ヒトへの臓器移植用遺伝子編集ブタを研究する米バイオテクノロジー企業イージェネシス(eGenesis)は9月8日、米国食品医薬品局(FDA)が、同社のヒト移植用遺伝子編集ブタ腎臓を用いた臨床試験の実施を承認したと発表しました。
米CNNによると、同社は今年中に承認後初の臨床試験を実施し、今後2年半で33例の試験を完了する予定です。
FDAの承認は米国の腎臓病患者団体に歓迎されました。統計データによると、米国では約3700万人の成人が慢性腎臓病を患い、うち80万人余りが末期腎不全で、腎臓移植を待っています。患者1人当たり平均3~5年待たなければ移植可能な腎臓が確保できず、またO型の血液型患者では待機時間が10年に及ぶケースもあるとのことです。
米国腎臓学会の政策・国際事務部門の責任者パウロ・コンウェイ氏は、「会員を対象とした以前の調査では、FDAがブタ腎臓のヒト移植を承認した場合、回答者の7割以上がこうした移植手術を受けたいと考えていることが分かった」と紹介しました。
米国のマサチューセッツ総合病院の医師は8日、同院で3例目となるヒトへのブタ腎臓移植手術を完了したと発表しました。患者のビル・スチュワートさんは現在54歳で、6月14日に移植手術を受け、今は自宅に戻っただけでなく、仕事にも復帰しました。今回の移植手術の腎臓は、イージェネシスが提供したものです。(提供/CRI)