お金の貯まる家とそうでない家は何が違うのか。お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「キッチンを見るとよくわかる。
■お金が貯まらないキッチンの特徴
キッチンを一目見れば、その家が「お金の貯まる家」か「貯まらない家」かわかります。後者は、例えばこんな様子です。
キッチンカウンターには、油まみれの調味料がずらりとならび、壁には、フライ返しやお玉が3~4種類ずつなど、同じような調理器具がごちゃっとかけられています。フライパンも大きさ、深さ違いで何個も持っています。
シンクには、洗っていない食器が溜まっていて、洗いカゴも、とっくに乾いているお皿で山盛り。床には、大容量の油やペットボトル飲料などがそのまま置かれています。
特に、冷蔵庫の中はパンパン。どこに何が入っているかわからず、奥が見えません。手前のものを取り出すと、しなしなになった野菜や、いつ入れたのかわからないつくりおきが出てきます。ドアポケットには、封を開けて少しだけ使ったドレッシングやソース類。冷凍庫からは、霜のついた肉や魚が出てきます。
パントリーにも、賞味期限切れの乾物や乾麺などの食品が。そして多くの場合、スーパーのレジ袋が「なぜここに?」と思うようなあちらこちらから出てきます……。
これこそ、お金の貯まらない家のキッチンの典型。余白がなく、とにかく物がいっぱいなのです。
■「無駄」が生まれる4つの理由
家の中でも、お金の使い方が最も表れるのがキッチンです。
お金の貯まらない家のキッチンは、とにかく物が多く、死蔵品も多いのが特徴。つまり、無駄が多いのです。それに対し、お金が貯まるキッチンは、物が少なく、スッキリと片づいています。
なぜキッチンでは、それほど無駄が発生してしまうのでしょうか。その理由は次の4つです。
(1)買い物に行く頻度が多い
(2)一人で管理できない
(3)旅先で買ってきてしまう
(4)“丁寧な暮らし”に憧れすぎている
順を追って説明しましょう。
(1)買い物に行く頻度が多い
たいていの人は、洋服を買いに行く頻度より、スーパーに行く頻度のほうが多いもの。
(2)一人で管理できない
最近はイクメンパパの増加によって、夫がキッチンに立つことが増えました。それ自体はよいことですが、それによってママだけでなく、パパまで買い物をしてきて、ダブリが起こることが多々あると聞きます。
■丁寧な暮らしに憧れた人の末路
(3)旅先で買ってきてしまう
旅先では、財布のひもが緩みがち。ご当地のドレッシングや珍しい乾物、手作りの調味料などを見て「ここでしか手に入らない!」と高揚し、つい買って持ち帰ってしまいます。しかし、日常に戻ると結局いつもの調味料が使いやすいので、封を開けて少し使っただけのボトルが冷蔵庫に、キッチンカウンターに何本も転がっています。
(4)“丁寧な暮らし”に憧れすぎている
「パンの焼けるにおいで目を覚ましたい」「スムージーで健康的な食生活を送りたい」……
これがあれば、私も丁寧な暮らしができるかも、とパン焼き器やミキサーなど、専用の調理家電をつい購入したけれど、使ったのは数回だけ。その後「キッチンの置物」と化している家庭が少なくありません。
過去お伺いした中でも、衝撃だったのは、パン焼き器を4台持っているというお宅。朝食に手作りパンを食べたいと、新しいバージョンが出るたびに「今度こそ、これがあれば変われるはず!」と買うけれど、朝は忙しくて、それどころじゃない。
またフライパンが5つ出てきた人もいました。大中小のフライパンに、家族用と一人用の卵焼き器。ご本人は料理が得意ではない分、手料理への憧れが強かったようです。
ここまで読んで、ドキッとした人は、次のステップで片づけていきましょう。
■「数字」のあるものから手をつける
ステップ1:使っていないものを手放す
まずは、「使っていないもの」を処分していきます。食品をはじめ、乾物のストックや調理器具、調理家電など全てが対象です。
ポイントは、賞味期限など“数字”のあるものから手をつけること。なぜなら感情でなく、数字で取捨を判断できるから。「使いたい」「まだ使えるかも」と感情で考えると、いっこうに取捨の判断が前に進みません。例えば、乾物やドレッシングなどを見たときに、賞味期限が切れていれば処分します。また冷蔵庫の中にあって長らく食べていないものや、いつ入れたのかわからないものも捨てたほうがよいでしょう。
調理器具や調理家電なども、一年以上使わなかったものは手放しましょう。一年使わなかったものは、これからも使う可能性が低いからです。
先のパン焼き器を4台お持ちの人も、最新型1台を残して、3台を処分しました。しかし1カ月経っても使わないので、結局最後の1台も処分されました。ここまでやり切ると、最新のパン焼き器を見ても「買おう」とはなかなか思わないでしょう。5つフライパンを持っていた人は、実際に使っていた3つまで絞られました。
