック・パークの極秘研究が行われていた島へと向かうのですが……。

【シリーズ初・主人公は女性!】
1993年にスタートした『ジュラシック』シリーズ。『ジュラシック・パーク』から『ジュラシック・ワールド』へと形を変えても人気は衰えず、そしてついに最新作ではシリーズ初の女性主人公が誕生!

演じるのはマーベル映画『ブラック・ウィドウ』でも主演を務めたスカーレット・ヨハンソンさんです。

Scarlett Johansson as skilled covert operations expert Zora Bennett in JURASSIC WORLD REBIRTH, directed by Gareth Edwards.

彼女は『ジュラシック』シリーズの大ファンで、本作で製作を務めるスティーヴン・スピルバーグさんに会うたびに「『ジュラシック』シリーズの新作に出演したい。5分で死ぬ役でもいい、後悔させないから!」と猛アピールしてヒロイン役をつかんだといいます。

スター俳優が自ら役をゲットしにいくという、そのアグレッシブな姿勢はゾーラそのもの! 男たちを従えて恐竜ランドに飛び込んでいく頼もしい姿にスカーレットさんのやる気がみなぎっていましたよ!

【製薬会社の無茶ぶりに体当たり!】
前作で世界に放たれた恐竜たちですが、白亜紀に生きていた恐竜は現代の地球の環境にマッチせず、数を減らしていきます。そんな恐竜が生きられる場所は赤道直下の限られた地域だけ。そこにまた人間たちが恐竜のDNAを求めてやってくるわけです。

しかし、その目的が「人類を救う新薬のために陸・空・海の恐竜のDNAを採取」というのにビックリ。
「あんな巨大な恐竜からどうやって?製薬会社の無茶振りでは???」と思いつつ、知的な研究者の面々なので知恵を巡らせるかと思ったら、結局、体当たり作戦というのがよき!

またそこに海で難破したファミリーが登場。ゾーラのチームだけでなく、難破ファミリーも恐竜に追いかけられるというサバイバルアクションが展開されるのです!

L to R: Isabella Delgado (Audrina Miranda), Reuben Delgado (Manuel Garcia-Rulfo), Teresa Delgado (Luna Blaise) and Xavier Dobbs (David Iacono) in JURASSIC WORLD REBIRTH, directed by Gareth Edwards.

【名作『ジョーズ』を彷彿させる海のアクション】
本作は空から・ケツァルコアトルス、海からモササウルス、陸にはティタノサウルスという恐竜たちが彼らに襲いかかります。私はモササウルスがとにかく怖かったです。姿が見えないと思ったら突然ザッバーンと現れ、難破ファミリーの小さな船は即転覆!

Mosasaurus in JURASSIC WORLD REBIRTH, directed by Gareth Edwards.

海から出てきそうで出てこない、怖さを煽る演出はスピルバーグ監督の名作『ジョーズ』のよう。怖くて怖くて心の中でキャーキャー言っちゃいましたよ。

【お約束演出が楽しい】
前半は恐竜の島での探検と発見、そしてなんとかDNAをゲットできて容器に入れたと思ったら、突然現れた恐竜に襲われ、大切なDNAがコロコロと崖っぷちに転がっていき……という、お約束のような展開。

後半は恐竜 VS 人間のバトルが怒涛の展開を見せます。恐竜が人間に接近して「あ~やられる!」というピンチが何度も何度もやってきます。その度に心臓がバクバクしちゃってもう! やられそうでやられないという絶妙さが最高でしたね。ギリギリを攻めていたので「これこれ!」と、ハラハラしながらニヤニヤしちゃいましたよ。

【いちばんの悪は人間?】
今回いちばん、驚異だった恐竜のはミュータドン。破綻した大企業インジェン社の誤った遺伝子操作で生まれたハイブリット恐竜。
いびつに巨大化した頭など肉体的に奇形で精神も錯乱状態なので、本作の恐竜で最も怖かったのでは……。恐竜というより怪獣ですね!

しかし、いずれも人間の身勝手な行いにより、生きにくい現代に無理やり復活させられたわけですから、恐竜たちは気の毒な一面も「怖い、キャー」と叫びつつも「かわいそう……」と思ったりして。

猛暑の夏!涼しい映画館の大きなスクリーンでアトラクション級のスリル体験ができるのが『ジュラシック・ワールド/復活の大地』。テーマパークに遊びに行く気分で、ぜひ劇場でご覧くださ~い!

執筆:斎藤 香(C)pouch
Photo:©2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
2025年8月8日(金)より、全国ロードショー
監督:ギャレス・エドワーズ
キャラクター原案:マイケル・クライトン
出演:スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリー、ルパート・フレンド、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、ルナ・ブレイズ、デヴィッド・ヤーコノ、オードリナ・ミランダ、フィリッピーヌ・ヴェルジュ、ベシル・シルヴァン、エド・スクライン
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ、デニス・L・スチュワート
日本語吹替版キャスト:松本若菜、岩田剛典、吉川愛、楠大典、小野大輔、高山みなみ、大西健晴、玉木雅士、三上哲、水瀬いのり、小林千晃ほか
©2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

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