「乾癬」(かんせん)という病気のこと、どれくらい知っていますか?
白くはがれ落ちる皮膚、赤く盛り上がったかさぶた――乾癬は、皮膚に症状が現れる病気です。その影響は肌だけにとどまりません。
そんな乾癬とともに日常を送っている患者さん達にとっては、季節の変わり目に、特に注意が必要となります。これから迎える夏には、湿度が高く、日差しが強くなるため、症状が軽快することもありますが、そこで治療を中断してしまうと、再び症状が悪化する恐れがあります。季節によって症状の変化がある乾癬だからこそ、継続的なケアと正しい知識が大切です。
「知らなかった」から「知ってよかった」へ。乾癬とともに生きる患者さん達が、少しでも自分らしく過ごせるように。今、この瞬間、ほんの少しだけ立ち止まって、一緒に乾癬について考えてみませんか。
乾癬をはじめとする深刻な病気を抱える患者さんのために革新的な医薬品提供に取り組むブリストル マイヤーズ スクイブは、乾癬患者さんの声に真摯に耳を傾けた「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」を公開しました。
乾癬とは、世界で1億人以上が抱える慢性の全身性免疫介在性疾患
乾癬は、皮膚に炎症や赤み、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる白いフケのようなものがあらわれるほか、関節の痛みなど様々な症状を伴うことがあります。乾癬は、「かんせん」という言葉の響きから感染症と誤解される場合もありますが、それは違います。外見に症状が出ることから、周囲の視線や誤解にさらされ、日常生活に大きなストレスを感じている人も少なくありません。
乾癬患者さんの負担は体だけでなく、心にも
乾癬は皮膚の症状に加えて、慢性的な免疫の異常により、さまざまな器官に影響を及ぼす、全身性免疫介在性疾患です。最も一般的な併存症である乾癬性関節炎¹は、関節の痛みやこわばりを引き起こし、放置すると関節が変形することもあります。
また、心血管疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満、さらには睡眠時無呼吸症候群や慢性腎疾患、がんなど、重篤な病気を併存するリスクが高いこともわかってきており²、また、複数の病気を併発することもあります。
さらに、こうした身体的な負担に加えて、人目を気にする毎日が、自衛の気持ちから交流を避けてしまうなど、人とのかかわりに影響を及ぼし、社会的な孤立や将来への不安を深めることも少なくありません。乾癬は「皮膚の病気」にとどまらず、全身と心に影響を与える疾患なのです。
乾癬患者さんたちの声と願い - 私たちは決して一人ではない
ブリストル マイヤーズ スクイブでは、「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」を公開し、世界中の患者さんや乾癬治療に取り組む皮膚科医や団体などの声を紹介しています。その一部を紹介します。
理解が乏しいなか感じる好奇の視線 - それでも思っていた以上に気にかけてくれる人がいる
患者さんの一人、織江さんが「尋常性乾癬」と診断されたのは、13歳のときでした。思春期の多感な時期、頭皮に鱗屑(りんせつ)がつき、かき集めると山のようになったと言います。症状が全身に広がることもありました。けれども、そのつらさを誰かと共有することはできませんでした。病気への理解が乏しいなか、「髪の毛もっと洗ったほうがいいよ」という言葉や、公共交通機関での好奇の視線は、ただでさえ傷つきやすい心に重くのしかかりました。
10代、20代の頃、織江さんの周りに同じ病気の人は一人もいませんでした。支え合える仲間も、気持ちを分かち合える場所もなかった日々。彼女の心には、いつしかこんな思いが根を下ろしていったといいます。「こんな醜くて見た目が悪くて、命に関わるわけではない病気を本気で気にかけてくれる人はいない」と。
それでも、乾癬という病気から目を背けず、向き合うことを決めたとき、気にかけてくれる人が、思っていた以上にたくさんいることに織江さんは気づきました。それは医療従事者や家族です。今、病気とうまく付き合いながら穏やかに過ごせているのは、そんな周囲の支えがあったからだと、織江さんは静かに語ります。
「私たちは決して一人ではありません。乾癬と共に生きてきた経験について勇気をもって話すことが、社会や誰かのためになります」
――その言葉は、かつての織江さんと同じように、孤独や不安のなかにいる誰かの心に、そっと灯をともしています。現在、織江さんは一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会理事として患者さんの支援活動をしています。
他の患者さんの言葉も紹介します。
乾癬はうつらない
トーステンさん(ドイツ)
「私は30年以上にわたって乾癬と付き合ってきました。
病気を受け入れるということ
サンチェスさん(アルゼンチン)
「この病気で最も難しかったのは、病気を受け入れること、病気と共に生きること、そして自分が乾癬患者であることを受け入れることでした」
