局地的な大雨などにより、中小の河川や水路の急激な水位上昇による洪水、浸水害のリスクが各地で増加しています。愛知県豊橋市はスタートアップと共同し、市内の水路で水位と周辺の雨量を観測、蓄積したデータをもとに、雨量と水位の関係性の「見える化」(数値化)に取り組みます。
7月下旬にも観測機器を設置し、観測を開始します。来年3月に成果が取りまとめられ、中小の河川や水路の氾濫対策につなげます。

観測するのは、静岡県境でもある豊橋市中原町の日東電工株式会社豊橋事業所に隣接する豊橋市が管理する水路です。局地的大雨などで急激に水位が上昇し、水路の水があふれ、事業所敷地内への洪水、浸水害の恐れがあります。

[画像1: https://prtimes.jp/i/25583/131/resize/d25583-131-a45630a882e1f2ff6604-1.jpg ]


こうした課題に対し、豊橋市は、愛知県が運営するスタートアップ支援拠点「PRE-STATION Ai」から紹介を受け、同拠点に入居する「RainTech(レインテック)株式会社」と共同で取り組みを進めることになり、7月1日に連携協定を交わしました。

具体的な取り組みは三つです。



■現場流域に適した観測用の水位計(カメラ付き)と雨量計を低コストで開発、製造
■水位上昇地点や周辺、水路の上流「平山池」に設置し、降雨量と水位を観測
■パソコンやスマートフォンで観測数値や画像を見られたり、危険水位を知らせたりします
これにより、状況を把握するために現場へ見に行く手間も危険も防げます。

予定では、7月下旬にも観測が開始され、来年3月に取り組み成果がまとめられるスケジュールになっています。
また、蓄積した観測データをもとに降雨量と水位をいずれも数値で予測するモデル構築の研究も進めていく計画です。


[画像2: https://prtimes.jp/i/25583/131/resize/d25583-131-8f13dd9db26d265bf0b3-4.jpg ]


「自然環境をセンシングすることで災害による犠牲者ゼロへ貢献する」をミッションに掲げ、今春設立されたRainTech株式会社。
藤井代表取締役は今回の取り組みについて、「水位予測は、そもそも雨量の予測がもとになるため、雨量予測の精度を高める必要があります。気象庁が降雨量を予測していますが、予測のもとになる観測地点から離れる地域ほど予測精度が落ちます。
このためRainTechは、独自に雨量計を開発、設置し、実測した降雨量結果と既存の降雨量予測の差分を把握して、降雨量予測の精度を向上させていこうと考えています。」と説明します。
なお、本研究は、愛知県の補助事業(新あいち創造研究開発補助金)対象になっています。

[画像3: https://prtimes.jp/i/25583/131/resize/d25583-131-db3fb0ef35b62beddafd-0.jpg ]


また、今回の取り組みについて、藤井代表取締役は、平山池(豊橋市中原町)を「山」、水路を「川」、水位上昇地点を「市街地」に見立て、河川を水源から下流まで広く正確に捉えて、より高い精度の予測モデルを開発する第一歩として進められるため「取り組む価値があります」と思いを話しています。

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