中国の商務部、国家統計局、国家外為管理局は8日、福建省アモイ市で「2024年度中国対外直接投資統計公報」を共同発表した。公報によれば、24年の中国の対外直接投資フローは1922億ドルで世界全体の11.9%を占め、前年比で0.5ポイント上昇。
中国の対外投資は安定的かつ健全に発展し、強いレジリエンスと活力を示している。
海外進出を続け、世界経済の発展に積極的貢献
繊維製品などの輸出品を満載した貨物船「江遠遠吉」号が9日午後、アモイ港の海天埠頭からベトナム・ホーチミン市へ向けて出航した。1万トン級のこの貨物船は「シルクロード海運」航路における輝かしい存在となっている。
コンテナ製造会社の中国国際海運集装箱集団(CIMC)の呉三強(ウー・サンチアン)取締役会事務局長によると、1997年から海外市場に進出してきたCIMCは現在、世界に300社以上のメンバー企業を擁し、製造拠点や研究開発センターを約20カ国・地域に置き、海外従業員は約4700人に達する。
中国は経済のグローバル化の正しい方向を堅持し、より緊密で実務的かつ開かれた協力を通じて、グローバルな産業・サプライチェーンの安定性を共同で維持し、世界経済の発展に積極的に貢献している。中国の24年の対外投資は2110億ドルの物品輸出をけん引した。これは前年比13%の増加で、同期の物品輸出総額の5.9%を占めた。在外企業の売上高は3兆6000億ドルに達し、投資先への納税額は821億ドルに達した。年末時点で在外企業の総従業員数は502万1000人で、その65.8%を現地従業員が占めた。
「新ブルーオーシャン」を開拓、新興市場への布陣を強化
呉取締役会事務局長は、「この2年間で、中国企業の海外進出に新たな変化が生じ、先進国重視から、東南アジアや中東など新興市場への布陣の強化へと変わった。CIMCは今年、サウアラビア・リヤドに地域オフィスを設立し、CIMC車両など傘下の子会社と連携して現地のエネルギーモデルの転換に助力している」とした。
CIMCのように、自ら積極的に海外市場を開拓する中国企業が増えている。公報によれば、24年末時点で、中国からの出資で設立された在外企業は世界190カ国・地域で5万2000社に上り、「一帯一路」共同建設国では1万9000社に達した。年度の経営状況も良好で、24年に在外企業の70%が黒字または損益均衡を達成した。
新技術を開発、海外進出の新たな成長分野を創出
カザフスタンでは、現地自動車メーカーのアリュール(Allur)グループが現地のスター企業となりつつあり、自動車の生産・販売台数を年々増やしている。中国通用技術集団はこのアリュール社に投資。同社の担当者は「アリュールに投資して以来、江淮や捷途、紅旗などの中国ブランドも導入した」と説明する。
また、ドイツ・ミュンヘンで7日、寧徳時代(CATL)がNP3.0動力電池の安全技術を発表した。欧州では、ドイツ、ハンガリー、スペインにCATLの3大生産拠点がある。電池交換モデルの革新的応用からリサイクル技術のブレークスルーに至るまで、この中国企業は独自の優位性で欧州の自動車メーカーから注目を集めている。
産業構造の高度化に伴い、ハイテク製品、先端設備、低炭素・グリーン製品が「メード・イン・チャイナ」の海外進出における新たな成長分野となっている。長年培ってきた独自開発力や産業クラスターなどの優位性を生かし、製品の海外進出からブランドの海外進出、資金・技術の海外進出に至るまで、グローバル市場での展開を進め、さらに大きな成長を遂げる中国企業が増えている。中国企業の海外進出は、自社のためにより大きな活躍の場を切り拓くだけでなく、世界市場にも新たな製品や技術を供給し続けている。