中国メディアの環球時報は25日、消費刺激策として韓国で配布が始まった消費券を巡り、「色による差別」騒動が起きたと報じた。

記事によると、韓国政府は今月、消費を刺激して内需を活性化させることを目的とする消費券配布計画をスタートさせた。

配布方法にはプリペイドカードも含まれるが、こうした中で物議を醸したのが光州市だ。

同市の消費券の額は市民の所得水準や家庭の状況に応じて18万ウォン(約1万9000円)、33万ウォン(約3万5000円)、43万ウォン(約4万6000円)の三つが設けられ、それに合わせて赤、緑、青のカードを用意。うち、緑色のカードは低所得層や一人親世帯向け、青色は基礎生活保障対象者に対応するものだが、この措置はすぐに「色分けはカード利用者の収入レベルの強制的な公開であり、カードを使う時に恥ずかしさや不安を感じることにつながる」との批判を呼んだ。

市の説明によると、色分けの採用は「現場の混乱を避けて管理を容易にするため」だという。

一方、この件で取材に応じた71歳のある市民は「カードを使うたびに嫌な気分になる。なぜ同じ色にできないのか分からない」と話し、別の市民からも「弱者への配慮という政策の当初の目的から外れたやり方。完全に『思いつき』の決定だ」との声が上がった。

さらに、李在明(イ・ジェミン)大統領は23日に「管理のしやすさだけを考えたもので、人々の立場を顧みていない」と速やかな是正を要求。光州市の姜琪正(カン・ギジョン)市長は「市民に不便を感じさせた」として謝罪し、市民がカードの交換申請をできるようにすることを約束した。このほか、副市長を中心とした内部調査を行い、決定の経緯を整理して同様の問題の再発防止を図るという。

ただ、カードの作り直しには少なくとも3週間はかかるため、市はシールを使って色を隠すという臨時の対応を決めたものの、これにも批判の声が上がった。23日夜から各区の行政福祉センターには赤いシールが配布され、その夜に貼り付け作業を終えるよう指示が出たが、「現場の公務員へのしわ寄せだ」と批判されたという。

(翻訳・編集/野谷)

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