「首発経済」とは、企業が新製品、新業態、新モデル、新サービス、新技術を打ち出したり、1号店を新規開業したりするなど、一連の「初」を特徴とした経済活動を指します。都市の競争力の新たなバロメーターと見られており、消費のアップグレードや産業のモデルチェンジを具現化する重要なシンボルとも言えます。
上海ではここ数年、グローバル初店舗、新商品の初登場、トレンドの初披露などの「首発経済」に関するイベントが多数行われて、新たな消費のハイライトが続々と生み出されており、「世界的な新商品発表の場」「国際消費の中心都市」の新たなモデルとも言われています。
上海市の静安区に位置する南京西路商店街では、面積1.8平方キロメートルのエリアに2000以上の国内外有名ブランドが集まり、「世界のショーウィンドウ」と呼ばれています。ここは上海で首発経済が最も集中しているエリアの一つでもあり、上海市の高級ブランドのうち、3分の1のブランドの1号店が集まり、数年連続で1号店が最も多く進出したビジネスエリアに選ばれています。
静安区には2024年に世界初店舗6店舗、アジア初店舗3店舗、中国初店舗33店舗を含む234の新店舗が進出し、その数は全上海市をリードしています。従来の国際大手高級ブランドから、「2次元経済」の台頭によってもたらされた新業態まで、このエリアはZ世代(1990年代中盤~2000年代に生まれたデジタルネイティブ世代」向けのトレンドIPの初売りや初披露の場となっています。
上海では2024年に各種ブランドによる初イベントが3000回以上開催され、新規開業した1号店は1269軒で、1日当たり平均3店が新たに開業しており、そのうちの17%が高級ブランドの1号店でした。ファッションやコスメ、テクノロジー、文化クリエーティブ、スポーツなど幅広い分野をカバーしており、オフラインでの初披露から、オンラインのライブ配信まで、業界を超えたコラボレーションを通じて、商品の発表会を文化交流に変え、消費シーンを豊かにし、没入型の都市体験に変えています。
アナリストはこれについて、ブランドが一つの都市を初発表の場に選ぶ理由には、市場規模だけではなく、消費に対する美意識やサプライ効率、制度面での優遇、革新的な環境など、総合的な要素が挙げられるとしています。上海の首発経済ブームから、産業チェーン全体の革新やビジネス生態系の全面的なアップグレードを垣間見ることができるとみられています。(提供/CRI)