中国科学院の研究チームは高解像度衛星リモートセンシング技術を利用し、廃棄物埋立地のメタン排出量を正確に定量化する新たな方法を開発しました。関連の研究成果は北京時間7月28日、国際的な学術誌「ネイチャー・クライメート・チェンジ」に掲載されました。
廃棄物埋立地は世界で3番目に大きい人為的なメタン排出源であり、世界の人為的メタン排出量の約18%を占めています。従来のメタン排出モニタリングは主に地上測定とモデル推定に依存しており、カバー範囲が限られ、精度が不足し、コストが高い問題などがありました。
中国の研究チームはリモートセンシング衛星を用いて、世界の102カ所の廃棄物埋立地のメタンプルーム(メタンが排出源から放出された後に形成される羽毛状の拡散構造)とその排出速度を識別し、定量化しました。
研究結果によると、廃棄物埋立地のメタン排出は、管理方式に大きく影響されることが分かりました。厳格な防護措置を施していない露天の廃棄物埋立地のメタン排出平均強度は、無害化処理した廃棄物埋立地の4.8倍に達することが分かりました。
また研究では、目下広く利用されている欧州連合(EU)が発表した地球規模の大気研究のための排出量データベース(EDGAR)は、メタン排出量が高い廃棄物埋立地の排出量を平均で約5倍少なく評価していたことも確認されました。(提供/CRI)