2025年5月7日、韓国・中央日報はこのほど「中国で発生したアカモクが済州(チェジュ)島の海岸に大量に漂着し悪臭を放つなど深刻な状況になっている」と伝えた。
記事によると、韓国・済州市朝天(チョチョン)邑の海水浴場と周辺の飲食店などが立ち並ぶ海岸道路は多くの観光客が訪れる人気スポットだが、海辺は大量のアカモクで覆われており、生臭いにおいが漂っている。
アカモクは毎年3~6月、済州島をはじめ全羅南(チョルラナム)道沿岸に約1万~2万トン漂着する。大規模な帯状で、最大5メートルほどに成長し移動する。養殖場の網や施設に絡みつくため漁業に支障を来す。また、船のスクリューが巻き込んでしまうと危険が生じるとされている。
アカモクの主な発生地は「中国南部の海岸」が有力だという。水温が上がる春に東シナ海沿岸で発生し、黒潮に乗って北上。さらに対馬海流に乗って韓国南西部の海域と済州島に漂着するという。中国は15年前後に海洋経済の発展を目的として、「海の森」造成と生態環境の復元のためにアカモクを大量に移植した。これが、済州島でアカモクが見られるようになった時期と一致するという。国立水産科学院は15年に採取した個体の遺伝子を分析し、東シナ海で発生した個体と一致することを確認している。
済州海域でのアカモクの回収量は19年が860トン、20年が5181トン、21年が9755トンと増加し、22年からは年間500トン水準を維持している。今年は2月までに約50トンを回収した。先月17日には、ワカメ類とみられる海藻も大量に海水浴場に押し寄せ、同日だけで20トン回収したという。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「中国の近所だということはなんという災難だ」「PM2.5といい、ごみといい、本当に迷惑」「中国から来るものは空気も海流も、われわれにとっていいものは何一つない」「中国は歴史的に韓国にとってプラスになったことがない」など、中国に対する怒りのコメントが殺到している。(翻訳・編集/麻江)