2025年5月7日、中国の映像制作会社・厦門留光文化伝媒有限公司によると、このほど中国で公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督作品「もののけ姫」に対し、中国人から「前向きに生きることの大切さを教えてくれる」と感謝の声が上がっている。

記事は、「宮崎監督の『もののけ姫』が現在中国で大ヒット上映中である。

このほど『定義されない姫』をテーマにした本編映像の一部が公開されると、人類と自然の全面戦争が今にも始まろうとする中、山犬一族を代表して立ち上がったサンが自らの運命を自分の手で切り開く姿が描かれた。故郷の森を守るために人間に立ち向かうサンの『自分の命は自分で守る』という強い生命力は、多くの観客の心に深い共感を呼び起こし、サンはその孤独な勇気で『姫』という既成概念を打ち破った」と言及した。

その上で、「ある観客は冷静で勇敢な女性リーダーであるエボシ御前に心を奪われたと言い、また、ある観客は村の女性たちの姿に感動したと語る。彼女たちは袖をまくって鉄を打ち、火縄銃を手に外敵に立ち向かい、その手で自分たちの運命を切り開く。観客からは『スクリーンで多様な女性の美しさが描かれ、多くの強い女性の縮図を見ることができた』との声も上がっている」と紹介した。

また、「宮崎監督は『もののけ姫』で癒やしと生命力に満ちた幻想的な世界を見事に描き出している。今回の4K修復版では、彼の手描きアニメーションの頂点ともいえる映像美が極限まで再現され、その映像と音響の迫力で観客を圧倒している。作中では、朝霧の中で一足ごとに草花を咲かせるシシガミや生き生きとしたコダマが多くの観客に強烈な印象を残しており、『コダマが登場する場面は癒やされるし美しい。かわいすぎて心がときめいた』との感想も寄せられた」とした。

そして、「映画の結末では、かつて山犬一族のために戦ったサンが憎しみを捨て、アシタカと共に人間世界の滅亡を阻止する道を選ぶ。一方、生存の危機に直面したエボシ御前と製鉄村の村人たちは再び立ち上がり、村を再建することを決意する。どのキャラクターも『生きてさえいれば希望はある』と信じ、その揺るぎない信念に多くの観客の心を動かされた。

観客からは『この世界に宮崎駿がいてくれてありがとう。彼の作品は単に完璧な童話を描くのではなく、不完全な世界と和解し、過去の傷跡やトラウマを抱えながらも、前向きに生きることの大切さを教えてくれる』と感謝の声が相次いでいる」と伝えた。(翻訳・編集/岩田)

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