料理を時短できるだけでなく、カゴメならではのトマトの品種えらびにより旨みが引き出されており、いつもの料理に加えることで簡単においしさがアップする。
カゴメおすすめの使い方はカレーに加えること。実は、具材を炒める段階でトマト調味料を入れるのと、煮込む段階で後入れするのとでは味わいが変化するのだという。
今回話を聞いたのは、カゴメで家庭用トマト調味料のマーケティングを担当する稲葉と、世田谷区羽根木にあるカレー屋「kitchen and CURRY」を営む阿部由希奈さんの2名。カレーにおけるトマトの役割やおすすめのレシピなどを伺った。
トマトを入れることによってカレーの味はどう変化する?
カレーを作る際、トマト調味料を入れるタイミングは大きく2つにわけられる。他の具材を炒める際に入れる場合と、煮込む際に入れる場合だ。どちらのタイミングでも味に大きな違いはないように思えるが、阿部さんは「トマト調味料を入れるタイミングで異なる味作りができる」と話す。「他の具材と一緒にトマトを炒めるとカレーのベースにトマトの旨味が溶け込み、よりコクのあるカレーに仕上がります。一方、煮込む段階で入れるとトマトの酸味や香りがしっかりと残って、トマトの味を楽しめるカレーになります。コクを出したい時は先に、酸味をいかしたい時は後に入れることで、違った味わいのカレーになるんです」

阿部由希奈。「kitchen and CURRY」店主。トマト調味料を使ったアレンジレシピを考案した。
阿部さんは独学でカレーを学び、2018年「kitchen and CURRY」をオープンした。同店は、2023年、2024年には食べログ カレー TOKYO 百名店にも選出されている有名店だ。

日々カレーの研究とメニュー開発を行う中で、「トマトはスパイスのような役割を果たす」ことに気付き、トマトのコクをカレーのベースに落とし込みたい時は先に炒め、逆にトマトの酸味を前面に押し出したい時は後入れにするなど、トマト調味料を使い分けてきたという。
今まで、カゴメが提案するトマト調味料を使ったカレーレシピの多くはトマト調味料を後入れする内容になっていた。阿部さんの提案を受け、カゴメが独自に香味の変化の分析を実施。

稲葉。マーケティング部所属。トマト調味料の商品企画やプロモーション戦略の立案を担当している。
通常のレシピで作ったカレー、具材を炒める際にトマトペーストを加えて作ったカレー、水を加え煮込む際にトマトペーストを加えて作ったカレーの3つを用意し、官能評価を実施したところ、トマトを加熱すると煮込み感・コクが強いカレーになり、後入れするとトマトの風味が強いカレーになるという結果となった。トマトペーストを油と共に加熱することで、コクが増加し、それにより煮込み感が向上するのだという。

*: p<0.05で有意差あり (Dunnett検定を用いた「ペーストなし」との比較)
・トマトペーストを加えるタイミングの違う3つのカレー①:通常のレシピで作ったカレー、②:具材を炒める時にトマトペーストを1.7%加えて作ったカレー、③:水を加え煮込む時にトマトペーストを1.7%加えて作ったカレーの煮込み・コクと、トマト感について官能評価を実施した(n=20、カゴメ調べ、2025年2月) 。
トマトの加熱時間に関しても官能評価を実施。

・左図:サラダ油1に対しトマトペースト10の分量で、①炒めてないもの、②弱火~中火でに3.5分間炒めたもの、③弱火~中火で7分間炒めたものの煮込み・コクについて官能評価を実施した。濃縮の影響は排除するため、各サンプルの蒸発した重量分の水分は炒めた後に加えた (n=20、カゴメ調べ、2025年2月)。
・右図:サラダ油1に対しトマトペースト10の分量で、①炒めてないもの、②中火でに3.5分間炒めたもの、③中火で7分間炒めたものをGCMS分析し、調理香に寄与する成分を定量の上、閾値を除しOdor Unitを算出した。濃縮の影響は排除するため、各サンプルの蒸発した重量分の水分は炒めた後に加えた(n=3、カゴメ調べ、2025年2月)。
それ以上は加熱してもコクを感じる成分の量に大きな変化は見られないのだそう。普段より少し早くトマトを投入し、しっかりと加熱するだけでコクが増し、より味わい深いカレーが簡単に完成する。
ポイントは、トマトを先に炒めることでトマト風味は控えめだが、コクの深いカレーに仕上がる。一方で、トマトの風味をしっかり感じたい場合は、後から加えることでトマトの風味が強いカレーになる。つまり、トマトを投入するタイミングを変えることで、好みに応じた味わいのカレーを作ることができる。
プロ直伝。カゴメトマト調味料を使った簡単・美味しいカレーレシピ
カゴメは複数のトマト調味料を扱っている。「カゴメ基本のトマトソース」を使ったレシピでは、カレーを煮込む時間がない方も挑戦できる、電子レンジで作るチキンカレーを提案。
▶「カゴメ基本のトマトソース」を使用した【カレー専門店監修】レンジで簡単!チキンカレー
時間がない方にもおすすめの簡単メニューです!

また、「カゴメトマトペースト」は甘味が強い完熟トマトを裏ごしし、約7倍に濃縮しているため、ペーストそのものにしっかりとしたコクがあるのが特徴だ。そのコクをいかしつつトマトの酸味も楽しめるよう、玉ねぎを炒める時と、煮込む時とで2段階でペーストを加えるキーマーカレーのレシピを提案した。
▶【カレー専門店監修】カラウマ!夏野菜のドライカレー
お子様でも食べやすい、野菜たっぷりのドライカレーです。

「カゴメトマトピューレー」はエビと合わせ、トマトの酸味が引き立つカレーに仕上げた。トマトの風味がしっかりと感じられる、夏に食べたくなるさわやかな味わいだという。
▶【カレー専門店監修】スパイス香る♪えびカレー
お店のようなスパイスカレーにチャレンジしたい方におすすめです。

阿部さんはレシピを考える際「商品の特性を生かすことを意識した」と話す。
「試作にあたってカゴメさんのトマト調味料を改めて研究したところ、素材の味をすごく大切にしているなと感じました。商品のあり方に嘘をつけないと言いますか。

阿部さん考案レシピはカゴメ社内でも好評とのこと
一口にトマト調味料と言っても一つひとつ特徴が異なる。商品の良さを知ってもらい特徴を理解してもらえるようなレシピを提案することで、家庭で適切に使い分けてもらうことを目指した。
今後は「トマト×○○」の可能性を広げ、トマトの美味しさを再発見してもらう仕掛けをしていく
カゴメでは今後も、トマトを家庭で美味しく楽しめる組み合わせを提案していくという。そのひとつに定番だが「トマト×チーズ」の組み合わせがある。例えば、カゴメが展開する「甘熟トマト鍋スープ」であれば、チーズを加える食べ方が提案できる。また、チーズ×トマトの組み合わせはおいしさの面でも相性がいいだけではなく、チーズの油がトマトのリコピンの吸収を高めることも期待できる。

稲葉は「トマト×鯖缶」の組み合わせも提案していきたいと話す。「鯖缶とトマトを使ったお魚ボロネーゼも、トマトを美味しく食べるおすすめのメニューです。トマトに含まれるクエン酸は魚の臭みを抑える効果が期待できるので、魚の臭みが苦手な方にもおすすめできるメニューになっています」
▶お魚ボロネーゼ
「トマト×○○」という、あまりなじみのない組み合わせでも、実はおいしく楽しめることが多くある。その魅力を、より多くの方に知っていただけるよう、カゴメの一員として発信に力を入れていく。