中国最大手の総合化学企業グループである中国中化グループは7月28日、中国初の農業栽培統合大規模モデルを北京で発表しました。このモデルは、農業分野における「経験依存」の課題解決と新たな質の生産力の発展に、新しい原動力を与えると期待されています。
このモデルは、中国中化が全国に展開する数百カ所の農業技術サービス拠点と、4000万ムー(約268万ヘクタール)を超える耕地を基盤として、1000万件以上の農業知識リソースを統合しました。農業生産における「耕す、種まき、管理、収穫」の全生産過程をカバーし、高精度で高い信頼性を持つ複雑なタスク処理能力を備えています。
農業技術者はスマートフォンやタブレット端末を通じ、「オンラインでの意思決定インテリジェンス」と「現地での密着型サービス」を実現できます。作物の生育状況や土壌水分状態を監視し、気象や病害虫などの要素を分析した上で、農家に「1ムー当たりの適正施肥量」や「最適な灌水時期」などきめ細かな農業アドバイスを提供します。これにより農作業の意思決定時間が75%短縮され、1ムーあたり150~200元(約3100~4100円)の増収が見込まれます。
プロジェクト責任者の冉得才氏は、「このモデルにより、水と肥料の使用量を10~20%削減し、収穫量を8~10%増加させる効果が期待できる。これにより、農業分野で長年課題となっていた資源の浪費や災害予測の難しさなど核心的な問題の解決に寄与し、業界の『経験依存型農業』から『工業レベルの標準化生産』への転換を促進させることができる」と説明しました。(提供/CRI)