人生で成功する人の特徴はなにか。元世界卓球日本選手団監督でヘアケアメーカー・スヴェンソンの児玉圭司会長は「何事においても自分で考えながら行動して失敗や間違いを重ねることが大事だ」という――。

※本稿は、児玉圭司『無駄がない努力』(日刊現代)の一部を再編集したものです。
■高い成果を出す人が頭の中で考えていること
仕事をしていると、「なぜかいつも楽しそうな人」に出会うことはありませんか?
たとえば営業職だったら、いつもいきいきと営業先を飛び回っていて、仕事の成績もよい。部署の枠を飛び越えて、次々と新しいチャンスをつかんでいくような人。
事務職だったら、常に新しい工夫をしながら業務を進めて、周囲の人に頼られる存在になり、社内の評価がどんどん高くなっていくような人。
そういった人たちに共通するのは、自分の仕事を「好き」になって、さらに「楽しんでいる」ことです。
孔子は、「これを知る者は、これを好きな者にしかず。これを好む者はこれを楽しむものにしかず」と言いました。これはまさにその通りで、仕事でもスポーツでも、「好きになって楽しんでいる人」にはかないません。人間、好きなことには時間を忘れて没頭できます。「やらなければいけない」よりも、断然よい成果につながります。
■つまらない仕事が楽しくなる瞬間
実際に、ビジネスやスポーツの世界で優秀な結果を出し、成功している人たちは、自分がやっていることが好きでたまらない、楽しくてたまらない、というお顔をしています。
ただし、何事もはじめから楽しめるわけではないのです。
そこは勘違いしてはいけません。
「楽しい」というのは、ある程度自分が思い通りに動けるようになっている状態です。その状態へ到達するまでには、必ず基本的な力をつけるための訓練の段階があります。スポーツでいうなら基礎練習、仕事ならば現場研修や先輩からの学び。失敗や、間違いを指摘されることも、仕事を身につける上では欠かせない経験です。
基礎的な訓練は、誰にとってもそれほど面白いものではありません。そこで「つまらない」と思って投げ出してしまうか、楽しくなるまで続けられるか。そこが大きな分かれ道となります。
基本的なスキルが身についてくると、仕事はどんどん面白くなります。さらに続けると自分自身の成長を感じ、自信に満ちあふれてくるという好循環に入ります。
「自信」とは、「ここまでやったのだから、大丈夫」と思えるまで努力したプロセスこそが、与えてくれるものなのです。
もしも今あなたが、「仕事がつまらない」、「自分に自信が持てない」と感じていたら――
仕事を楽しむ姿勢を持っているかどうか、そして自信が湧いてくるまで努力をしたかどうか、自分に問うてみてください。
まだまだ仕事が楽しくなる余地があると、気づけるかもしれません。
■一切報われない「無駄な努力」とは
「結果がどうであれ、精一杯がんばればいい」という考え方があります。
努力すること自体が尊いのだと言われると、確かにそうかな……という気がしてくるかもしれませんが、私はそうは思いません。「結果が出てこそ努力の意味がある」と思っています。
仕事やスポーツで勝ちたい、成功したい人は、努力の末に結果を求めなければなりません。結果が出なければ、すべての努力は無駄になってしまいます。
結果にこだわらない考え方は、「まあいいか」という気持ちを生み、せっかくの努力を途中でストップさせてしまいます。
もちろん、結果が出るまでに経験する苦労や失敗、挫折には大きな意味があります。なぜ失敗をしたのかを振り返り、冷静に分析することによって、大きな学びや気づきを得られるからです。
ただし、途中であきらめてしまったら、すべては「無駄な努力」に終わってしまいます。
つまり私が言いたいのは、「結果が出るまで、あきらめずに挑戦し続けよう」ということです。あきらめない限り、どんな努力も失敗も、無駄にはなりません。