患者支援団体や医療従事者の方からは次のような言葉があります。
乾癬の危険性
IFPA(国際乾癬患者団体連盟)政策および患者支援マネジャー エルサさん
「乾癬は命にかかわる併存症を伴うことがある深刻な病気で、見た目だけの問題ではないことを知る必要があります」
医師も学ぶ必要がある
皮膚科医 ジョージさん
「私たち皮膚科医は、乾癬が単なる皮膚の病気ではなく、全身に影響を及ぼす病気であることを理解する必要があります」
病気とともに生きる乾癬患者さんへのサポート - ブリストル マイヤーズ スクイブの取り組み
近年、乾癬の治療は大きく進化しています。塗り薬から始まり、飲み薬、光線療法、そして生物学的製剤まで、多様な治療法が登場し、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療が可能になってきました。
とはいえ、症状が一時的に落ち着いたからといって、自己判断で治療をやめてしまうと、再発や悪化、さらには乾癬性関節炎や心血管疾患、糖尿病などの併存症につながるリスクがあります。治療の継続と、主治医とのコミュニケーションがとても大切です。日々の体調の変化や違和感、小さな不安も相談することは大切です。早期の対処が、併存症の予防にもつながります。
乾癬に対する正しい知識と理解が広がれば、患者さんの孤立感は少しずつなくなっていきます。家族や友人、職場の仲間ができることは、難しいことではありません。患者さんの気持ちに寄り添い、無理なく続けられる治療や生活を一緒に支えること。それが、乾癬と向き合う人々の大きな力になります。
自分らしく生きることを、あきらめないでほしい。
「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」Webサイトはこちら
参考文献
¹Mease PJ, et al.: J Am Acad Dermatol. 2013; 69(5): 729-735.
² Related conditions of psoriasis. National Psoriasis Foundation.https://www.psoriasis.org/related-conditions/
白くはがれ落ちる皮膚、赤く盛り上がったかさぶた――乾癬は、皮膚に症状が現れる病気です。その影響は肌だけにとどまりません。
関節の痛みや心血管疾患などの併存症のリスク、そして皮膚症状の外観を理由に向けられる無意識の視線や誤解。それらが、日々の暮らしの中で知らず知らずのうちに患者さんの負担となることもあります。
そんな乾癬とともに日常を送っている患者さん達にとっては、季節の変わり目に、特に注意が必要となります。これから迎える夏には、湿度が高く、日差しが強くなるため、症状が軽快することもありますが、そこで治療を中断してしまうと、再び症状が悪化する恐れがあります。季節によって症状の変化がある乾癬だからこそ、継続的なケアと正しい知識が大切です。
「知らなかった」から「知ってよかった」へ。乾癬とともに生きる患者さん達が、少しでも自分らしく過ごせるように。今、この瞬間、ほんの少しだけ立ち止まって、一緒に乾癬について考えてみませんか。
乾癬をはじめとする深刻な病気を抱える患者さんのために革新的な医薬品提供に取り組むブリストル マイヤーズ スクイブは、乾癬患者さんの声に真摯に耳を傾けた「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」を公開しました。
乾癬とは、世界で1億人以上が抱える慢性の全身性免疫介在性疾患
乾癬は、皮膚に炎症や赤み、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる白いフケのようなものがあらわれるほか、関節の痛みなど様々な症状を伴うことがあります。乾癬は、「かんせん」という言葉の響きから感染症と誤解される場合もありますが、それは違います。外見に症状が出ることから、周囲の視線や誤解にさらされ、日常生活に大きなストレスを感じている人も少なくありません。
乾癬患者さんの負担は体だけでなく、心にも
乾癬は皮膚の症状に加えて、慢性的な免疫の異常により、さまざまな器官に影響を及ぼす、全身性免疫介在性疾患です。最も一般的な併存症である乾癬性関節炎¹は、関節の痛みやこわばりを引き起こし、放置すると関節が変形することもあります。
また、心血管疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満、さらには睡眠時無呼吸症候群や慢性腎疾患、がんなど、重篤な病気を併存するリスクが高いこともわかってきており²、また、複数の病気を併発することもあります。
さらに、こうした身体的な負担に加えて、人目を気にする毎日が、自衛の気持ちから交流を避けてしまうなど、人とのかかわりに影響を及ぼし、社会的な孤立や将来への不安を深めることも少なくありません。乾癬は「皮膚の病気」にとどまらず、全身と心に影響を与える疾患なのです。

