あんしん経営をサポートする会(所在地:東京都中野区、以下当会)<https://www.ansin.jp/>は、このたび従来の「MAS監査プランナー」認定制度を一新し、新たに「未来会計プランナー/未来会計オペレーター」制度を2025年4月に創設することを発表しました。

あんしん経営をサポートする会は全国の会計人(税理士・公認会計士などの専門家)による組織です。
経営者一人ひとりが描く未来を実現するため、企業の将来像を描くための「未来会計」を通じて、多くの企業を支援しています。

皆さんは、「未来会計」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?

あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、まずはこれまで主流だった「過去会計」との違いを知ることで、「未来会計」の特徴がよりわかりやすくなるかもしれません。

会計事務所の従来業務である会社の業績や、税金を計算するための会計は、過去の経営状況を把握するための会計という意味合いで「過去会計」と呼ばれています。

それに対して、「未来会計」は、経営計画をはじめとした企業の将来像を決めるための会計です。

先行きが不透明な時代だからこそ、未来を見据えた計画的な経営がこれまで以上に求められています。未来会計を活用することで、時代の流れに流されることなく、自分たちの目指す姿を実現するための力が育まれていくのです。

会計事務所で働く一人ひとりの専門性を認め、人を活かす。~組織全体で拡げる「未来会計」を目指して~


(あんしん経営をサポートする会が定義する、「未来会計」とは。)

さらに、未来会計を実践するために、私たちは「経営計画の策定」や「その達成状況の確認(達成管理)」といった経営者の取り組みを、仕組化してサポートしています。

この実践的な支援プロセスを、当会では「MAS監査」と呼び、その担い手となる会計のプロフェッショナルを「MAS監査プランナー」として認定しています。

これまで1000人以上の「MAS監査プランナー」を輩出してきた当会ですが、この4月よりその認定制度を一新し、新しいステージに上がることを発表しました。

中小企業を取り巻く環境は今、大きく変わりつつあります。人口減少や人手不足、原価の高騰、社会課題の複雑化といった多くの要因が、経営者にこれまで以上の意思決定とスピードを求める時代になりました。


そんななか、未来を見据えて経営を支える”未来会計人材”のあり方も、見直されつつあります。

そして今、新たに「未来会計プランナー/未来会計オペレーター」として、制度は生まれ変わります。

会計事務所で働く一人ひとりの専門性を認め、人を活かす。~組織全体で拡げる「未来会計」を目指して~


今回のストーリーでは、制度リニューアルに至った背景やそこに込めた想い、そして私たちが目指す未来についてお伝えしていきます。

制度リニューアルの背景

未来会計に取り組む人材は、まだまだ会計業界や会計事務所内での認知が十分とは言えません。なかには、従来の「過去会計」を中心とした業務に携わる方々にとって、未来会計に取り組む人材が少数派として、やや異質に映ってしまうケースもあります。

しかし、私たちはそうした状況を少しずつでも変えていきたいと考えています。

少なくとも、未来会計に本気で取り組む会計事務所においては、未来会計人材が正当に評価され、その役割が所内でも確かな地位を持ち、自信と誇りを持って活躍できる環境を整えていきたいと願っています。

未来会計が中小企業にとって欠かせない経営ツールとなり、会計事務所にとっても日常的かつ重要な業務として根付いていくために。当会では、未来会計に携わるすべての方々の専門性を社会的に認めることができる制度を構築することを決意しました。

リニューアルが具体的に動き出したのは、2024年9月のこと。当初からこのプロジェクトに深く関わってきた当会事務局長の山脇渉に話を聞きました。

会計事務所で働く一人ひとりの専門性を認め、人を活かす。~組織全体で拡げる「未来会計」を目指して~


なぜ名称を「MAS監査」から「未来会計」へと変えたのですか?

山脇:あんしん経営をサポートする会で使われている言葉の多くは、一般の方には聞き慣れず、難しく感じられるものが少なくありません。なかでも「MAS監査プランナー」は、経営者のすぐそばで寄り添い、経営の相談相手として大切な役割を果たす素晴らしい仕事であるにもかかわらず、「MAS監査」という言葉が専門的でイメージしにくいために、まだ広く知られていないのが現状です。

たとえば、相手の名刺に「MAS監査プランナー」と書いてあっても、会計業界に精通している人でなければピンとこないですよね。


だからと言って、それらの言葉を否定しているわけではありません。まずは私たちの活動を一般の人に広く認知してもらうために、より身近である「未来会計」という言葉に置き換えていこうと思い、名称を新しくすることにしたのです。

プランナー/オペレーターという2種類の認定制度に分けた理由は?