かく言う私も、パン焼き器をはじめ、ブレンダー、コーヒーメーカー、炊飯器など、数々の家電を手放してきました。どれも子供が巣立ってからは必要じゃなくなったものばかり。ライフスタイルが変わると、不要になる家電は多いということです。
■多くの人がやりがちな「絶対NG」の収納法
ステップ2:在庫を「見える化」する
冷蔵庫やパントリーから不要なものを出したら、スペースができます。ここまで来て、ようやく「収納」です。使いたいときに使いたいものがサッと取り出せるように収納していきます。
冷蔵庫の中は、奥に小さいものを入れて、手前に大きなものをいれるのがポイント。なぜ鍋やタッパーなどの大物を手前に置くかというと、それをどけるだけで、奥が見渡せるから。反対に奥に大きいもの、手前に小さいものを並べてしまうと、小さいものを全部よけないと奥の大きなものがとれなくなるので、手数が増えて、奥のものを取り出さなくなります。そのうち、奥に入っているものの存在ごと忘れていってしまいます。
特にこれからの暑い季節は、鍋ごと入るスペースはあるにこしたことはありません。スペースを「埋めよう」とパンパンになるまで買うのでなく、鍋が入るくらいの余白があるのを限度としましょう。
また冷蔵庫の中を、ジャンルごとにゾーン分けするのもおすすめです。朝食で使うバターやジャム、夕食のごはんのお供などを、それぞれカゴに入れて分けて入れておく。そうすれば必要なときに、それごと食卓に出せばいいし、なくなればすぐにわかるので、買い物の無駄やダブりがなくなります。
パントリーも冷蔵庫と同じように、ジャンルごとにカゴに入れて、分けてまとめておくとよいでしょう。
■ひと手間で調理が「超」時短に
ステップ3:新しい買い物習慣をつける
無駄遣いをしないためには、次のような買い物習慣をつくるのがおすすめ。
・買い物は週に1~2回にする
・買い物に行く前は、必ず在庫をチェックをする
・買い物に行く時は、必ずエコバックを持参する
・買い物から帰った後は、冷凍ストックをつくる
買い物は、毎日行く必要はなく、できるのであれば週に1回。
在庫をチェックしてから行けば、余分なものは買わずに済みます。パパも買い物する家庭は、ホワイトボードに“買うもの”を書いて冷蔵庫に貼っておき、どちらかが買ったら消す、と情報共有すればダブりも防げます。
買い物に行く時は、必ずエコバッグを忘れずに。たとえ2円、5円でも、レジ袋を買わなければ、その分節約になります。
買い物から帰った後は、肉や魚は小分けにして、下味をつけて冷凍庫へ。取り出して焼くだけで、すぐに食べられます。
しめじやまいたけなどのきのこ類は、小さく切ってミックスきのこに、大根やにんじんなどの根菜類も小さくカットして冷凍庫に入れておけば、すぐにみそ汁やスープの具として使えます。このひと手間で、はるかに時短に調理できるようになります。
こうしたお金のルールを守るだけで、月2万円ぐらいは減らせるのではないでしょうか。
■特に要注意したい「調理家電」はコレ
ステップ4:「欲しい」と思ったら過去を振り返る
先程、パン焼き器を4台処分した人の話をしましたが、ライフスタイルに合わなければ結局、使いません。ですから過去に処分したのに、また「欲しい」という気持ちが湧き起こったら、「そもそもなんで捨てたんだっけ?」を思い出してほしいです。
私も過去にパン焼き器を処分した話をしましたが、買ってみたら音がうるさくて、せっかく焼いても、子どもたちがあんまり食べなかったんです。そういった理由を思い出せば、買いたい衝動をストップさせることができるでしょう。「使いこなせなかった」と自分を責めるのではなく、冷静に考えることが大事です。
これも私自身の話です。先日、ポタージュスープが作れる専用ポットをインターネットで見つけて、買おうかどうか迷っていたら、当社のスタッフが「買ったけれど使わないから」と譲ってくれました。
使ってみると、確かに簡単においしく作れますが、やはり音の大きさが気になります。特に私は自宅でオンライン講座やミーティングを行うことが多いので、音が大きいのは困ります。また内側の刃が外せなくて、洗いにくいのもNGポイントでした。結局、使ったのは昨冬に2回だけ。スタッフに返そうかどうしようか思案中です。
特に用途が限られる専用の調理家電は、慎重に選ばないと無用の長物と化しますから、買う前に借りたり、譲ってもらえたりすると無駄遣いせずに済むかもしれません。
■片づけて食費が1万円浮いたワケ
「キッチンを片づけたら、お金が貯まるようになった」と話す人は多いです。
