※本稿は、石川和男『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■問題は「叱ること」ではなく「叱り方」
以前の職場での話です。Bさんは、部下の起こした小さなミスまで徹底的に指摘するリーダーでした。
細かい点まで指摘すること自体は、悪いことではありません。
経営の神様と言われた松下幸之助氏も「大きな失敗は、本人も反省しているし一生懸命やったうえでするもの。小さな失敗は、おおむね本人の不注意、気のゆるみから起こり、本人もそれに気づかない場合が多い。だから、小さな失敗は厳しく叱る」と言っています。
このように、細かいところまで指摘することで本人が気づき、成長し一人前になっていくなら問題はありません。しかし、ミスを指摘することにフォーカスしすぎると、部下を委縮させ、成長するどころか最悪、退職にまで追い込んでしまいます。
つまり「叱ること」に問題があるのではなく、「叱り方」に問題があるのです。
リーダーBさんは、部下のCさんを呼びつけ、細かなミスを指摘していました。
B:「最近ミスが多くなってきているな。なぜだ?」
C:「先月から新しく担当になったDさんが、慣れていないみたいなので」
B:「慣れていないって。どうしてDに全てを任せているんだ?」
C:「チェックはしていますが、私も忙しくて手が回らない状況なんです」
B:「なんで、全てを細かくチェックしていないんだよ!」
C:「他にも仕事を抱えていて、この時期は手が回らないからです」
B:「それは言い訳だろ!」
■過去に目を向けるWHYは解決策にならない
「なんで」と聞いておいて、理由を答えると「言い訳するな」と言うリーダー(笑)。あなたの周りにもいませんか?
このような叱り方。つまり「なぜ?」「どうして?」「なんで?」と質問攻めで叱るのは、逆効果になりかねません。この聞き方は、ミスや失敗にではなく、部下本人を対象にしているからです。
部下も、自分が責められているとしか感じません。何よりも「WHY」は、過去に目を向けているだけなので、解決策にならないのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
部下に指導するときは「なんで?」ではなく、「どうしたら?」と提案します。「WHY」ではなく、「HOW」で考えるのです。今、あなたに投げかけた「では、どうしたらいいのでしょうか?」も「HOW」ですよね。
次の2つを比べてみてください。
①「頼んでいた企画書。期日までにできなかったんだって? なんで、完成できなかったんだ?」
②「頼んでいた企画書。期日までにできなかったんだって? どうしたら、期日通りに完成できたと思う?」
①は「WHY」で、②は「HOW」で聞いています。
①の聞き方だと「時間がなくて」「部下のミスで」「他の仕事が忙しくて」「作ったことがなくて」「ちょっと体調が悪くて」「朝イチバンでやろうと思ったら、電車が遅れていて……」と、いくつでも言い訳は見つけられますが、何の解決にもなりません。何度も同じミスを繰り返し、仕事が遅くなるのです。
②の聞き方だと、聞かれた側も答えやすく、部下は責められているとは感じずに、素直に「何が課題だったのかな」と考えることができます。
「HOW」は視点が未来へ向いています。「HOW」で考えると、「どうしたらできるようになるだろう」「どの方法がいいのだろうか」と自分で考える癖がつくので、現状に対して改善していこうという前向きな気持ちが生まれます。
どんどん解決策を考え、新たな方法を見つけ出すことで、ミスも減り、仕事が速くなるのです。
仕事が速いリーダーは、改善方法を考える指導を行う!
