第1位:『静かな退職という働き方』(海老原嗣生著、PHP研究所)
第2位:『目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣』(嶋津良智著、明日香出版社)
第3位:『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』(山本憲明著、明日香出版社)
第4位:『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』[ひろゆき(西村博之)著、Gakken]
第5位:『グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか』(河原千賀著、PHP研究所)
第6位:『7日でマスター 瞬時(すぐ)に動く技術』(赤羽雄二著、明日香出版社)
第7位:『がんばらない早起き』(井上皓史著、かんき出版)
第8位:『口下手さんでも大丈夫 本音を引き出す聞き方』(田中知子著、かんき出版)
第9位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第10位:『あなたの話が「伝わらない」のは声のせい』(墨屋那津子著、飛鳥新社)
第11位:『世界は行動経済学でできている』(橋本之克著、アスコム)
第12位:『週末アウトプット』(池田千恵著、日本実業出版社)
第13位:『「すぐに」をやめる』(沢渡あまね著、技術評論社)
第14位:『だけどチームがワークしない』(縄田健悟著、日経BP)
第15位:『結局、会社は思うように動かない。』(下地寛也著、総合法令出版)
第16位:『人は出会いが100%』(垣花正著、KADOKAWA)
第17位:『若手が辞める「まさか」の理由』(井上洋市朗著、秀和システム)
第18位:『仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく』(和田秀樹著、クロスメディア・パブリッシング)
第19位:『[新装版]「やさしさ」と「冷たさ」の心理』(加藤諦三著、PHP研究所)
第20位:『名医が教える飲酒の科学』(葉石かおり著、浅部伸一監修、日本経済新聞出版)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2025年4月の閲覧数ランキング
■「静かな退職」はサボりではない
今月の第1位は『静かな退職という働き方』でした。
最近よく耳にするようになった「静かな退職」という言葉。もともとアメリカのキャリアコーチが発信した労働観ですが、今、日本のビジネス界にも浸透しつつあります。
本書によれば、静かな退職とは、「言われた仕事はやるが、会社への過剰な奉仕はしない」「顧客との面倒な付き合いは断る」「急ぎの仕事が発生しても残業はしない」といった、最低限の業務のみをこなす働き方のこと。
もしかすると、あなたは「一生懸命働かないなんてけしからん」「給料をもらっている以上、仕事にはコミットすべき」と思うかもしれません。ですが、本書を読むと、現代における働き方と雇用の課題の本質を見つめることができ、新たな視点が得られるはずです。
本書の著者である海老原嗣生さんは、「静かな退職とは、ぶら下がり社員のようなサボタージュの推奨ではありません。誰もが無理なく長く働くための、新たな労働シフトを指しています」と述べています。今後の働き方を考えるにあたり、必ず読んでおきたい一冊だと言えるでしょう。
■目標を「達成する人」が計画時にやっていること
第2位は『目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣』でした。
あなたのまわりにも、どんな局面でも必ず目標を達成する人がいるでしょう。その一方で、一生懸命取り組んでいるように見えるのに、目標達成度にばらつきがある人もいるはずです。さて、その違いはどこにあるのでしょうか?
本書の著者である嶋津良智さんは、誰もが認める一流のビジネスパーソン。新卒入社したITベンチャーではトップの成績をあげ、24歳で最年少営業部長に抜擢されました。28歳で独立・起業し、現在は、2回の株式上場経験を生かして、顧問・社外役員として経営に参画中です。
本書はそんな嶋津さんが、目標を「達成する人」と「達成しない人」の習慣を比較して解説する一冊。
たとえば「目標達成する人は計画に危機管理を盛り込む、ダメな人は危機になってから考える」。
目標達成する人は、「この時点でここまでうまくいかなかったら黄色信号」というラインをあらかじめ設定し、その対策まで決めておきます。これなら、見込みを下回っても、すぐに方向修正できるのです。
一方、目標達成しない人は、進捗が悪いことに気づき、焦ってスケジュールを組み直すも手遅れ……というのが典型パターン。
本書の内容を取り入れれば、あなたも「目標達成する人」の仲間入りができるはずです。
■仕事が速い人は効率化のための投資を惜しまない
第3位にランクインしたのは『「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の習慣』でした。
まず注目したいのは、「仕事が速い人は道具を選び、仕事が遅い人は道具を選ばない」。