乾癬患者さんたちの声と願い - 私たちは決して一人ではない
ブリストル マイヤーズ スクイブでは、「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」を公開し、世界中の患者さんや乾癬治療に取り組む皮膚科医や団体などの声を紹介しています。その一部を紹介します。

理解が乏しいなか感じる好奇の視線 - それでも思っていた以上に気にかけてくれる人がいる
患者さんの一人、織江さんが「尋常性乾癬」と診断されたのは、13歳のときでした。思春期の多感な時期、頭皮に鱗屑(りんせつ)がつき、かき集めると山のようになったと言います。症状が全身に広がることもありました。けれども、そのつらさを誰かと共有することはできませんでした。病気への理解が乏しいなか、「髪の毛もっと洗ったほうがいいよ」という言葉や、公共交通機関での好奇の視線は、ただでさえ傷つきやすい心に重くのしかかりました。
10代、20代の頃、織江さんの周りに同じ病気の人は一人もいませんでした。支え合える仲間も、気持ちを分かち合える場所もなかった日々。彼女の心には、いつしかこんな思いが根を下ろしていったといいます。「こんな醜くて見た目が悪くて、命に関わるわけではない病気を本気で気にかけてくれる人はいない」と。

それでも、乾癬という病気から目を背けず、向き合うことを決めたとき、気にかけてくれる人が、思っていた以上にたくさんいることに織江さんは気づきました。それは医療従事者や家族です。今、病気とうまく付き合いながら穏やかに過ごせているのは、そんな周囲の支えがあったからだと、織江さんは静かに語ります。
「私たちは決して一人ではありません。乾癬と共に生きてきた経験について勇気をもって話すことが、社会や誰かのためになります」
――その言葉は、かつての織江さんと同じように、孤独や不安のなかにいる誰かの心に、そっと灯をともしています。現在、織江さんは一般社団法人INSPIRE JAPAN WPD乾癬啓発普及協会理事として患者さんの支援活動をしています。
他の患者さんの言葉も紹介します。
乾癬はうつらない
トーステンさん(ドイツ)
「私は30年以上にわたって乾癬と付き合ってきました。
乾癬についてほかの人に知ってほしいことがあるとすれば、それは乾癬がうつる病気ではないということです」

病気を受け入れるということ
サンチェスさん(アルゼンチン)
「この病気で最も難しかったのは、病気を受け入れること、病気と共に生きること、そして自分が乾癬患者であることを受け入れることでした」

患者支援団体や医療従事者の方からは次のような言葉があります。
乾癬の危険性
IFPA(国際乾癬患者団体連盟)政策および患者支援マネジャー エルサさん
「乾癬は命にかかわる併存症を伴うことがある深刻な病気で、見た目だけの問題ではないことを知る必要があります」

医師も学ぶ必要がある
皮膚科医 ジョージさん
「私たち皮膚科医は、乾癬が単なる皮膚の病気ではなく、全身に影響を及ぼす病気であることを理解する必要があります」

病気とともに生きる乾癬患者さんへのサポート - ブリストル マイヤーズ スクイブの取り組み
近年、乾癬の治療は大きく進化しています。塗り薬から始まり、飲み薬、光線療法、そして生物学的製剤まで、多様な治療法が登場し、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療が可能になってきました。
とはいえ、症状が一時的に落ち着いたからといって、自己判断で治療をやめてしまうと、再発や悪化、さらには乾癬性関節炎や心血管疾患、糖尿病などの併存症につながるリスクがあります。治療の継続と、主治医とのコミュニケーションがとても大切です。日々の体調の変化や違和感、小さな不安も相談することは大切です。早期の対処が、併存症の予防にもつながります。
乾癬に対する正しい知識と理解が広がれば、患者さんの孤立感は少しずつなくなっていきます。家族や友人、職場の仲間ができることは、難しいことではありません。患者さんの気持ちに寄り添い、無理なく続けられる治療や生活を一緒に支えること。それが、乾癬と向き合う人々の大きな力になります。
自分らしく生きることを、あきらめないでほしい。
乾癬とともに歩む一人ひとりの未来が、もっと明るくなるように。ブリストル マイヤーズ スクイブは、その一歩を支えていきたいと願っています。
「Psoriasis around the world - 世界の乾癬ストーリー」Webサイトはこちら
参考文献
¹Mease PJ, et al.: J Am Acad Dermatol. 2013; 69(5): 729-735.
² Related conditions of psoriasis. National Psoriasis Foundation.https://www.psoriasis.org/related-conditions/
編集部おすすめ