■発明家が持っていた「一番の才能」
パナソニック創業者の松下幸之助さんは、私のバイブルでもある本『道をひらく』の中で、このように語っています。
「100の事を行って1つだけ成功したとしたら、はたしてそれは失敗か、成功か。99の失敗に悲観して、チャレンジを止めてしまえば、まさに失敗。しかし1つの成功に希望を持ち、挑み続ければ、もう成功したも同然である。」
発明王のトーマスエジソンは、白熱電球を発明するまでに、1万回近くも失敗したといわれています。実際の回数には諸説あるようですが、いずれにせよエジソンは数えきれないほどの失敗をして、ようやく1回の成功にたどり着きました。
99回の失敗は、1回の成功で取り返すことができます。大事なのは、あきらめないことです。すごいことを成し遂げた人は、みな結果が出るまで努力を続けたから、「成功」したのです。「あきらめずに続ける才能」があったともいえるでしょう。
途中であきらめることさえなければ、「成功」はずっとあなたを待っていてくれます。
■正解だけを求める人に成長はない
私は卓球の指導者として、また会社の経営者として、多くの人に助言をする機会がありました。そのときも今も、意識的に気をつけていることがあります。

それは、「すべてを言わない」ということです。
仮に気づいたことが10あったとしても、本人には3くらいしか伝えません。あとは自分で考えてもらうのです。人から言われて行ったことより、自分の頭で考えて行ったことのほうが、確実に効果につながるからです。
たとえば仕事で思うような成果を出せずに伸び悩んでいるとき。上司や専門家に意見やアドバイスを求めるのは必要なことですが、具体的な努力の方法まで、人まかせにするのはよくありません。実際の行動をするのはあなた自身で、上司でも専門家でもないからです。
■人生が変わる「毎日の5分習慣」
どんなに良い方法だったとしても、自分の頭で考えて思いついたやり方でなければ、真に「願晴る(頑張る)」ことはできません。あなたにも、そんな経験はありませんか?
子ども時代だったら親や先生、大人になってからは上司や先輩、セミナーの講師など。アドバイスをしてくれる相手から「こうすればよい」と言われたことを言われたとおりにやれば、一時的には結果を出せるかもしれません。でも、いまいちやる気が出なかったり、努力が続かなかったり……。
それは、あなた自身がとことん考え抜いて出てきた答えではないからです。
心の奥底から納得して理解していないから、努力が続かず、身につくものも少ないのです。
なぜ成果が出ていないのか、どうすれば成果を出せるのか。まずは自分自身でよく考えてみてください。
そして、どんなに小さなことでも構わないので、自分で考えて思いついた取り組みを、毎日続けてみてください。1日に5分だけ新しい勉強をするでも、取引先との商談を自分なりに1分振り返るでも、苦手な人に挨拶をしてみるでも、なんでもいいのです。大事なのは自分で考え、自発的に取り組むこと。自分で考えたことを1週間、1カ月でも続けられたら、それだけで「小さな自信」が生まれます。
「小さな自信」が芽生えたら、目の前の仕事と自分を見る目も変わり、次に必要な努力も見えてくるようになります。
自分で考え、自分で決めることが、やがては大きな成果へとつながっていくのです。

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児玉 圭司(こだま・けいじ)

スヴェンソン会長、元世界卓球日本選手団監督

1935年、東京都に生まれる。明治大学経営学部経営学科を卒業後、ダイコーを設立。1985年、スヴェンソン代表取締役社長就任。
現在、明治大学顧問、明治大学駿台体育会名誉会長、公益財団法人日本卓球協会顧問、日本学生卓球連盟名誉会長、明大卓球マネジメント代表理事、KODAMA国際教育財団理事長などを務める。2023年には、旭日双光章を受章。著書に『1日1話 自分を強くする 成功の教科書 365』(飛鳥新社、2021年)などがある。

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(スヴェンソン会長、元世界卓球日本選手団監督 児玉 圭司)
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