山脇:これまでは「MAS監査プランナー」のみを認定してきましたが、今回の制度リニューアルにより認定区分が見直され、新たに「未来会計プランナー」と「未来会計オペレーター」の2つの資格に分かれることになりました。

まず「未来会計オペレーター」は、これまでにない新たな認定制度です。

冒頭で紹介した過去会計では、1円も間違えられない正確性が重視されます。対して未来会計は経営者の経営意思決定を支援する仕事であり、重視されるのはスピードとシミュレーションです。経営者がヒト・モノ・カネという経営資源をどう活かすか、無数の選択肢から最善の策を講じるには、複数シナリオのシミュレーションを迅速に実施することが求められます。

「未来会計オペレーター」は専用システムを使いこなし、様々な経営シミュレーションをスピーディに行い経営者の意思決定を支援します。

この「未来会計オペレーター」制度を創設した背景には、事務所内で間接的に顧問先企業を支えている方々にも、もっと光を当てたいという想いがあります。

当会の会員の中には、直接お客様と接することはないものの、顧問先企業のあんしん経営の実現に向け、日々資料作成に取り組んでいる方が数多くいます。

話を聞くと、なかには一人で200社分の資料作成を担当しているという方もおり、その働きはまさに “ 縁の下の力持ち ” です。

こうした「裏方」で活躍する方々は、間接的ながら経営者の意思決定にとって欠かせない存在です。だからこそ、事務所内でも彼らにスポットライトが当たり、その専門性と貢献が正当に評価されることを願い、「未来会計オペレーター」制度を創設しました。


一方、「未来会計プランナー」は、従来の「MAS監査プランナー」と基本的な仕組みは変わりません。

MAS監査の標準的な業務を提供し、経営者に寄り添った経営支援を実践する方に取得していただきたい資格です。

すでに「MAS監査プランナー」として認定されている会員の皆さまは、当会がご案内する所定の手続きを経て、「未来会計プランナー」へ自動的に移行されます。

会計事務所全体で未来会計を実践してほしい

私たちの願いは、より多くの人が未来会計に携わる世界をつくることです。

今回、未来会計に関わる人材を「プランナー」と「オペレーター」の2つの役割に明確に区分したのには理由があります。

これまで裏方として見えにくかった資料作成担当者を、「未来会計オペレーター」として正式に認定することで、その役割に光が当たり、会計事務所全体で未来会計に取り組む体制が整いやすくなると考えたからです。

また、オペレーターの専門性が明文化されたことで、経営支援の最前線に立つ「未来会計プランナー」の役割と価値もこれまで以上に明らかになり、一段と高まっていくはずです。

プランナーとオペレーターが役割を分かち合い、互いの専門性を活かしながらチームで未来会計を実践する、そんな風景が全国の会計事務所に広がっていくことを願っています。

未来会計が当たり前の世界に

名称を変えたからといって、私たちの想いが変わったわけではありません。

むしろ、これまでの想いをより多くの人に届け、共感してもらうための“進化”です。

私たちは、企業の「未来」を見据えた経営支援を行う専門家集団として、これからも経営者に寄り添い続けます。未来会計プランナーは、経営者の伴走者として、数字を通じて経営の選択肢を広げ、未来の可能性を共に描いていく存在です。一方、未来会計オペレーターは、縁の下の力持ちとして、その支援の根幹を支える重要な存在。
裏方でありながら、企業の未来を動かすエンジンとも言えるでしょう。

この二つの役割が、互いに連携し補い合うことで、より質の高い、より継続性のある経営支援が可能になると信じています。

あんしん経営をサポートする会ではこれまでも、未来会計人材が自他共に認められ、未来会計が当たり前になる礎を築いていく取り組みを続けてきました。

今後はさらに、未来会計の認知向上と価値向上を図り、未来会計が中小企業の欠かせないツールとなり、会計事務所にとっての必須業務となることを目指していきます。

そして、「未来会計」という言葉が当たり前に語られる時代が来る未来を本気で描いています。
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