Press Release


Global ESG Strategy
2025年6月4日
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プレスリリース全文
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日本語補足資料
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GESは日邦産業の企業価値向上をもたらす、配当の増額、買収防衛策の廃止等を求める株主提案を提出

Swiss-Asia Financial Services Pte Ltd(以下「SAFS」)の運営ファンドであるGlobal ESG Strategy(以下「GES」)は、ESG(Environment(環境), Social(社会)及びGovernance(ガバナンス))の視点から中長期的な投資を行う投資ファンドであり、責任ある投資家として、建設的な対話等を通じ、日本の上場会社の中長期的な企業価値・株主価値の向上を実現することを後押ししていくことを運用方針としています。

GESは2023年より、東証スタンダード上場の日邦産業株式会社(証券コード:9913、以下「日邦産業」)に対する投資を開始し、同社へのエンゲージメントを継続してまいりました。
現在SAFSの運用するファンドは、日邦産業の議決権比率約16.3%を実質的に保有しています。GESは、日邦産業の経営陣との対話を通じて、同社の企業価値及び株主価値の向上を目指してまいりました。

2025年3月期においては、日邦産業は中期経営計画を改定し、バランスシートの効率化や余剰資金を株主を始めとするステークホルダーに還元する方針を新たに打ち出しただけでなく、GESと各取締役との個別面談を実現されるなど顕著なガバナンスの改善が見られ、GESはその姿勢と取り組みを高く評価しております。
しかしながら、GESは、日邦産業の事業の成長性・収益性を考えれば、現在の同社の資本政策は未だ改善の余地があり、資本政策の改善により、さらに高い企業価値及び株主価値の実現が可能であると考えております。そうした考えに基づき、GESは、日邦産業に対し2025年6月に開催予定の第74回定時株主総会(以下「本総会」)に、配当の増額、資本効率の改善、監査等委員会委員長の社外取締役からの選任、及び不必要な買収防衛策の廃止を求める以下の株主提案(以下「本提案」)を提出いたしました。

詳細はプレスリリース全文と補足資料をご覧ください。

議題1: 剰余金処分の件~2024年度1株当たり配当176円もしくはDOE10%の配当~
議題2: 定款の一部変更の件(中期経営計画2025で計画されている成長投資の一部が実行されなかった場合の剰余金の配当方針について)(注:撤回済み) 
議題3: 定款の一部変更の件(監査等委員会委員長の社外取締役からの選任)
議題4: 買収防衛策の廃止の件

なお、上記議題2については、これまで日邦産業との対話を通じて、GESとして「成長投資が計画通り実行されなかった場合の余剰資金の株主還元」を要請すると共に、株主提案として提出しておりましたが、株主提案提出後、2025年5月25日に同社より開示された「『中期経営計画2025』の一部改定に関するお知らせ」において、「FY2025 終了時において、一定の必要資金を確保した上でもなお、余剰資金が生じた場合、その資金を株主をはじめとするステークホルダーに還元していく」とこれまでの方針を改めたことが確認出来たため、議題2においてGESが求めていたことが達成できたと考え、同社と協議の上、議題2にかかる株主提案は撤回しております。本プレスリリースの別紙として添付する株主提案の全文は、議題2の撤回前のものです。
また、議題4については、日邦産業の要請により、会社提案の「当社株式等の大規模買付け行為に関する対応方針(買収への対応方針)継続の件」に対する反対意見として取り扱われております。

代表的な議決権行使助言会社であるInstitutional Shareholder Services, Inc.及びGlass, Lewis & Co., LLCは本総会における株主提案を含む各議案について、賛否推奨レポートを公表しています。両者は、GESによる株主提案に関連して、「(会社提案による)買収防衛策の継続に反対」及び「監査等委員会委員長の社外取締役からの選任に賛成」の議決権行使を推奨しています。


