16日、英国の最高裁判所は、「女性の法的定義は生物学的性別に基づく」との判決を下した。
全会一致の判決では「2010年平等法における女性と性別という用語は、生物学的な女性と生物学的な性別を指す」として、女性の性別認定証明書を持つ人は「平等法における『女性』の定義に該当しない」とされた。
そうしたなか、『Guardian』は、「スコットランドサッカー協会、トランスジェンダー女性の女子サッカー出場を禁止へ」と伝えた。
上記判決から2週間ほどが経ったなか、スコットランドサッカー協会(SFA)が、ガイドラインを改訂し、トランスジェンダー女性の女子サッカー出場を禁止すると発表したという。来季から13歳以上の女子サッカーの試合に出場できるのは、生物学的な女性のみになる。
現行ルールでは、トランスジェンダー女性は、テストステロン値に応じて、自ら自認する性別のもとで競技に出場することを認められていた。
SFAの決定は、女子競技者を男子思春期を経験していない選手に制限しているラグビーや水泳、陸上競技など他のスポーツの方針と沿うものになるとのこと。
ただ、スコットランド政府は、女性の定義を拡大し、トランスジェンダー女性を含めるとしていたため、SFAの決定は物議を醸しそうだとも伝えられている。
一方、イングランドサッカー協会(FA)は、上記判決が出る前に、12ヶ月間テストステロン値が低いことを条件にトランスジェンダー女性が女子サッカーへの出場を引き続き認めることを確認していた(生物学的に男性であっても、テストステロン値が十分に低く、マッチオブザーバーによる評価を受けた場合は女子の試合でプレー可能)。
しかし、『BBC』によれば、FAは最高裁判決に従うように圧力を受けており、数日中に上記方針を修正する可能性があるという。
前FA会長は、SFAの方針転換を支持しつつ、「FAが最高裁判決を無視できるという考え自体が、法に対する無謀な軽視を示している」と述べている。
FAによれば、イングランドのアマチュアサッカー界にはトランスジェンダー女性が20人登録されているものの、プロにはひとりもいないという。