人型ロボットが音楽に合わせて踊り、四足ロボット犬が隊列を組んでジャンプや宙返りを披露する。広東省深セン市龍崗区にあるロボット6S店を訪れると、店舗前の広場は活気にあふれ、多くのロボットが市民と「進んで」交流していた。
自動車4S店にはなじみがあるが、ロボット6S店にはどんな新しさがあるのか。説明によると、ロボット6S店は従来の4S店が持つ「販売、部品、サービス、情報フィードバック」のモデルに、「レンタル」と「個別カスタマイズ」の要素を組み込み、ロボットを研究室から市場へ、技術的な概念から生活の場へと進出させることを目指している。
店内では、あいさつしてくるロボットと握手する子どもに、ロボットが子どもの声で「会えてうれしいよ」と応じる光景が見られる。別の一角では、親子が「ブレインレーシング」ロボットを試している。ここでは、ロボットが触れられ、遊べる「友達」になっている。6S店の店長を務める深セン未来時代ロボットの林楓(リン・フォン)最高経営責任者(CEO)は、「店内には産業用ロボット、コンパニオンロボット、健康監視ロボットなど多様なタイプがそろっている」と説明した。
従来では、ロボットの販売はオンラインに頼ることが多く、ユーザーが動作やインタラクションの性能を実感するのは難しかった。一方、6S店では「展示・販売一体型」モデルを採用し、抽象的な技術的パラメータを、触れて、対話して、体験できる具体的なシーンでの展示に変えている。人々は人型ロボットの関節の柔軟性を間近で観察したり、ロボット犬に指示を与えて触れ合ったり、サービスロボットの機能を試したりすることができる。
また、店内の「ロボット部品スーパー」は「ロボットの救急室」とも呼ばれ、センサーや減速機などの主要部品を取りそろえ、主要な人型ロボットの修理需要に対応している。スタッフは、「家庭用サービスロボットのセンサー故障でも、産業用巡回ロボットのアーム損傷でも、ここなら対応する部品が見つかる」と説明した。
来店客が健康監視ロボットを指して、「このロボットは高齢者の健康管理に向いているが、テレビを見ている時や睡眠中に呼吸、血圧、心拍数、血中酸素濃度などの指標をモニタリングできるか?」と尋ねると、林氏は「もちろん。具体的なシーンを教えてもらえば、個別カスタマイズが可能だ」と応じた。
林氏によると、人型ロボット本体の販売価格は10万~20万元(約200万~400万円)が大半だが、レンタルやカスタマイズの需要が高く、健康監視ロボットのカスタマイズや人型ロボットのレンタルが売り上げの大きな割合を占めている。レンタルとカスタマイズは、ロボットが家庭に普及していく重要な手段になると見込まれている。
林氏は、「技術チームは顧客が求めるシーンや機能のニーズを詳しく把握し、ハードウェアの構造設計から外観デザインのカスタマイズに至るまで一貫した提案を行う。業界ごとに求められる機能は千差万別なので、カスタマイズによってそれぞれの現場に最適化したロボットを提供できる」と語る。
林氏はまた、「すでに200社以上の関連企業が入居の意向を示しており、そのうち人型ロボットやサービスロボットの企業は50社近くで、産業チェーン全体をカバーしている」と述べる。
林氏はさらに、「6S店はロボット産業の『イノベーションのテストケース』となり、ロボットが市民生活により深く溶け込むための推進力になるだろう」と強調した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)