※本稿は、頼藤太希『会社も銀行も役所も教えてくれない 定年前後の人生戦略』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
■年金にも税金や社会保険料がかかる
Q.ねんきん定期便の「受給見込額」は老後にそのままの金額をもらえるわけではないって本当?
A.受給見込額はあくまでも額面であり、全額を手取りとして受け取れるわけではありません。給与と同じように、年金からも税金と社会保険料が差し引かれます。今後、年金の手取りは減っていく可能性が高いといえます。新NISAも活用しながら、老後の手取りを増やす工夫をしていきましょう。
年金は老後の収入の柱です。
日本の年金制度を悪く言う人も多いですが、優秀な制度です。インフレ率を超えて年金額が増えることはありませんが、おおむねインフレ率を加味した額の年金をもらうことができ、生活が急激に苦しくなることがないように設計されています。年齢の上限なく受給し続けることができる点もありがたいでしょう。
■「ねんきん定期便」の落とし穴
50歳以降、誕生月に届く「ねんきん定期便」に受給見込額が表示されるようになります。
現在の経済状況を考えると、今後は年金だけで生活するのは厳しいかもしれません。現役世代のうちに、資産形成はしておいたほうがいいでしょう。老後に豊かな暮らしをしたいなら、なおさらです。
■「額面」と「手取り」には大きな差がある
年金から天引きされる税金・社会保険料には、「所得税」「住民税」「国民健康保険料(75歳未満)」「後期高齢者医療保険料(75歳以上)」「介護保険料」があります。
たとえば、東京都文京区在住・65歳独身の人で、年金額面が年間200万円の場合の手取りを計算してみましょう(図表1)。
所得控除は基礎控除と社会保険料控除のみとして試算すると、手取りは178万2040円になります。年金額面の10.9%が税金・社会保険料として差し引かれる計算です。なお、差し引かれる割合はもらえる年金額、適用される所得控除は、お住まいの自治体などによって異なります。
■年金の手取りは減り続けている
年金収入200万円のシングル世帯を例に、本題の2000年以降の手取りの推移を見ていきましょう(図表2)。
2000年時点で、年金額面200万円の場合の手取りは195万円でした。
国民健康保険料は、2000年時点では所得割額の算定方式が「住民税方式」でした。現在は「旧ただし書き方式」ですが、住民税方式だと、基礎控除を除く他の所得控除の影響も受けるため、算定額は少なくなります。
2000年から介護保険料の徴収が開始されましたが、今よりもかなり低額でした。社会保険料を計算すると4万5000円です。
以上により、税金・社会保険料は約5万円となり、手取りは195万円です。
その後は手取りが減り続け、2025年時点では178万円になっています。年金収入200万円のシングル世帯の手取りは、25年間で17万円減っているということです。
図表2のグラフを見れば一目瞭然ですが、現役世代だけでなく、年金生活者も相当に負担をしているということがわかります。
■どんどん増える介護保険料
2000年に介護保険制度がスタートしたことにより、介護保険料の徴収が始まりました。介護保険料は、40歳以上の人が支払うルールで、年金生活者も負担します。
介護保険の利用者の多くが高齢者であることを踏まえると、介護保険料は「払い損」にはなりませんが、年々負担が増えると、その分手取りは減り、生活は苦しくなっていきます。
2011年度より、国民健康保険料の所得割額の算定方式が「住民税方式」から「旧ただし書き方式」に変更されました。住民税方式では基礎控除を除くほかの所得控除の影響を受けますが、旧ただし書き方式では基礎控除のみで計算します。
2006年から2008年にかけて社会保険料負担が一気に増えたのは、「老年者控除廃止」と「定率減税廃止」の影響が大きいのです(図表3)。
■新NISAの活用で老後の手取りを増やす
新NISAの利用で金融所得が増えても、税金・社会保険料はかからないので、そのまま手取りとして生活費に使えます。
高配当株、債券、REIT(不動産投資信託)など定期的にキャッシュフローを生む資産(CF資産)を保有すれば、生涯にわたって不労所得を得ることができますので、「老後のお金」をめぐる心理的な不安も減ります。現預金で保有していても、インフレで目減りしていく世の中ですから、資産防衛のためにもマストで活用したい制度です。
今後、年金生活を控えている現役世代も、少子高齢化で国民健康保険料や介護保険料が上がっていく可能性を考えると、NISAやiDeCoなどを活用するのがベターです。人生の選択肢を増やすためにも、早いうちから資産形成をしておきましょう。
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頼藤 太希(よりふじ・たいき)
経済評論家・マネーコンサルタント
Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。
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(経済評論家・マネーコンサルタント 頼藤 太希)

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