- 剰余金処分の件

日邦産業は2025年3月期において売上高は前年比7.1%増となる約450億円を達成し、営業利益は前年比2.7%増となる19.7億円を計上するなど計画を上回るだけでなく、日邦産業が2026年3月期に目標とする営業利益20億円に迫る業績を達成しました。
さらに日邦産業は改訂中期経営計画2025と長期経営目標2031を掲げ、さらなる成長を目指しているものと理解しております。
他方、資本効率については未だ改善の余地があると考えます。好調な業績の結果として日邦産業の2025年3月末時点の純資産比率は約51%に達し約34億円のネットキャッシュを有するに至っております。同期の減価償却費約15.4億円対して、設備投資にあたる有形固定資産の取得額は約16.2億円に留まるなど、潤沢な内部留保を十分に成長投資に活用できていない状況にあります。
GESは日邦産業が現時点で十分に具体的な投資計画を示すことが出来ない以上、配当性向を高めることで、株主資本を圧縮し、ROEを引き上げ、企業価値及び株主価値向上の施策を採るべきと考え、純資産配当率(DOE)10%相当額の配当を提案します。具体的には1株当たり176円もしくはDOE10%の配当のいずれか高い方となるよう提案しており、後者の場合、2025年3月期の純資産に基づけば1株当たり183円の配当を提案しております。
GESの提案する配当案を実施したとしても日邦産業は純資産比率約46%、ネットキャッシュ約17億円を維持することが可能と想定され、同社の現状の収益性に鑑みれば同社の成長投資に支障をきたすものではありません。
仮に1株当たり183円の配当が実現し、配当利回りを現状の3.1%と仮定すれば株価は5,903円(2025年6月3日終値2,400円対比約2.5倍)が達成可能であり、保守的に配当利回りを4%と仮定しても4,575円(2025年6月3日終値2,400円対比約1.9倍)が達成可能と推定されます。
さらに日邦産業の2026年3月期業績見通しに基づき算出される純資産に基づきDOE10%を仮定した配当額は191円となり、配当利回りを現状の3.1%と仮定すれば株価は6,161円(2025年6月3日終値2,400円対比約2.6倍)が達成可能であり、保守的に配当利回りを4%と仮定しても4,775円(2025年6月3日終値2,400円対比約2.0倍)が達成可能と推定されます。


- 定款の一部変更の件(監査等委員会委員長の社外取締役からの選任)

日邦産業の監査等委員会委員長は、社内取締役が歴任し、現在は、川邊浩之氏が監査等委員長に就任しています。監査等委員は取締役の職務の執行を監査することが期待され、その過半数が社外取締役であることが会社法上定められています。また、法令上常勤者の設置は義務付けられておらず、監査等委員である取締役は、「経営陣からの独立性を確保する必要がある」 ものとされており、取締役でありながら取締役の職務執行を監督する監査等委員の職務の遂行には、常勤の社内取締役ではなく、むしろ、第三者的立場から客観的に経営陣を監視できる、社外取締役の関与が期待されています。
このような監査等委員会において、その委員長が社内出身者であれば、全体の監視監督機能が減退しかねず、ひいては、日邦産業のコーポレート・ガバナンス全体の有効性に疑義を生じさせる要因となり得ます。従い、GESは、監査等委員長については社外取締役から選任することが望ましいと考えます。
GESは社外取締役が監査等委員長を務めることで同社の監視機能が強化され、さらなるガバナンス改革が促進されるものと考え定款の一部変更を提案しています。


