避難安全性と意匠性を両立、排煙設備や内装制限の緩和によるコストダウンを実現

コクヨ株式会社(本社:大阪市/ 社長:黒田英邦)は、株式会社大林組(本社:東京都港区/社長:蓮輪賢治)と共同で
10分間の防火性能を有する連装ガラスパーティションを開発しました ので、お知らせします。

[画像1: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-127566-0.jpg ]


コクヨ株式会社では、開放感のあるオフィス空間を提供するため、全面ガラス構造のガラスパーティションを
開発・販売してきました。

また2010年にはガラスパーティションの防火設備 (※1)の大臣認定を取得し、避難安全検証法 (※2)に基づいた
避難安全設計向けにガラスパーティションも開発・販売もしています。
特にオフィス空間の会議室などでは明るさや開放感を重視する ため、ガラスの間に鋼製枠のない意匠性のある
連装ガラスパーティションが好まれます(写真1(a))。
しかし、連装ガラスパーティションを防火設備とするには、加熱による面外変形(写真2)を防止するために
鋼製枠を1m~2m間隔で設置する必要があり(写真1(b))、意匠性が劣り閉鎖的になるという課題が
ありました。
今回、開発した連装ガラスパーティションは、日本で初めて10分間防火設備 (※3)の大臣認定
(番号: EBN010-0001-1)(※4)を取得しました(写真3)。
直径約30mmの面外変形防止金具(写真 3)をガラス目地に 1点ずつ設置することにより、避難安全性と
意匠性を保ちつつ、避難安全検証法の適用により排煙設備や内装制限を緩和できます。また、鋼製枠取り付けや
シーリング工事の削減にもつながるため、排煙設備や内装制限の対策を実施する場合に比べて、建築工事費の
1~2%程度コストダウンを図ることができます。
(参考)コクヨ製「連装ガラスパーティション 10分間防火設備仕様」の販売予定
・商品名 :プランナーウォール21LIM 10分間防火設備 (※5)
・発売予定: 2021年9月初旬を予定
・メーカー希望小売り価格(消費税抜):オープン価格(都度見積)

10分間の防火性能を有する連装ガラスパーティションの特長

1.高い意匠性
ガラス間に鋼製の縦枠がないため、壁一面がガラスのような開放感を与えます。さらにガラス間目地の
シーリングに高透明性の材料を使用することで、よりガラス面の連続性を高めることが可能です。
また、ガラス表面にドット柄やストライプ柄などのガラスフィルムを貼ることで、デザイン性が向上する
とともに視線を柔らかく遮り、一般執務エリアから応接・役員エリアまで幅広く使用できます。

2.高い防火性能
直径約30mmの面外変形防止金具により、火炎が噴出する隙間の発生を抑止します。無対策では、300℃を
超えると隙間が発生し始め、600℃の火炎にさらされると90mmほどの隙間が発生しますが、本開発品は
600℃の火炎にさらされても隙間が発生しません。(図1)

3.高い汎用性
厚さ70mm~130mmのコクヨ製不燃スチールパーティションと連結できるため、通常のオフィスレイアウトの
中で自由に配置することが可能です。


※1 防火設備
火災が起こった際に炎や煙が拡散することを防ぎ、避難経路を確保することを目的として建築基準法に
規定された設備。防火扉や防火シャッター、耐火スクリーンなどが該当。

※2 避難安全検証法
避難安全検証法とは、建物火災時の避難行動および煙・ガスの性状を予測し、避難経路の各部分において
在館者の避難が終了するまでに煙やガスにより危険な状態にならないかを確認する手法。なお、10分間
防火設備は、ルート B1では使うことができません(表1参照)。

※3 10分間防火設備
周囲で発生した火災に対して、10分間は加熱面以外の面に火炎を出さない性能を有しているものとして
政令で定める技術的基準に適合するもの。

※4 10分間防火設備の大臣認定(番号:EBN010-0001-1)
開口サイズ:幅1332mm~4450mm、高さ300mm~3200mm
ガラス枚数:4または5連装の仕様にて取得

※5 「 プランナーウォール21 LIM 」は、コクヨ株式会社の登録商標です。

コクヨは今後、開発した連装ガラスパーティションを積極的に提案し、避難安全性と意匠性を兼ね備えた空間を
提供していきます。また、防音性などの価値を付加した仕様の開発も進めていく予定です。

※本記載の情報(製品仕様、価格、発売日等)は発表日現在の情報です。予告なく変更する可能性がございます。あらかじめご了承ください。

(参考)写真および図表集

[画像2: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-905073-1.jpg ]

[画像3: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-697077-5.jpg ]


[画像4: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-535918-6.jpg ]


[画像5: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-698681-3.jpg ]


[画像6: https://prtimes.jp/i/48998/234/resize/d48998-234-973981-4.jpg ]


<表1の解説>
―:制限なし
*1:現在の建築基準法のもとでの設計ルートは大きく3つに分けられる
ルートA:法規の仕様規定に従う方法
ルートB:告示に定められた方法に従って避難安全性に係る検討を行い、建築基準法の一部の規定の適用を緩和する方法。
2021年5月28日の告示改正によりルートBに新しい検証方法が追加された。従来の煙の降下時間と在館者の避難時間を比較するルートB1、煙層の高さで判定するルートB2がある
ルートC:告示以外の独自な検証・予測手法で避難安全性に係る検討を行い、大臣認定を取得することで建築基準法の一部の規定の適用を緩和する方法
*2:病院などより高い安全性が求められる場合に設置可能
*3:大臣認定の取得が必要


                                                 以上

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