ある方は、仕事場の近くにコンビニがあり、毎日行っては、おむすびやサラダ、飲み物、お菓子などを買いたいだけ買っていたそうですが、冷蔵庫を片づけてからは自炊が楽しくなり、「無駄を減らしたい」という意識も生まれたことから、自分でお弁当を作ったり、飲み物を持って行ったりして、コンビニに行かなくなったのだとか。
仮に1日500円コンビニで使っていたとしたら20日で1万円。片づけることで、1万円貯金できたわけです。
また買い物はネットスーパーを利用するようにしたら、お金が貯まるようになったという方もいらっしゃいました。スーパーに足を運んでいろいろなものを見ると、当初の予定以上に買ってしまう。でもネットスーパーなら、ある程度、献立を考えて計画を立てないと買えないため、あれもこれも買うことがなくなったとおっしゃっていました。
さらに冷蔵庫を整理して、余白を設けたことで冷却効率が上がったのか、電気代が減ったという方もいました。
何よりも冷蔵庫を片づけることで、「早く食べなきゃ」「賞味期限が切れそう」といった罪悪感から逃れられたのがうれしかった、という声もありました。片付くと、とにかく冷蔵庫を開けたときに気分がいいのです。
我々人間は、食べたものでしかつくられないので、食は大事です。そのときにキッチンが片づいていれば、自分や家族のために料理しようという気になるのではないでしょうか。
これからの季節、夏バテ防止のためにも、キッチンを片づけて、健康維持に努めてほしい。そうすれば病気を防げて、無駄な医療費を使うこともないですよ。
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西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。
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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智)
無駄が発生しやすい場所なので、しっかりとお片づけをすることでお金が貯まるようになる」という――。
■お金が貯まらないキッチンの特徴
キッチンを一目見れば、その家が「お金の貯まる家」か「貯まらない家」かわかります。後者は、例えばこんな様子です。
キッチンカウンターには、油まみれの調味料がずらりとならび、壁には、フライ返しやお玉が3~4種類ずつなど、同じような調理器具がごちゃっとかけられています。フライパンも大きさ、深さ違いで何個も持っています。
シンクには、洗っていない食器が溜まっていて、洗いカゴも、とっくに乾いているお皿で山盛り。床には、大容量の油やペットボトル飲料などがそのまま置かれています。
特に、冷蔵庫の中はパンパン。どこに何が入っているかわからず、奥が見えません。手前のものを取り出すと、しなしなになった野菜や、いつ入れたのかわからないつくりおきが出てきます。ドアポケットには、封を開けて少しだけ使ったドレッシングやソース類。冷凍庫からは、霜のついた肉や魚が出てきます。
パントリーにも、賞味期限切れの乾物や乾麺などの食品が。そして多くの場合、スーパーのレジ袋が「なぜここに?」と思うようなあちらこちらから出てきます……。
これこそ、お金の貯まらない家のキッチンの典型。余白がなく、とにかく物がいっぱいなのです。
■「無駄」が生まれる4つの理由
家の中でも、お金の使い方が最も表れるのがキッチンです。
お金の貯まらない家のキッチンは、とにかく物が多く、死蔵品も多いのが特徴。つまり、無駄が多いのです。それに対し、お金が貯まるキッチンは、物が少なく、スッキリと片づいています。
なぜキッチンでは、それほど無駄が発生してしまうのでしょうか。その理由は次の4つです。
(1)買い物に行く頻度が多い
(2)一人で管理できない
(3)旅先で買ってきてしまう
(4)“丁寧な暮らし”に憧れすぎている
順を追って説明しましょう。
(1)買い物に行く頻度が多い
たいていの人は、洋服を買いに行く頻度より、スーパーに行く頻度のほうが多いもの。
毎日行くという人も意外に多いです。なぜなら洋服に比べて、食品のほうが値段が手ごろだから。また「いつか食べるだろうから、安いときにストック買いした方がいい」「反対にないと困る」という心理が働き、ついつい必要以上に買ってしまうのです。
(2)一人で管理できない
最近はイクメンパパの増加によって、夫がキッチンに立つことが増えました。それ自体はよいことですが、それによってママだけでなく、パパまで買い物をしてきて、ダブリが起こることが多々あると聞きます。
■丁寧な暮らしに憧れた人の末路
(3)旅先で買ってきてしまう
