SNS上で最近、「空のスーツケースを持って中国へ行こう」というアドバイスが話題となっている。「中国旅行」から「中国ショッピング」へとつながる「旅行+爆買い」の体験が、多くの外国人観光客を魅了している。
「中国ブーム」の背景には、政策による後押しがある。査証(ビザ)免除対象国を持続的に拡大し、外国人観光客の決済に便宜を図り、出国時税還付の利便性を高めるなど、中国は実効性ある政策によって、世界中の観光客が中国に来やすいようにしている。先ごろ、中国はブラジルなど南米5カ国を対象にビザなし入国政策の実施を決定。これにより中国の一方的ビザ免除対象国は43カ国にまで拡大した。海外発行クレジットカード対応のPOS端末の普及率が高まり、支付宝(アリペイ)や微信支付(WeChatペイ)などのモバイル決済で海外発行クレジットカードの国内アプリひも付けや海外アプリ(ウォレット)の中国国内での使用を可能にする機能を絶えずアップデートするなどして、多くの地域でタッチ決済が実現している。さらに、中国は関税還付政策にも力を入れており、購入するとその場で関税が還付される「即買即退」サービスを試行地から全国へと拡大し、適用下限金額を引き下げ、対象店舗の配置を最適化し、対象商品の供給水準を高めるなどしている。

「中国ブーム」には「メード・イン・チャイナ」の品質の高さが反映されている。近年、外国人観光客が中国で購入する商品は、衣料品や食品からスマートフォン、翻訳機、小型家電、さらにはスマートホーム製品にまで広がっている。「メード・イン・チャイナ」はハイテク性が著しく高まり、グローバル市場での競争力も高くなっており、外国人観光客が「掘り出し物」を求めて中国を訪れる動機ともなっている。スマートフォン、パソコン、スマート・ウェアラブルデバイス、ドローンなどは「海外向け代理購入」の人気商品となっている。こうした状況は、中国の製造業の革新力と技術力を示すとともに、グローバルなバリューチェーンにおける中国の地位向上も体現している。
「中国ブーム」は中国において文化と観光の融合的発展の実践が進んだことによるものでもある。
産業構造の高度化による蓄積、消費環境の多様化の進行、対外開放の持続的拡大などが相まって、中国が世界中から多くの観光客を受け入れるための鍵となり、中国経済の質の高い発展にも新たな活力をもたらしている。(提供/人民網日本語版・編集/NA)