マレーシアのクアラルンプールで10日午前に開催された国際かんがい排水委員会(ICID)第76回国際執行理事会において、2025年「世界かんがい施設遺産」リストが正式に発表されました。中国が申請した「雲南・元陽ハニ棚田」「江蘇・句容赤山湖かんがい施設」「四川・彭州揃江堰」「北京・門頭溝永定河古渠かんがい施設」の4件がすべて登録されました。

雲南省紅河南岸の哀牢山地域にある元陽ハニ棚田は、かんがい面積5万6100ムー(3740ヘクタール)で、唐の時代に築かれました。森林・村落・棚田・水系が一体となった立体的な生態系を形成し、生活・生産・生態の有機的な統合を実現しています。

江蘇省句容市の赤山湖かんがい施設は、西暦239年に建設されました。現在も秦淮河上流の重要なかんがいおよび洪水調節施設として機能しており、灌漑面積は7万7000ムー(5133ヘクタール)に達します。

四川省彭州市の揃江堰は、紀元前141年ごろに建設され、今なお16万2000ムー(1万800ヘクタール)の農地を潤しています。

北京市門頭溝区の永定河古渠かんがい施設は、5本の古い水路と周辺の古くからの湧水と井戸から構成されています。水路は永定河の湾曲した地形を利用して取水し、巧みに洪水を避け、土砂の堆積を防ぐ仕組みを備えています。

「世界かんがい施設遺産」リスト制度は2014年に創設され、現在、遺産の総数は200件に達しました。このうち中国の登録数は今回の4件を加えて42件となり、世界最多となっています。(提供/CRI)

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