冷凍庫に入れっぱなしのスイカが意外にも、西湖大学の孫立成(スン・リーチョン)氏のチームによる「奇想天外な発想」の元になった。一連の研究と模索を経て、研究者はスイカの皮膜構造をシミュレーションし、工業応用において将来性の高い「高性能人工バイオニック陰イオン交換膜」を作成した。
研究チームのメンバーである劉清路(リウ・チンルー)博士は、「スイカの皮膜とはスイカの最も外側の緑色の膜で、冷凍剥離後は75マイクロメートルほどしかなく、髪の毛1本の直径とほぼ同等だ。スイカの皮の構造と機能の研究を深めることで、その皮膜にあるイオン伝導ルートを特定し、イオン膜透過の秘密を解明した」と述べた。
科学者の好奇心に導かれ、科学的精神を示した10件の科学成果が23日夜、浙江省杭州市でパイナップル科学賞2024を受賞した。科学技術者の好奇心に敬意を表し、難解な科学を一般家庭に浸透させることがパイナップル科学賞の公益性科学伝達イベントとしての主旨と目標だ。
英ダラム大学の研究チームは、胎児の味の好みに関する研究で2024パイナップル科学賞の医学賞を受賞した。チームのメンバーであるバエザ・ウスタン氏は成果について、「超音波スキャンにより、胎児がニンジンの味に対して微笑みのような表情を浮かべ、キャベツの味を嫌がる表情を浮かべることが分かった」と説明した。
同チームは4D超音波スキャンにより100人の妊婦の胎児を観察・記録した。それによると、胎児は子宮内で味覚と嗅覚を持ち、味を区別できる。研究者によると、これは味覚・嗅覚受容体の発展および関連する感知・記憶の理解にとって重要な意義があるという。
「白酒は常温で飲み、黄酒は温めて飲むことができ、ビールは冷えている方がよりおいしい。
このほか、なぜ赤ちゃんはいい匂いがするのか、最も指を切りやすい紙は何か、クモがホタルに求愛信号を出させ捕食すること、ミカンを赤いネットに入れる秘密、エリンギ菌糸体の導電で「ロボット」を操作、リンゴからマッシュルームが生えること、蚊が匂いで人を見分ける秘密などの興味深い現象の裏にある科学的原理を探求する成果は、パイナップル科学賞の化学賞、物理学賞、生物学賞、心理学賞、発明賞、科学的出来事賞、「クレイジー実験賞」を受賞した。
授賞式の来賓で、台湾大学教授で中国科学院国家天文台客員研究員の孫維新(スン・ウェイシン)氏は、「科学と興味の結びつきはとりわけ重要だ。興味は答えを探る原動力となり、真実を求める科学の精神を構築する」と述べた。
パイナップル科学賞は浙江省科学技術協会が指導し、浙江省科学技術館が主催する公益性科学伝達イベントだ。2012年より毎年1回、想像力に富む科学研究成果と出来事を広く募集し、審査委員会の評価・審査を経て10件の受賞プログラムを選出。各科学賞はいずれも、科学研究者が正規の学術誌に掲載した学術成果に基づいている。(提供/人民網日本語版・編集/YF)