シンガポールメディアの聯合早報は26日、「中国の太陽光発電産業は過剰な生産能力を抱え、価格の安定が困難になっている」とする記事を配信した。

記事の指摘は調査会社・集邦諮詢が発表した報告書に基づくもので、それによるとポリシリコン分野では7月の川下からの注文が少なく、シリコンウエハー自体の赤字も比較的深刻で、インゴット引き上げ工程の翌月の在庫確保に向けた購買意欲は引き続き低調だ。

シリコンウエハー分野では、今週時点で在庫が20億枚以上に達しており、エンドユーザー側の需要は空白期にある。大手専門メーカーが来月に減産を計画していたとしても在庫の増加を抑えるのは難しい。

また、電池セル自体の需要は楽観視できず、シリコンウエハーの購入にますます慎重な態度が取られている。7月はシリコンウエハーの供給過多が予測され、価格の安定維持がより困難になる見通しだ。モジュール分野では注文の減少傾向が続くと予測され、稼働率は全体的に低水準となっている。

記事はまた、米ニューヨーク・タイムズの昨年の報道での指摘として、「中国は世界の太陽エネルギー市場を主導しているが、(中国)国内産業は不安定期にある。長年にわたり、政府の補助金が企業の過剰生産能力、輸出拡大を招き、それに伴って起きた価格下落が企業に深刻な打撃を与えた」と伝えた。(翻訳・編集/野谷)

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