2025年8月18日、中国メディアの環球時報は、中国の投資家がギリシャの首都アテネを「静かに変えている」とする香港メディアの報道を紹介した。
記事が紹介したのは、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの16日付文章。
そして、中国人による不動産購入ブームの背景には「ゴールデンビザ」の制度があると指摘。もともとトルコやロシアなど周辺国の申請者を想定してギリシャ政府が13年にスタートしたこの制度が、新型コロナの時期を経て中国人の投資家に注目されるようになり、今年6月までの新規申請者7795人のうち約半数を、またビザ更新者の61%をそれぞれ中国人が占めていると伝えた。
その上で、中国人がギリシャのゴールデンビザに注目する理由として、他の欧州連合(EU)諸国に比べて価格面で優位性があること、マルタなどに比べて生活水準が高く経済が堅調であることなどを挙げている。また、中国人投資家は現地の土地勘がないことを気にせず、通訳を介して「地元不動産業が驚く」ほど迅速に購入を決断する特徴が見られると紹介した。
文章は、中国人によるアテネの不動産投資ブームが建設産業やリノベーション産業を刺激し、地元経済に好影響を与えているという見方を紹介。中国人投資家が所有する約30戸からなる集合住宅を管理しているというアテネのAirbnb(エアビーアンドビー)代理店経営者が「中国人購入者の中には部屋の改修だけでなく、外壁やエントランスまで改装する人もいる。ギリシャが経済危機に陥って以降、集合住宅の住民たちからお金を集めて共有部分の改修を行うことは非常に難しくなっているので、地元の人々が地元経済にこれほど大きな貢献ができるとは思わない」と語ったことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)