中国国有鉄道会社の中国国家鉄路集団は22日、1~5月の鉄道貨物輸送量が前年同期比3.1%増の16億4100万トンだったと発表した。国営メディアが伝えた。
国営新華社通信によると、1~5月の石炭輸送量は8億4500万トン、うち発電用は5億7500万トンだった。輸送先の火力発電所の石炭在庫は高水準で推移し、鉱産建材、製錬材料、食糧(穀物・豆類・イモ類)の輸送量はそれぞれ22.0%、9.1%、5.5%増加した。
中国国家鉄路集団は総合物流請負サービスの発展にも力を入れ、コモディティー輸送手段の道路から鉄道への切り替えを促した。1~5月に締結した総合物流請負契約の件数は655件、契約ベースの輸送量は9億7900万トンだった。
水運企業との協力も拡大。複合一貫輸送にかかるすべての手続きが一度で済む「一単制」サービスを開発し、輸送時間の短縮と物流コストの引き下げを実現した。1~5月の鉄道と水運を組み合わせた複合一貫輸送は18.4%増の683万3000TEU(標準コンテナ換算)に上った。鉄道物流金融サービス積極的に広げ、顧客数は累計819社、与信総額は197億8300万元(約4兆円)となった。
越境貨物輸送も安定的かつスムーズだった。1~5月の中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」は安定運行を維持し、中国と中央アジアを結ぶ「中亜班列」の運行本数は23.0%増の6046本だった。雲南省昆明市とラオスの首都ビエンチャンを結ぶ「中老鉄道」の越境貨物輸送量は8.0%増の250万2000トンに上り、国際的な経済・貿易往来を力強く推進した。
中国メディアによると、中欧班列は21日午前、中国北西部の西安国際港駅を出発したことで、全行程運行ダイヤ体制に基づく累計運行本数が1000本を突破した。
1000本目の列車は自動車部品やLEDディスプレーを満載。西安を出発後、甘粛省蘭州市と江蘇省連雲港市を結ぶ隴海線と甘粛省蘭州市と新疆ウイグル自治区の阿拉山口市を結ぶ蘭新線を経由して西進し、阿拉山口市口岸(通関地)の鉄道国境を経て、ドイツのデュイスブルクへ向かった。
中欧班列の主力貨物は太陽光パネル、太陽光モジュール、船舶用内燃機関部品などの高付加価値製品が中心で、コンテナ1本あたりの平均貨物価値は他の貨物列車より約41%高く、累積輸送量は累計9万8000TEUを超えたという。(編集/日向)