旅先では、財布のひもが緩みがち。ご当地のドレッシングや珍しい乾物、手作りの調味料などを見て「ここでしか手に入らない!」と高揚し、つい買って持ち帰ってしまいます。しかし、日常に戻ると結局いつもの調味料が使いやすいので、封を開けて少し使っただけのボトルが冷蔵庫に、キッチンカウンターに何本も転がっています。
(4)“丁寧な暮らし”に憧れすぎている
「パンの焼けるにおいで目を覚ましたい」「スムージーで健康的な食生活を送りたい」……
これがあれば、私も丁寧な暮らしができるかも、とパン焼き器やミキサーなど、専用の調理家電をつい購入したけれど、使ったのは数回だけ。その後「キッチンの置物」と化している家庭が少なくありません。
過去お伺いした中でも、衝撃だったのは、パン焼き器を4台持っているというお宅。朝食に手作りパンを食べたいと、新しいバージョンが出るたびに「今度こそ、これがあれば変われるはず!」と買うけれど、朝は忙しくて、それどころじゃない。
キッチンが広く、置いておけるスペースがあったのも、無駄買いの要因になったのかもしれません。
またフライパンが5つ出てきた人もいました。大中小のフライパンに、家族用と一人用の卵焼き器。ご本人は料理が得意ではない分、手料理への憧れが強かったようです。
ここまで読んで、ドキッとした人は、次のステップで片づけていきましょう。
■「数字」のあるものから手をつける
ステップ1:使っていないものを手放す
まずは、「使っていないもの」を処分していきます。食品をはじめ、乾物のストックや調理器具、調理家電など全てが対象です。
ポイントは、賞味期限など“数字”のあるものから手をつけること。なぜなら感情でなく、数字で取捨を判断できるから。「使いたい」「まだ使えるかも」と感情で考えると、いっこうに取捨の判断が前に進みません。例えば、乾物やドレッシングなどを見たときに、賞味期限が切れていれば処分します。また冷蔵庫の中にあって長らく食べていないものや、いつ入れたのかわからないものも捨てたほうがよいでしょう。
調理器具や調理家電なども、一年以上使わなかったものは手放しましょう。一年使わなかったものは、これからも使う可能性が低いからです。
先のパン焼き器を4台お持ちの人も、最新型1台を残して、3台を処分しました。しかし1カ月経っても使わないので、結局最後の1台も処分されました。ここまでやり切ると、最新のパン焼き器を見ても「買おう」とはなかなか思わないでしょう。5つフライパンを持っていた人は、実際に使っていた3つまで絞られました。
かく言う私も、パン焼き器をはじめ、ブレンダー、コーヒーメーカー、炊飯器など、数々の家電を手放してきました。どれも子供が巣立ってからは必要じゃなくなったものばかり。ライフスタイルが変わると、不要になる家電は多いということです。
■多くの人がやりがちな「絶対NG」の収納法
ステップ2:在庫を「見える化」する
冷蔵庫やパントリーから不要なものを出したら、スペースができます。ここまで来て、ようやく「収納」です。使いたいときに使いたいものがサッと取り出せるように収納していきます。
冷蔵庫の中は、奥に小さいものを入れて、手前に大きなものをいれるのがポイント。なぜ鍋やタッパーなどの大物を手前に置くかというと、それをどけるだけで、奥が見渡せるから。反対に奥に大きいもの、手前に小さいものを並べてしまうと、小さいものを全部よけないと奥の大きなものがとれなくなるので、手数が増えて、奥のものを取り出さなくなります。そのうち、奥に入っているものの存在ごと忘れていってしまいます。
特にこれからの暑い季節は、鍋ごと入るスペースはあるにこしたことはありません。スペースを「埋めよう」とパンパンになるまで買うのでなく、鍋が入るくらいの余白があるのを限度としましょう。
また冷蔵庫の中を、ジャンルごとにゾーン分けするのもおすすめです。朝食で使うバターやジャム、夕食のごはんのお供などを、それぞれカゴに入れて分けて入れておく。そうすれば必要なときに、それごと食卓に出せばいいし、なくなればすぐにわかるので、買い物の無駄やダブりがなくなります。
パントリーも冷蔵庫と同じように、ジャンルごとにカゴに入れて、分けてまとめておくとよいでしょう。
■ひと手間で調理が「超」時短に
ステップ3:新しい買い物習慣をつける
無駄遣いをしないためには、次のような買い物習慣をつくるのがおすすめ。
・買い物は週に1~2回にする
・買い物に行く前は、必ず在庫をチェックをする
・買い物に行く時は、必ずエコバックを持参する
・買い物から帰った後は、冷凍ストックをつくる
買い物は、毎日行く必要はなく、できるのであれば週に1回。
お子さんがいて、途中で卵や牛乳が必要になるなら、週に2回程度に抑えるのが良いでしょう。大事なのは、欲しいものより「献立に合うもの」を買うこと。