- 買収防衛策の廃止の件

日邦産業は、昨年の定時株主総会においては、買収防衛策継続についてGESが行った反対の意向表明について、取締役会意見において、令和3年時点で「このような買収防衛プランの導入は当社の各株主総会決議により大多数の株主の承認を受けている。」とした名古屋高等裁判所の決定を引用し、買収防衛策の「再導入」の正当性の根拠としていました。しかし、昨年の定時株主総会での買収防衛策継続への賛成率は52.85%と、過半数を僅かに上回るに留まっており、もはや、大多数の株主の賛成を得ているとは言えません。買収防衛策の再導入が決定された2019年からは既に6年が経過しており、この間に、社会情勢や会社の支配権をめぐる考え方は大きく変化しています。買収防衛策の継続は、今や時代に逆行した方策であることは明白であり、市場からの規律を働かせる観点からも廃止すべきです。
さらにGESは、日邦産業が買収防衛策が再導入した2019年以降、同社の自己資本及びネットキャッシュが蓄積の一途を辿っていることについて懸念を感じております。買収防衛策によって安易に経営権が脅かされない体制が整備されたことで、当時から代表取締役社長を務める岩佐社長に対する監督や経営陣に対する経営監視にゆるみが生じ、同社の経営資源が最大限の成長に寄与するべく活用されてこなかったことが一因であると考えられます。同社の自己資本比率は2019年3月期の約32%から2025年3月期には約51%まで積み上がり、同期間にネットキャッシュはマイナス約34億円から約34億円まで約68億円積み上がっているにも関わらず、同期間の売上高成長率は平均年率約0.2%と全く成長が実現できていません。
日邦産業の経営陣からは「財務状態と買収防衛策に関連性はない」との回答を得ておりますが、そうであるならばなおさら買収防衛策によって経営陣の保身や財務規律の緩みが生じているとの誤解を生まないためにも買収防衛策を更新せず、企業価値および株主価値の向上に邁進して頂きたいと考え、GESは当該買収防衛策を廃止することを提案しました。
なお、買収防衛策廃止を求める議案は、日邦産業の要請により、独立した議案としては取り扱われず、会社提案の「当社株式等の大規模買付け行為に関する対応方針(買収への対応方針)継続の件」に対する反対意見として取り扱われております。



GESは、これらの株主提案の実現及び日邦産業株主の皆様への情報公開により、引き続き日邦産業の企業価値および株主価値の最大化を目指してまいります。GESによる株主提案の詳細につきましては別紙をご覧ください。

その他、日邦産業の経営についてお気づきの点がある方は是非globalesg@swissasia-group.comまでご意見をお寄せください(匿名可能)。


本件に関するお問い合わせ先:  globalesg@swissasia-group.com

Global ESG Strategyについて
GESは、ESG(Environment(環境)、Social(社会)及びGovernance(ガバナンス))の視点から中長期的な投資を行う投資ファンドであり、投資先との建設的な対話等を通じ、投資先の企業価値・株主価値の向上を実現することを後押ししていくことを方針としています。

Swiss-Asia Financial Services Pte Ltdについて
SAFSは、2004年設立、シンガポールを拠点とし、シンガポール証券先物法に基づく資本市場サービスライセンス(Capital Markets Services License)を保有する投資運用会社です。

免責事項
本資料は、SAFSの運営ファンドであるGESによる日邦産業に対する株主提案に係る情報提供を目的としており、それ以外の用途に用いられてはなりません。
本資料に記載された情報は、SAFS による独自の調査及び分析並びに一般に入手可能な公開情報に基づいています。SAFS、GES又はSAFSのその他の関係者 (以下「SAFSら」といいます。)は、その正確性、完全性、適切性、網羅性等について何ら保証するものではありません。
本資料は、SAFSらの独自の見解、予想、意見を示すものであり、これらは今後変わることがあり得ます。いかなる目的においても本資料に依拠してはならず、また、本資料を投資、金融、法律、税務その他の助言であると理解してはなりません。
本資料に含まれる情報又は意見には将来に関する記述が含まれています。
これらの将来に関する記述や予測、予想は、説明のみのために記載されているものであり、もとより不確実、かつ、重大な不測の事態により実際の結果がこれら将来に関する記述と大きく異なることがあります。SAFSらは、かかる将来に関する記述や予測、意見、本資料に含まれる記載に関連して発生する直接的又は間接的なものを含む何らの損害について、一切の責任を負いません。
本資料に含まれるいかなる情報ないし内容も、いかなる意味においても、募集、推奨、サービスや商品の販促、広告、勧誘若しくは表明と解釈してはならず、また、いかなる投資商品の売買若しくは証券へのいかなる投資に関する助言若しくは推奨であるとも解釈してはなりません。
本資料は、株主総会における議案に関し、SAFSらが、日邦産業の株主を代理して議決権を行使する権限をSAFSら又はその他の第三者に対して付与することを要請するものではなく、そのように解釈されてはなりません。また、日邦産業の株主に対して、SAFSら又はその他の第三者を自らの代理人と定め自らに代わってその議決権を行使する権利を付与することを提案し、奨励し、勧誘し又はこれを目指すものではなく、そのように理解されてはなりません。企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000135781.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp
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