世界的なスポーツメーカーとして知られるadidas(アディダス)。

彼らは、数年前までライバル企業であるナイキに売上やマーケティング面で押され気味だった。

しかし、最近はZ世代の感性を捉えたマーケティングで世界的に売上を伸ばしており、その中心に韓国トップスターとの協業の成功があるという。18日、韓国メディア『日刊スポーツ』が報じた。

adidasは今月初旬にサッカースパイク『F50レディアントブレイズ』を発表。同社が今年6月に公開した動画『ひとりじゃない。君を信じてる。You Got This』は、単なる選手広告を超えた共感型ストーリーで描き、韓国で大きな反響を呼んだ。

この動画では、PSGの韓国代表MFイ・ガンインをモデルとして起用し、そのほか同選手の姉イ・ジョンウンさんやPSGの専属シェフも出演。

今年のUEFAチャンピオンズリーグを制したイ・ガンインの背景には、選手を信じる家族やファン、サポートする多くのスタッフらがいるというストーリーを完成させた。

サッカー選手だけではない。BLACKPINKの人気メンバーであるジェニーが昨年にリリースした楽曲『Mantra』のMVでは、adidasのスニーカーを着用し、“ジェニーシューズ”として世界中で爆発的人気に。

さらに、『SuperstarThe Original』キャンペーンでは、ジェニーのほか、俳優サミュエル・L・ジャクソン、ラッパーのミッシー・エリオットら世界的トレンドセッターが参加して話題を呼んだ。

同メディアは、「K-POPや韓国出身のスターに力を入れるのには理由がある。

韓国の大衆文化がグローバルの主流へと拡大し、トレンドをリードする中で、韓国市場の重要性を認識した」と伝えた。

実際に、昨年1月には韓国市場をadidasのアジア・太平洋エリアから独立させ、単独のマーケットへと格上げした。

韓国ではadidasコリアによる独自の体験型イベントや限定商品の販売を展開している。

こうした施策の成果として、adidasは昨年の韓国・日本での売上は前年比3.6パーセント増、中国・香港・マカオ・台湾では16パーセント増を記録。今年上半期のグローバル売上も19.6兆ウォン(約2兆円)と、市場予測を上回った。

adidasは「アメリカを除く全市場で1位を目指す」と宣言しており、今後は韓国カルチャーがマーケティングの中核を担っていくかもしれない。

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