本書によると、仕事が速い人の共通点は、効率化のための投資を惜しまないこと。少々お金がかかっても、時間が短縮できるのであれば投資の価値があると考えます。パソコンの処理速度が遅くなる前に買い替えるのも、投資の一例です。
また「仕事が速い人は土日に仕事を忘れ、仕事が遅い人は仕事のことを考える」もぜひ取り入れたいところ。
仕事が速い人になるには、集中力を長い時間保っている必要があります。だからこそ、仕事が速い人は、休日には仕事から完全に離れ、やる気や集中力をチャージしているそうです。
「仕事が速い人」になる方法がたっぷり詰まった本書。新人からベテランまで、仕事を効率的に終わらせてプライベートを充実させたい人に一読をおすすめします。
■「効率的に」「要領よく」「消耗せずに」稼ぐ
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位は、ひろゆきさんが“これからの生き方・働き方”のヒントを提示した『僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方』でした。
本書でひろゆきさんは、“いかにラクをして稼ぐか”を考えるよう、読者にアドバイスしています。
ラクをして稼ぐ――これは、努力を怠る、手を抜くという意味ではありません。最低限の努力で出世できる方法を探す、自分を高く買ってもらえそうな市場で働く、タスクを自動化・マニュアル化するといったアプローチを選ぶことです。頭を使ったり、リスクをとったり、行動力を発揮したりして、「効率的に」「要領よく」「消耗せずに」稼ぐ努力をしましょう。
またひろゆきさんは、うまく生きていくためには、自分で人生を切り拓く「開拓力」が不可欠だと述べています。開拓力が備わっていれば、たとえ今いる環境が悪くても、行動を起こして未来を変えていけるのです。
ひろゆきさんによると、人生の開拓が得意な人の共通点は以下の5つ。
(1)独学力が高い
(2)行動力がある
(3)失敗を恐れない
(4)こだわりすぎない
(5)人に好かれる力がある
さて、あなたは5つのうち、いくつ当てはまっていたでしょう?
消耗することなく、ハッピーに働きながら生きていきたいなら、ぜひ手に取ってみてください。
■早起きで毎日を「ごきげん」に過ごす
「やるべきこと」に追われ、「やりたいこと」ができないばかりか、「やるべきこと」も終えられず自己嫌悪――。そんなあなたには、第7位の『がんばらない早起き』をおすすめします。
著者は早寝早起き研究所「朝渋」代表を務める井上皓史さん。本書では、毎日をごきげんに過ごすための「朝時間の使い方」を教えてくれます。
まず挑戦したいのは、以下の2つ。
(1)「自分時間」でやりたいことを考える
早起きを習慣化するために、早起きによって生まれる「自分時間」にしたいことを具体的にイメージしましょう。「ごきげんでいるために、何をしたらいいだろう?」と考えてみるのがポイントです。特に思いつかなければ、夕飯の下準備や掃除など、「体力ゼロの状態で帰宅したときに、すでに終わっていると嬉しいもの」にするのがおすすめ。
(2)「理想の時間割」をつくってみる
「朝の時間割を組み立てる」→「前日の就寝時間を決める」→「夜の時間割を組み立てる」の3ステップで、1日の理想の時間割をつくってみましょう。これを今の生活と比べ、ギャップを見つけたら、そこを見直していけば良いのです。
朝活本の中でも、自分を「ごきげん」にするための早起きというアプローチが新しい本書。毎日をもっと心地いいものにしたいなら、ぜひ読んでみてください。
■「朝15分」の「書く」アウトプットから始める
最後にご紹介したいのは、第12位の『週末アウトプット』。朝活の第一人者として知られ、「好き」や「強み」をマネタイズするノウハウを教えるスクールを運営する池田千恵さんが、週末の時間を使って自分の考えや活動をアウトプットしてマネタイズするまでの道のりを示した一冊です。
本書の特徴は、アウトプットを「書く」「話す」「作る」「動く」の4種類に分け、土日どちらかの朝15分、30分、1時間、半日を使ってできる方法をまとめている点。
アウトプット習慣をつけたい人は、まず「書く」「朝15分」のアウトプットから取り組んでみましょう。
「朝15分」の「書く」アウトプットができたら、次は「朝30分」の「書く」アウトプットとして、「ついつい出る職業病」を書き出すことにチャレンジしましょう。このように、少しずつアウトプットの難易度を上げていくうちに、いつの間にかアウトプット習慣が定着しているはずです。
本書は「好き」や「強み」で収入を得られるようになりたい人はもちろん、自分に自信がほしい人や、新たな趣味をつくりたい人にもおすすめ。休日のスパイスとして、アウトプット習慣にチャレンジしてみませんか?
今月も、働き方・休み方から聞き方、行動経済学まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第16位だった2023年4月刊の『頭のいい人が話す前に考えていること』が第9位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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flier編集部
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(flier編集部)