中国科学院古脊椎動物・古人類研究所によると、同研究所と河北地質大学の共同研究チームは、ハルビンで出土した少なくとも14万6000年前の古人類の頭蓋骨化石とその歯石について分子古生物学的研究を行い、このハルビン古人類がデニソワ人であり、既知の初期デニソワ人系統に属していたことを明らかにしました。この研究成果は18日、国際学術誌『サイエンス』と『セル』の公式サイトに掲載されました。

この研究に際し、共同チームは革新的な古代タンパク質・古代DNA分析を実施して古代タンパク質による人類集団自動鑑定システムを確立し、これまでで最高精度の古代人類プロテオームデータを生成しました。また、古代DNAの抽出実験を最適化し、微量の古代DNAに対応する体系的なバイオインフォマティクス解析法を構築するとともに、歯石に含まれる微量の中期更新世後期人類の古代DNAを世界で初めて抽出することに成功しました。

「現代の東アジア・オセアニア人に遺伝的影響を与える古代型人類デニソワ人の実態解明」は、デニソワ人が発見されて以来15年間、最も重要な国際的課題の一つでした。共同研究チームはこの難題に挑み、ほぼ完全な状態のハルビン古人類の頭蓋骨化石と謎めいたデニソワ人集団を初めて関連付けました。この成果は、デニソワ人の時空間分布の解明と東アジアにおける古人類の進化史を研究する上で決定的な証拠を提供するものです。(提供/CRI)

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