先日からヨーロッパで大きな話題になっているトランスジェンダー選手に関してのルール。
これまでは男性から女性に性転換したトランスジェンダーの選手は女子サッカーに参加することが可能だったが、スコットランドやイングランドでの裁判でそれが覆った。
英国最高裁判所は4月16日に「男性として生まれた人物が女子サッカーに参加することを禁止する」という判決を全員一致で下し、協会がそれに従ってルールを変更したのだ。
しかし『So Foot』によれば、トランスジェンダーとしてプレーしていた選手はそれに反発しているという。
それについて語ったのはイングランド6部のハックニー・ウィメンFCでプレーしているフェイ・フルニコスという30歳のトランスジェンダー選手。彼女は以下のように主張しているそう。
「私はホルモンを服用していて、生まれながらの女性と同じエストロゲンとプロゲステロンの値を示しており、テストステロンはほぼゼロで、普通とされる女性の体と非常に似ている。
裁判所は、女性と男性は生物学的基準に基づいていると考えている。妊娠できるかどうかという観点からそれを定義している。我々はその逸脱者とみなされている。
英国では、左派政権がトランスジェンダーの女子サッカーへの参加を禁止しようとしている。それは完全に狂っている。
トランスジェンダーは生物学的女性よりも強いと思われている。本物の女性から地位を奪っていると考えられている。
しかし研究は逆の結果を示している。トランス女性のスポーツにおけるテストステロンのレベルにはすでに厳しい制限が設けられている。これは女性らしさという覇権的なモデルに従わないあらゆる女性に対しての攻撃でもある。
もし我々トランスジェンダーの女性が本当に問題になるほど有利であれば、みんなイギリスの女子サッカー選手のトップクラスになるはずだ。
しかし現実には3部以上の女子リーグにトランスジェンダーの選手は一人もいない。もし我々が女子の地位を奪いに来ているのであれば、我々は全員チェルシーでプレーしているはず。
我々はイギリスで議論されている法律が怖い。トランスジェンダーは女子トイレを法的に使用できなくなるのではないか、男性の刑務所に行くことになるのか、男性の病院に行くべきなのか。
想像してみてほしい、我々が男性の刑務所に入れられたとしたらそれは地獄だ」
2021年に行われた東京オリンピックで金メダルを獲得したカナダ代表のクインは、トランスジェンダーとして初の女子サッカー優勝者となったことで話題になった(※記事トップ画像)。
ヨーロッパにおいてこの数年はLGBTQsの性的マイノリティに対する配慮が広がってきたが、ここに来て英国で「揺り戻し」が来ているとも。