4度のワールドカップ優勝を誇るイタリア代表だが、最近2大会は予選敗退という屈辱を味わった。
6日には2026年大会に向けた欧州予選初戦を戦うが、選手招集をめぐる騒動が勃発している。
37歳のインテルDFフランチェスコ・アチェルビが代表招集を拒否したのだ。
ルチアーノ・スパレッティ監督は、「アチェルビは招集に応じなかった。身体的な問題ではない。今朝、彼はメッセージでその旨を伝えてきたので、返信して電話で話した」とコメント。
一方、5月31日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ決勝で敗れたばかりのアチェルビは、代表招集を拒否した理由をSNS上でこう説明した。
「熟慮の結果、監督に代表招集を辞退することを伝えた。これは決して軽々しく下した決断ではない。
青いユニフォームを着ることは常に栄誉であり、誇りの源だった。
しかし、最近の出来事を踏まえると、今はこの道を穏やかに歩み続けるための状況が整っていないと確信した。
言い訳や好意を求めているのではなく、敬意を求めている。もしチームを率いる立場にある者からの敬意が欠如しているのであれば、退くことを望む。
自分は招集に執着する人間ではない。
そして、自分が監督のプロジェクトの一部ではないことは明らかだ。
これは私の決断であり、今朝監督に伝えたように、怒りに駆られたものでもなく、ましてやチャンピオンズリーグ決勝で敗れたことへの落ち込みに駆られたものでもない。ただ、一歩引く必要性を感じただけだ。
代表チームとチームメイトの成功を祈っている。ピッチでいつも示してきたのと同じ愛情を持って、これからも彼らを応援し続ける」
スパレッティ監督にリスペクトが欠けていたことを示唆している。
そのスパレッティ監督は2023年9月からイタリア代表を指揮してきたが、アチェルビとの間には遺恨があるようだ。
2024年3月のナポリ戦でアチェルビに人種差別騒動が起きると、彼はスパレッティ監督との話し合いの末にイタリア代表から離脱。それ以降は招集されていなかったが、今回の復帰も拒絶した。
イタリアが6日に対戦するノルウェーには世界的ストライカーのアーリング・ハーランドがいるが、『Sky』などによれば、ある記者がハーランド対策でアチェルビを呼び戻すのは有益ではないかと尋ねた際にスパレッティ監督は「アチェルビの年齢をご存じか」とジョークを飛ばしていたという。
指揮官は、「アチェルビの誕生日に関するあの返答には、将来有望な選手を信頼するという意図があった」と釈明したが、代表復帰を拒絶するほど関係性は悪化してしまったようだ。
ちなみに、身長192㎝を誇るアチェルビは、精巣ガンを克服して復活した選手でもある。