■日報の記入は「一増一減主義」で
仕事が遅いリーダーの中には、部下の行動を全て把握していないと気が済まないタイプの人がいます。部下だけではなく、お客様の状況も知りたいので、なるべく情報を書類に残すように指示します。
営業日報に記入する項目は30項目以上。お客様の会社の資本金、社長の名前など、ホームページなどで調べなくてはならないことまで記入項目にします。
確かにこれらは、取引するときに必要になるものもあるかもしれません。しかし、訪問しただけで取引先にもなっていない段階では、必要ありません。何より調べれば分かるものは、わざわざ時間をかけて書いておく必要はないのです。
こういうリーダーのもとには、日報を書くのに1日2時間近くかける部下がいます。日報を書くのに残業するのは当たり前。見込み客を開拓すればするほど残業が増えていくのです。
また、会議資料も非常に細かく、そのうえ大量に作成するリーダーもいます。部下にもそれを求めるので、会議の前日になると、ほとんどつきっきりで会議資料に取り組みます。その期間は営業先にも行けなくなるほどです。
仕事が速いリーダーは、ムダな書類を嫌がります。
日報に時間を費やすことを嫌い、記入項目を減らします。利用していない項目、参考にしていない項目を記入するのは、時間のムダだと感じるからです。
もし記入する必要がある項目が出てきたら、部下にヒアリングをして本当に必要かどうかを検討します。そして追加した場合は、他の項目を一つ減らします。「一増一減主義」をとるのです。
■ゴールを見据え、意味のあるプロセスだけに集中
稟議書を提出する場合でも、何枚も添付資料をつけたりしません。A4の用紙1枚という簡潔なものにする方もいます。提案書も会議資料も同じです。何十枚もの分厚い提案資料を作っても、相手は見ません。シンプルで枚数は少なくすべきです。
仕事はなんでも、ゴール(目的)から考えるようにしましょう。ゴールから見て最短距離をとるのです。
ここで誤解しないでいただきたいのは、結果だけを見るわけではない、ということです。プロセスも重視しつつ、ゴールを見据えます。意味のあるプロセスだけに集中し、ムダは極力削減するのです。
書類についても「作成する意味」を考え、意味がない、もしくは以前から作成していたのでなんとなく作っていたものなどは、全てやめましょう。
削減を重ねることで、書類は7割くらい減らすことができるはずです。
書類作成に時間を費やすなら、もっと結果に結びつく、有益な仕事に時間を使うべきです。
営業なら、お客様を訪問する。マーケティングなら、市場調査を兼ねて現場の売り場に足を運んでみる。人事部なら、社員のモチベーションアップにつながる研修を探しに、研修会社のオープンセミナーに足を運んでみる。
もちろん定時に帰り、仕事以外にも時間を使いましょう。スポーツジムに行ったり、英会話を習ったり、ビジネスセミナーに行ってみる。家族との団らんの時間も大事です。
仕事のアイデアは、意外なところで浮かんできます。疲れた身体で残業しても浮かびません。リフレッシュしているときに、いい案は生まれるのです。
■ムダな書類作りは、ムダな仕事
あなたも、もし職場の書類が多いと感じたら、この機会に見直してみましょう。
既存の書類の意味合いを考え、1年以内に利用しなかった書類を捨て、ムダな書類の作成をやめれば、新たな時間を生み出すことになり、有益な仕事の時間へと結びつきます。
ムダな書類作りは、ムダな仕事です。ムダな仕事を行う時間が、本来しなければならない有益な仕事の時間を圧迫して、仕事が遅くなるのです。
仕事が速いリーダーは、書類をできるだけ簡潔にまとめる!
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石川 和男 (いしかわ・かずお)
時間管理コンサルタント
1968年、北海道生まれ。現在は建設会社総務経理担当部長、税理士、セミナー講師など、5つの仕事を掛け持ちしている。大学卒業後、建設会社に入社。はじめて管理職になったときに、時間管理やリーダー論のビジネス書を1年で100冊読み、仕事術関係のセミナーを月1回受講するというノルマを自らに課し、良いコンテンツやノウハウを取り入れ、実践することで徐々に残業を減らしていく。さらに1日の時間の使い方を徹底的に見直すことで、最終的には業績を保ったまま残業ゼロを実現させる。また空いた時間で、各種資格試験にも挑戦。働きながら、税理士、宅地建物取引士、建設業経理事務士1級などの資格試験に合格。仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。著書に『仕事が速い人は、「これ」しかやらない ラクして速く成果を出す「7つの原則」』(PHP研究所)など多数。
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(時間管理コンサルタント 石川 和男 )

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