仏RFIの中国語版サイトによると、ドイツメディアのディ・ベルトはこのほど掲載した記事で、上海モーターショーを巡り警告を発し、中国の技術進歩が欧州を置き去りにすることを懸念した。
記事はまず、「未来の車は話し、自動運転し、空を飛ぶことができる。
そして、上海モーターショーで受ける印象は「中国は未来に生きている。そしてドイツ人はチャンスを逃したということだ」とし、「実際にそこでは技術開発が急速に進んでいる。多くの新興自動車ブランドが常に新しい機能を市場に投入し、最新の技術と最も安い価格を求めて激しい競争を繰り広げている。何百万人もの顧客が日々の生活の中で熱心に新製品を試している」と伝えた。
記事によると、「中国とどう付き合うか」について、ドイツの政治家は大いに困惑している。キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)は連立協定の中で、リスク回避の原則に従って前政権の中国戦略を修正すると発表した。しかしそれは具体的に何を意味するのか。
記事は「ドイツと欧州は凍り付いているようだ」とし、「ドイツでは、自動車に限らず、新製品は何年にもわたる開発と承認手続きを経なければならない。多くの顧客は、新しいシステムよりも使い慣れたテクノロジーを購入することを好む。そして政府は、これまで以上に多くの規制、税金、複雑な行政手続きを導入することで、あらゆる面でブレーキをかけている。この状況は偶然ではない。国家がどのように行動するかは、単独の政党のリーダーではなく、議会で選出された多数派によって決定される。これは国を停滞させるが、社会の現状を反映している。大多数のドイツ人にとって、余暇は仕事よりも重要なのだ。新しい技術に対する懐疑心は電気自動車(EV)だけに見られるものではない。市場で他社に勝つ革新的な企業には、進歩を望む環境が必要だ。

記事は、中国について「西側諸国への依存から脱却するために、政府が自動車産業とハイテク産業に多額の補助金を出している。これまでのところ赤字が続き、100を超えるEVブランドの大多数が利益を上げていない。多くの企業が倒産し、工場の閉鎖や大量解雇も起こるだろう。政権は必要なら労働者からの批判を暴力で抑圧する。このような方法は民主主義国家では禁止されている」と伝えた。
そして「欧州はこれ以上速度を落としてはならない。さもなければ、長きにわたり自動車部門の責任者とステランティスの最高経営責任者(CEO)を務めたカルロス・タバレス氏がかつて描いたシナリオが脅威となる。もしこの業界が衰退したら、欧州人は観光客にコーヒーを提供するだけになるだろう」とし、「そんなことになってはいけない。ドイツの自動車メーカーは、中国事業の全面的な再編を進めている。彼らがそこに戻る道を見つける可能性は十分にあり、より良い政治とやる気のある国民によってそのための前提条件は整っている。われわれはただそれを望まなければならない」と伝えた。