2023年シーズン限りで現役を引退した元日本代表の小野伸二氏。

同じく元日本代表として活躍した鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演し、これまでのキャリアを振り返った。

小野氏は、2004年のアテネ五輪にオーバーエイジとして参加。当時24歳だったが、すでにフル代表で42試合に出場しており、経験値はずば抜けていた。

アテネ五輪には小野氏と同世代の高原直泰氏もオーバーエイジとして参加するはずだったが、エコノミークラス症候群を再発したために無念の欠場。

小野氏と曽ヶ端準氏をOA枠で参加させた日本だが、パラグアイとイタリアに連敗すると、ガーナに勝ったものの、グループステージ敗退という結果に終わった。

小野氏は、当時をこう振り返っていた。

「(自分は)日本でのキャンプには参加できなかった。タカとソガが入るっていうのも聞いていたし、めっちゃいいなと思いながら。

タカがいなくなった、来れなくなっちゃった。それが自分にとってもちょっと難しさが。

タカのほうが俺より長くあの年代とキャンプをやったりしていて、そういう意味では『タカがいてくれたら安心』というのがあったなかで、いなくなって。

正直、その世代とほとんど触れあっていないというか。そういった難しさはあったよね。

向こうが自分(小野)を特別な人みたい感覚で見ていたところもあると思うし」

インタビュアー役を務めた鈴木氏は、アテネ五輪予選でU-23日本代表のキャプテンを務めていたが、本大会のメンバーからは落選。その鈴木氏から「アテネ世代に足りなかったもの」を聞かれた小野氏はこう話していた。

「足りなかったものというか俺はあそこにオーバーエイジを入れない方がよかったんじゃないかって、逆にね。

だから、啓太も残念な形になってしまったと思うんだけど。啓太を中心として、予選のまま行くほうが終わった後に言うのはあれだけど、正直それのほうが選手たちがのびのび(やれた)。

俺が入ったことで、少し自分たちの持っていたものが活かされなかった」

OA枠で参加した小野氏は、チームにうまく融合できなかったという思いがあるようだ。

そのため、予選を戦ってきた選手たちでそのまま本大会をプレーする方が自信を持ってやれたかもしれないとも口にしていた。

なお、2024年のパリ五輪でU-23日本代表はオーバーエイジ枠を使わなかった。

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