アメリカ・カリフォルニア州の刑務所に収監中の妊婦女性が流産したのは、警察の病院移送遅延が原因だとして、管轄のオレンジカウンティを訴えていた事件で、和解が成立しそうだと、海外ニュースサイト『Press Democrat』『CBS News』などが8月24日までに報じた。
>>ルームメイト女性を殺害した同居人の女ら「流産の痛みを味合わせたかった」殺人容疑で起訴<<
報道によると2016年3月28日、同州オレンジカウンティの刑務所に収監されていた当時28歳の、妊娠6カ月の女性が破水したという。女性は緊急呼び出しボタンを押すも、誰も応答せず。緊急ボタンを押してから2時間後、ようやく刑務官が女性の元に駆け付けた。
刑務官らは、女性を病院に搬送することに。救急車ではなく、パトロール用の警察車両が呼ばれたそうだ。
妊婦女性はもともとホームレスで精神疾患を抱えていたと報じられている。女性が何の罪状で刑務所に収監されていたかは不明だが、現在は釈放されている。当時、オレンジカウンティ刑務所では虐待の告発が相次いでおり、複数の受刑者から虐待行為に対する賠償を求める集団訴訟が起こされていた。当初は女性もこの集団訴訟に加わり、流産時の賠償を求めていた。
複数回の審理を重ね、8月23日に開かれた審理でオレンジカウンティ側は、女性に約6700万円の賠償金を支払うことで和解を提案したという。事実上、警察官や刑務官らの対応遅延が流産を招いたとして、過失を認めた形だ。女性の代理人弁護士によると、「女性はひどい扱いを受けた。これは素晴らしい結果だ。長く困難を極めた戦いだった」と各社取材に回答。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「これはひどい。賠償金もっともらって良いと思う」「警察官がヤバイ。破水した妊婦を乗せているのに、危機感がまるでない」「刑務官も警察官もクビにすべき」「妊娠6カ月で破水は早産。すぐに対応しても死産だったかも」といった厳しい声が上がった。
一刻を争う状態であるにもかかわらず、すぐに対応しなかった警察官らにも責任はあるだろう。
記事内の引用について
OC to pay $480,000 to former inmate who miscarried after deputies stopped at Starbucks on way to hospital(Press Democrat)より
https://www.pressdemocrat.com/article/news/oc-to-pay-480000-to-former-inmate-who-miscarried-after-deputies-stopped-a/
$480,000 awarded to inmate who suffered miscarriage after sheriff's deputies stopped at Starbucks while driving her to hospital(CBS News)より
https://www.cbsnews.com/news/sandra-quinones-inmate-miscarriage-deputies-starbucks-hospital-480000-dollars/