■「損をしたからやめる」はもったいない
私たちの生活に根づいてきた新NISA。「オール・カントリー型(全世界株式)を選んでおけば安心」と感じている人も多いのではないでしょうか。ここ数年の株式相場が好調だったこともあり、「思ったより増えている」という声もよく聞かれます。
ただ、成績が良いときほど見落としがちなのが、「相場が変わっても、同じように積立を続けられるかどうか」です。ひとつの商品に寄せたまま相場が急変すると、含み損に耐えきれず売却したり、積立を止めてしまう人も少なくありません。
新NISAでいちばん大事なのは、どの資産が当たるかではなく、「荒れ相場でも続けられる仕組み」になっているかどうか。今回は「積立をやめない組み方」を一緒に考えていきましょう。
■新NISAは「メイン+サブ」の2階建て
過去の大きな暴落局面を振り返ると、世界の株式市場が元の水準に戻るまでには、短くても数年、長いと5~7年程度かかっています。途中で積立をやめてしまうと、回復の波に乗り損ねてしまうこともあります。
そこで意識したいのが「メイン+サブ」という2階建ての考え方です。メインは、積み立ての中心となる「土台」です。
ただし株式は値動きが大きい資産です。そこで、値動きの「性格」が異なるサブ資産を少しだけ足して分散しておくと、株式が大きく下振れしたときのクッションになります。
本稿では、サブ資産として何がおすすめなのかを紹介します。
■株式市場が不安定なときこそ光るゴールド
大切なのは「役割分担」をさせることです。自分の資産全体のなかで、「この商品はどんな役割を担っているのか」を理解しておくと、相場が荒れたときでも慌てて手放しにくくなります。
サブ資産① ゴールド:儲けるより「心が折れないため」に入れる
「有事の金」とよばれるゴールド。最大の魅力は、現物そのものには発行体の破綻や倒産といった「信用リスク」がないことです。長期でみると株式との相関性が弱く、インフレ懸念や地政学リスク、通貨不安など、株式とは違う要因で買われることが多い資産です。そのため、株式市場が不安定なときに、ポートフォリオ全体の下落をやわらげる効果が期待できます。
一方、ゴールドは安全資産というイメージとは裏腹に、価格変動は大きく、株式や債券のように配当金や利息が出るわけでもありません。
現物の金地金を自宅で保管するよりは、金価格に連動するETFや投資信託のほうが、個人投資家にとっては扱いやすいでしょう。新NISAの成長投資枠で購入できます。
■高配当だけどリスクもそこそこなREIT
サブ資産② REIT:インフレ時代の「家賃収入」的な役割
REIT(リート)は、オフィスビルや商業施設、住宅などの不動産を対象とした投資信託です。家賃収入や不動産の売却益を投資家へ分配します。J-REITをはじめ多くのREITは「得た収益の90%超を分配する」などを条件に、法人税が軽くなる仕組みがあり、そのぶん分配金が高くなるのが魅力です。
REITは、インフレに一定の強さを持つといわれます。物価上昇局面では、賃料や不動産価格も押し上げられやすいためです。株式とも債券とも違う動きをする場面があり、ポートフォリオに少し入れておくと、値動きの分散効果が期待できます。
一方で金利が上がると、借入コストの増加や不動産価格の調整懸念から、価格が下落することも。景気悪化で空室が増えれば、分配金が減る可能性もあります。高配当だからといって安心とは言い切れません。
■為替変動にやきもきしたくない人は…
サブ資産③ 日本株:日本の伸びしろを数字でチェック
新NISAのメインをオール・カントリー型にしていると、日本株の比率は小さくなりがちです。例えば、オール・カントリー型に占める日本株は5%未満です。
日本株は、世界株や米国株と連動するため、値動きの激しさを劇的に抑える効果はありません。それでも日本株を足す意味は2つあります。ひとつは、日本経済の伸びしろに追加で投資できること。もうひとつは、円建ての株式を増やして、為替変動の影響をやわらげる点です。
株価の割高・割安をみる物差しのひとつがPER(株価収益率)です。直近の予想PERに目を向けると、日経平均は16~20倍程度、米国株(S&P500)の22倍前後と、日本株のほうが相対的に低めです。つまり、日本株は「利益のわりに株価が抑えられている会社が多い」マーケットでもあるのです。
日本経済の成長に期待する人は、メインの全世界株・米国株に加えて、日本株インデックスを少しだけ足してみるのも一案です。
■「王道タイプ」は20%をサブ資産に分散
新NISAの基本は「メイン+サブ」です。
・サブ資産の合計は、まずは20%程度から
・点検は年1~2回で十分。毎日価格を追いかけすぎない
・強い不安に襲われたら、積立金額や株式比率を下げるサイン
そのうえで、たとえば次のような組み方があります。
パターン① 王道タイプ(目安:~40代前半)
・全世界株式や米国株のインデックス投信:80%
・日本株のインデックス投信:10%
・ゴールド:5%
・REIT:5%
メインを厚めにして、サブはあくまで味つけ程度にとどめます。日本株で「日本の伸びしろ+円資産」を少し足し、ゴールドとREITは「暴落時のクッション」「家賃収入的な収益源」として合計1~2割に収めます。
■選ぶのが面倒なら「バランスファンド」でも
パターン② 守りを厚くしたいタイプ(特に50代以降)
・全世界株式や米国株のインデックス投信:60%
・日本株インデックス投信・ゴールド・REIT:合わせて20%
・債券のインデックス投信:20%
「値動きがどうしても不安」「暴落が来たら積立を止めてしまいそう」という人や、50代以降は、株式比率を下げて守りを厚くしましょう。
細かい組み合わせが負担なら、サブ資産や債券の代わりに、金融商品があらかじめ組み合わされた「バランスファンド」を少し取り入れる方法もあります。その際は、株式比率が低めで、信託報酬ができるだけ低いものを選びましょう。
パターン③ 相場の成長をしっかり取りにいきたいタイプ(目安:~40代前半)
・全世界株式や米国株のインデックス投信:80~90%
・日本株インデックス投信・ゴールド・REIT:合わせて10~20%
20~40代前半や、すでに預貯金や貯蓄性保険(変額保険を除く)、債券など「守りの資産」が十分ある人は、新NISA枠を「あえて守りを増やしすぎず、成長を取りにいくゾーン」と位置づける考え方もあります。ただしその場合でも、サブ資産を1~2割組み込んでおくと、攻めすぎを防げます。
■「当てる」より「長く続けられる」が正解
大事なのは、比率に絶対的な正解を求めることではありません。
全世界株式や米国株をメインにするのは王道ですが、株式一本に寄せすぎると、急落時の含み損に耐えきれず手放してしまうリスクが高まります。だからこそ、ゴールドやREIT、日本株などのサブ資産を少しだけ組み合わせ、自分が納得できる役割分担と比率の「型」を決めておくことが大切です。
最後に、今日できる一歩を意識してみませんか。
・いまの新NISAの比率を書き出す
・気になるサブ資産を少額だけ試してみる
この2つだけでも、次の荒れ相場への備えが一歩進むはずです。
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上原 千華子(うえはら・ちかこ)
金融教育家
金融教育家。欧米投資銀行勤務歴17年、個人投資家歴26年。証券外務員一種、最新の心理学NLPを使ったマネークリニック®認定トレーナー。2018年、ウェルス・マインド・アプローチ創業。資産運用講座を実施し、2022年より「3ヶ月マネー実践講座」を提供開始。ライフプランから資産運用までマンツーマン指導。
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(金融教育家 上原 千華子)

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