四川省の三星堆博物館の文化クリエーティブ産業はベーシックな観光記念品から多次元産業へと飛躍的発展を遂げている。三星堆管理委員会産業発展部の何清(ホー・チン)部長は3日、「これまでに販売されている三星堆のグッズはすでに2700種類以上、商品の品目の更新率は年間30%以上、年間売上高が100万元(約2000万円)を超えている商品は30種類以上に達した」と紹介した。
文化・博物館の関連グッズの開発、ライセンス供与によるコラボレーション、デジタル商品の研究開発などを深く掘り起こすことによって、三星堆の文化クリエーティブグッズの年間売上高は2億元(約40億円)の大台を超え、特許ライセンス供与も1000万元(約2億円)を超えるなど、1000年以上の歴史を誇る文化財は大ヒット商品へとその姿を変えている。
何部長は「100社以上のサプライヤーと提携しており、毎月1回、文化クリエーティブグッズの査定会を行い、3カ月に1回、売れ行きの一番悪いグッズの販売終了を行っている。三星堆文化クリエーティブグッズは立ち上げ時期こそ他に比べて遅かったものの、常に開放的な姿勢で、中国国内の一流のデザイナーやサプライヤーに開発に関わってもらってきた」とする。
三星堆博物館・文化クリエーティブグッズショップの責任者・宋克花(ソン・コーホア)さんは、「すべての観光客に三星堆ならではの記憶を背負った『文化的な土産』を気軽に家に持ち帰ってもらいたいというのが一番の目標。グッズを購入した外国や香港・マカオ・台湾の観光客を対象に出国時税還付サービスの提供が始まったので、さらに気軽に『三星堆の記憶』を持ち帰ってもらうことができ、ショッピング体験が大幅に向上した」とする。
また宋さんは、「青銅大立人や青銅神樹、金の仮面といった『人気文化財』のマグネット、ブックマーク、ブラインドボックスなどが外国人観光客の間で人気となっている。新作のグッズの中でも、青銅鳥や陶製の豚をモチーフにした縫いぐるみは売り切れ続出となっている」とする。
統計によると、今年の夏休み期間中、三星堆博物館館内のショップだけでも売上高が前年同期比12%増の3800万元(約7億6000万円)以上に達した。
2024年における三星堆博物館の来場者数は延べ600万人以上に達した。三星堆博物館の一級ガイド・何俊岷(ホー・ジュンミン)さんは、「神人にしても、神獣、神樹、神壇にしても、死も、血生臭さもなく、自然に対する畏敬の念と崇拜しかない。国内外から来る観光客が三星堆博物館を芸術や技術といったどんな角度から見学したとしても、これまでにはないものを感じ、新たな発想を見つけることができる」との見方を示す。
また何部長は、「三星堆デジタル文化クリエーティブグッズはカタールで展示されたほか、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)でお披露目された。博物館の影響力は考古学の現場から世界へと波及している。中国のオンラインゲーム『原神』やマクドナルドといった国内外の有名ブランドとのコラボレーションも大きな反響を呼んでおり、関連イベントのクリック回数が2億回を超えるなど、驚異的なブランド影響力を誇るようになっている」とする。
三星堆の文化の影響力は現在、産業提携の原動力、経済的価値へと確実に転化されている。(提供/人民網日本語版・編集/KN)