■最初に検討するのは「ローンの返済」
まず真っ先に考えたいのが、コスト軽減に関してです。住宅ローンなど各種ローンの返済が残っている方は、ローンを繰り上げ返済することで利子軽減を検討しましょう。
特に、変動金利でお金を借りている方の場合、長期で見れば利子負担が重くのしかかってきている可能性があります。金利上昇の傾向がある今だからこそ、早め早めに返済することで利子負担を軽減すべきです。
また、消費者ローンやカードローンでお金を借りている方の場合、そもそもの借り入れ金利が高いため、のんびり返済していると利子負担がどんどん重くのしかかってくることになります。こうした場合もできる限り早い段階で、ボーナスでまとめて返済し、余分な利子を支払わなくても良いように対応すべきです。
■ローンの繰り上げ返済シミュレーション
実際にどれぐらい利子が軽減できるか、事例で解説します。例えば、4000万円を変動金利年0.6%で30年、元利均等返済で住宅ローンを組んだ場合を考えましょう。繰り上げ返済は早期に行えば行うほど、利息軽減効果が大きくなります。
そこで、借り入れ開始から6カ月後に100万円の繰り上げ返済を行ったとします。シミュレーションによれば、利息軽減額は19万952円、短縮できた返済回数は9カ月となりました。
同条件で、金利を年1.0%で試算すると、利息軽減額は33万7690円、短縮できた返済回数は10カ月となりました。
繰り上げ返済は、できるだけ早く行うことで、金利の高い人ほど利息軽減効果が大きくなります。仮に何十万円も利息軽減が期待できるならば、ボーナスの使い道としては最も効果的ではないでしょうか。ついつい散財に走ってしまいそうな方ほど、ローン返済に充てる方が良いかもしれませんね。
■インフレ時代に改めたい「貯蓄の考え方」
ローンという負の資産がない方は、資産を増やすことを検討するか、パーっと使って楽しむことを検討することになります。筆者は、パーっと使って楽しむこともありだと考えます。もちろん、全部ではありませんが。なぜならば、このインフレ下で預貯金にせっせと励むのはどうかと思うからです。
消費者物価が年2.5~3%ほど上昇する中で、普通預金の金利は年0.2%ほど。つまり普通預金に入金しただけでは、実質的に年2%以上もお金が目減りすることになります。要は、モノを買えるお金が減ってしまうことになるのです。
■お金を貯めていればよい時代は終わった
「普通預金=減らない」というのは名目上であり、デフレ時代はそれで良かったものの、今やインフレのまっただ中。
「ボーナスは全部貯金」と考えている場合、普通預金など通常の預金では、貯めているように見えて長い目で見れば自ら資金を減らし続けることにつながる可能性大です。今やボーナスを全部普通預金で貯めるのはNGなのです。
そのため、一部をぜいたく品に消費するのもアリだと思います。インフレが続けば続くほど値上がりしそうなモノを先買いし楽しむのです。
それは何も飲食だけにとどまりません。円安が進むならば海外輸入品の値上がりも想定されます。であれば、海外の高級腕時計などを購入するのもアリです。できればロレックスのように値下がりリスクの低いものを購入すると、身に着けて楽しい、資産価値も温存できて嬉しいということになることでしょう。
「いや、そんなぜいたく品は必要ない。しかしながら実質的に預金が目減りするのもできるだけ避けたい」そう思う方はどうすればよいでしょうか。その場合には、まずはインフレ対策をボーナスで行っていきましょう。
■貴金属、不動産、株式などが有効
昔からインフレに有効な資産として、貴金属、不動産、株式といったものが挙げられます。ただし、インフレだけで価格が変動するわけではない点には注意が必要です。
貴金属は過去の傾向を見ると、デフレに対応してきました。しかしながら昨今では、世情不安やドル離れなどに伴い、貴金属に投資する人も増えてきました。その結果、金をはじめ、銀も最高値更新となるなど大きく注目されている資産となっています。
不動産は、物価上昇に伴い地価も上昇する傾向にあることから、インフレ対策にもってこいの資産とも言えます。ただし、どの土地やマンションでも持てばよいというわけではありませんし、金利上昇時には不動産価格が下落するリスクもあります。
立地などの選別ができる場合は不動産そのものへの投資も良いでしょう。しかしながら、素人にはなかなか難しいもの。そこで、J-REIT(日本版不動産投資信託)への投資が検討できます。J-REITの分配金利回りは5%を超えるものも数多く見受けられます。分配金を受け取り、インフレに対処するのも一手だと思われます。
もう一つ、インフレ対策として忘れてはならないのが株式または株式投資信託です。株式も昔からインフレ対策に有効な資産とみられてきました。ただし、個別株式の場合には、個別企業の業績がモノをいうことになります。インフレに伴い値上げがしっかりでき、それが売り上げや利益にも反映される企業であれば良いですが、なかなか値上げできず利益が減少する企業では株価は期待できません。無難にいくのであれば、株式投資信託でコツコツと積み立てを行っていく方が良いかもしれません。
■税制面での恩恵を受けられるNISA
こうしたインフレ対策となる資産を複数組み合わせて、まずはボーナスを元手にインフレに負けない資産作りを行っていきましょう。普段はボーナスをあてにせず生活し、ボーナスが入ったらインフレ対策や資産を増やすことを検討します。このサイクルができると、自ずと資産は貯まっていくことになるでしょう。もちろん、ボーナスだけではなく、日々のやりくりで余ったお金をもとに資産運用に励まれると、資産が増える体質が強化されます。
さて、ボーナスをもとに資産運用を行いたいのであれば、税制面でメリットが享受できるNISAを利用することも忘れてはなりません。ご存じの通り、NISAを利用すれば、非課税の恩恵を受けることができます。
昨今では、貴金属に投資のできる投資信託の設定も増えてきました。
■ボーナスを分割して入金していく
こうした貴金属に投資する投資信託、J-REIT、株式投資信託に分散してボーナスを振り分けてみてはいかがでしょうか。インフレ対策という面からも十分期待できますし、J-REITによる分配金も期待できます。株式投資信託では全世界株式(オールカントリー)に投資することで世界の経済成長の恩恵も享受できます。
もちろん、必ずしも増えるとは限りません。そのため、ボーナスをまとめて投資するのではなく、ドルコスト平均法により、例えば毎月10万円ずつ購入するための軍資金とすることも検討すべきです。資産分散や地域分散だけではなく、時間分散も働くようにします。こうすることで、できるだけリスクを軽減しながら増やせるよう努力をしていくことが良いでしょう。
まずは「負債を減らす」、次に「資産を増やす」ような計画を行うのが良いと思います。もちろん、パーっと使うことも悪くありませんが、使い道がご自身にとって本当に効果的かどうか踏まえたうえでご検討ください。
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伊藤 亮太(いとう・りょうた)
ファイナンシャル・プランナー
慶應義塾大学大学院修了。
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(ファイナンシャル・プランナー 伊藤 亮太)

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