絶滅した幻の海獣・ステラーカイギュウをめぐり3つの時代に生きた人々が、時空を超えて繋がる歴史&冒険の書。消滅した世界を悼み、文学が弔う壮大な物語。


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株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)は、イーダ・トゥルペイネンによる初の長編小説、ヘルシンギン・サノマット文学賞受賞作となる『極北の海獣』(税込価格2,970円)を2025年5月7日に発売いたしました。

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本書の舞台となるフィンランド~ロシア~アラスカ地域のマップ(紙版書籍のオビ裏面に印刷)

『極北の海獣』は、ステラーカイギュウという動物の運命を中心に、18世紀のロシア極東カムチャツカ半島(第1部)、19世紀アラスカ南東部(第2部)、フィンランド・ヘルシンキの自然史博物館(第3部)と、3つの時代に生きた探検家、研究者たちの葛藤や生き様が描かれた史実にもとづく歴史物語です。

著者・イーダ・トゥルペイネンは、「自然科学」×「文学」の交差を扱う文学研究者ということもあり、徹底的な調査により、学問では扱いきれない、絶滅に追いやった人間側の心情が活写されます。気候の厳しいフィンランドをはじめとする北欧文学に共通する特徴である「圧倒的な力を持つ自然が常に人間の傍らにある、それを無視して人は生きていけない」という世界観や、絶滅という現代的要素を扱いつつも洗練された仕上がりに、高い評価を受けています。第2部、3部の主役は女性という点も、理系キャリアの女性比が約4割を占める北欧ならではと言えるでしょう。

本書では、人間が自然に与える影響、種の絶滅、強者の理論などのトピックを、現代にいたるまで串刺しに描くことで、その愚かさ、自然の神秘に迫る探求心、人間とはいかなる生き物かをも考えさせられます。絶滅と喪失を訴えて力強い読後感を残し「想像を絶するほど成熟したデビュー作」と話題を呼び、2023年にヘルシンギン・サノマット文学賞を受賞。北欧初の純文学作品としては異例となる、世界28言語での出版が今後決定しています。

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『極北の海獣』カバーデザイン全景

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『極北の海獣』表紙デザイン全景

日本語版の装画は、生き物や自然をダイナミックに、生命力あふれるすがたで描く画家・ミロコマチコさんによるものです。絶滅の悲話ではないため、カバーでは堂々たる勇姿のステラーカイギュウを、カバーをはずした表紙には、本書の冒頭/結末に登場する全身骨格を描いていただきました。著者のイーダ・トゥルペイネンさんからも絶賛、喜びの声を頂いています。

絶滅した幻の海獣・ステラーカイギュウをめぐり3つの時代に生きた人々が、時空を超えて繋がる歴史&冒険の物語『極北の海獣』の発売にぜひご注目ください!

※ヘルシンギン・サノマット文学賞…フィンランド語で書かれた優れた純文学デビュー作品に対して、全国紙「ヘルシンギン・サノマット」紙から贈られる文学賞。
同賞の前身はJ.H.エルッコ賞(1964~94年)で、1995年からヘルシンギン・サノマット文学賞と改名。


■川端裕人さん(小説家)推薦!
絶滅した生きものをめぐって、もはや四散しつつある記憶を掬い上げる。
著者の丁寧な語りは、静謐にして緊密だ。
魅了された読者は、自分自身、その静かな残響の一部となっていることに気づくだろう。
ここに絶滅文学の精髄がある。


■『極北の海獣』目次
第1部 栄光か、破滅かーー1741~〈ロシア極東・カムチャツカ半島〉
第2部 征服ーー1859~〈アラスカ南東部〉
第3部 命あるものたちーー1861、1950、2023〈フィンランド・ヘルシンキ〉

■著者略歴
イーダ・トゥルペイネン Iida Turpeinen
ヘルシンキ在住の文学研究者。2014年、J.H.エルッコ短編小説コンクールで才能ある書き手のひとりに選ばれた。自然科学と文学の交差について関心を抱き、論文執筆を行う。初の長編小説となる本作は発売直後から、失われた世界と生きた文学を融合させた比類なき作品として称賛された。

■訳者略歴
古市真由美 ふるいち・まゆみ
フィンランド文学翻訳者。キンヌネン『四人の交差点』、サンドベリ『処刑の丘』、レヘトライネン『氷の娘』、サルヤネン『白い死神』、スヴァン『夏のサンタクロース』など訳書多数。

■新刊情報
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書名:極北の海獣
著者:イーダ・トゥルペイネン
訳者:古市真由美
装画:ミロコマチコ/装幀:大倉真一郎
仕様:四六判/上製/272頁
発売日:2025年5月7日
税込定価:2,970円(本体価格2,700円)
ISBN:978-4-309-20924-1
URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309209241/

※電子書籍は2025年7月に発売予定です。
詳細は各電子書籍ストアでご確認ください。

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