在庫をチェックしてから行けば、余分なものは買わずに済みます。パパも買い物する家庭は、ホワイトボードに“買うもの”を書いて冷蔵庫に貼っておき、どちらかが買ったら消す、と情報共有すればダブりも防げます。
買い物に行く時は、必ずエコバッグを忘れずに。たとえ2円、5円でも、レジ袋を買わなければ、その分節約になります。
買い物から帰った後は、肉や魚は小分けにして、下味をつけて冷凍庫へ。取り出して焼くだけで、すぐに食べられます。
しめじやまいたけなどのきのこ類は、小さく切ってミックスきのこに、大根やにんじんなどの根菜類も小さくカットして冷凍庫に入れておけば、すぐにみそ汁やスープの具として使えます。このひと手間で、はるかに時短に調理できるようになります。
こうしたお金のルールを守るだけで、月2万円ぐらいは減らせるのではないでしょうか。
■特に要注意したい「調理家電」はコレ
ステップ4:「欲しい」と思ったら過去を振り返る
先程、パン焼き器を4台処分した人の話をしましたが、ライフスタイルに合わなければ結局、使いません。ですから過去に処分したのに、また「欲しい」という気持ちが湧き起こったら、「そもそもなんで捨てたんだっけ?」を思い出してほしいです。
私も過去にパン焼き器を処分した話をしましたが、買ってみたら音がうるさくて、せっかく焼いても、子どもたちがあんまり食べなかったんです。そういった理由を思い出せば、買いたい衝動をストップさせることができるでしょう。「使いこなせなかった」と自分を責めるのではなく、冷静に考えることが大事です。
これも私自身の話です。先日、ポタージュスープが作れる専用ポットをインターネットで見つけて、買おうかどうか迷っていたら、当社のスタッフが「買ったけれど使わないから」と譲ってくれました。
使ってみると、確かに簡単においしく作れますが、やはり音の大きさが気になります。特に私は自宅でオンライン講座やミーティングを行うことが多いので、音が大きいのは困ります。また内側の刃が外せなくて、洗いにくいのもNGポイントでした。結局、使ったのは昨冬に2回だけ。スタッフに返そうかどうしようか思案中です。
特に用途が限られる専用の調理家電は、慎重に選ばないと無用の長物と化しますから、買う前に借りたり、譲ってもらえたりすると無駄遣いせずに済むかもしれません。
■片づけて食費が1万円浮いたワケ
「キッチンを片づけたら、お金が貯まるようになった」と話す人は多いです。
ある方は、仕事場の近くにコンビニがあり、毎日行っては、おむすびやサラダ、飲み物、お菓子などを買いたいだけ買っていたそうですが、冷蔵庫を片づけてからは自炊が楽しくなり、「無駄を減らしたい」という意識も生まれたことから、自分でお弁当を作ったり、飲み物を持って行ったりして、コンビニに行かなくなったのだとか。
仮に1日500円コンビニで使っていたとしたら20日で1万円。片づけることで、1万円貯金できたわけです。
また買い物はネットスーパーを利用するようにしたら、お金が貯まるようになったという方もいらっしゃいました。スーパーに足を運んでいろいろなものを見ると、当初の予定以上に買ってしまう。でもネットスーパーなら、ある程度、献立を考えて計画を立てないと買えないため、あれもこれも買うことがなくなったとおっしゃっていました。
さらに冷蔵庫を整理して、余白を設けたことで冷却効率が上がったのか、電気代が減ったという方もいました。
何よりも冷蔵庫を片づけることで、「早く食べなきゃ」「賞味期限が切れそう」といった罪悪感から逃れられたのがうれしかった、という声もありました。片付くと、とにかく冷蔵庫を開けたときに気分がいいのです。
我々人間は、食べたものでしかつくられないので、食は大事です。そのときにキッチンが片づいていれば、自分や家族のために料理しようという気になるのではないでしょうか。
これからの季節、夏バテ防止のためにも、キッチンを片づけて、健康維持に努めてほしい。そうすれば病気を防げて、無駄な医療費を使うこともないですよ。
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西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片づけを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で3000名を上回る。
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(お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表 西崎 彩智)
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